はぃぃどーも。
ごめんなさーい今回も再掲記事で失礼致します。
今回は恒例のディズニー・トゥーン・スタジオ回です。トゥーン・スタジオについてはこちらの記事を参照。
いっとき巷に溢れた所謂「ディズニーヒット作のひどい続編」の主犯格として悪名が高く、2018年の閉鎖以降まるでディズニーの黒歴史みたいに扱われがちなこのスタジオですが、これまでも語ってきたように実は素敵な作品もいくつも世に出していました。
今回はそんなトゥーン・スタジオの作品から、あのディズニーを代表する人気者3人が共演した初の長編アニメーション(オムニバスを除く)として、歴史的にも大きな価値のあるこちらの作品について語っていきたいと思います。
ミッキー・ドナルド・グーフィーの三銃士
2004年
監督
ドノバン・クック
データ
ミッキー・マウス生誕75周年を記念して制作された長編アニメーション作品。
ミッキー・ドナルド・グーフィーが共演する初の長編作品と触れ込まれていましたが、そもそもオムニバス以外の純粋なミッキーマウス主演のオリジナル長編作品は実はこの作品が初めてとなります。
公開形態はビデオスルー。
日本ではVHSとDVDの2形態でリリース。
初回限定版として三銃士コスチュームのミッキーのぬいぐるみがついた限定セットも販売されました。
タイトル通りミッキー・マウス、ドナルド・ダック、グーフィーの三人がメインキャラクターとして登場。
他にもミニー・マウス、デイジー・ダック、プルート、ピート、クララベル等のディズニーキャラクターが登場。
ビッグ8の中ではチップとデールのみ登場していません。
監督はピーター・パン2の監督でも知られるドノバン・クック。
題材はフランスの作家アレクサンドル・デュマによる小説「三銃士」。ストーリーはディズニーオリジナルですが原作小説の登場人物達も少しだけ作中に登場しています。
ミッキー・マウスはウェイン・オルウィン。
日本語版は青柳隆志さん。
ミニー・マウスはルシー・テイラー。
日本語版は水谷優子さん。
ドナルドダックにトニー・アンセルモ。
日本語版は山寺宏一さん。
グーフィーはビル・ファーマー。
日本語版は島香裕さん。
ピート役のジム・カミングス。
日本語版を大平透さん。
あらすじ
17世紀のフランス。
ミッキー、ドナルド、グーフィーの三人は幼少期に銃士に助けられた経験から、近衛銃士に憧れを抱き銃士隊の下働きを続ける日々を送っていた。
いつの日か自分達も銃士になる日を夢見ていたが、下働きの仕事もミスばかりで近衛隊長のピートにも完全に見限られてしまう。
彼らには「臆病」「マヌケ」「体が小さい」という三種三様の欠点があった。
しかしそんなある日、三人はピートから突然銃士隊への配属とプリンセス・ミニーの護衛という重要な任務を命じられる。
突然の任命に戸惑いながらも念願の銃士入りに喜ぶ三人。しかし、ピート隊長には実は三人の知らない裏の顔と、恐ろしい計画があった…
感想
さすがにあのミッキー・マウスの長編作品という事で非常に力を入れて制作されたのがわかる出来栄えです。
ストーリーは誰にでもわかるような勧善懲悪の単純ストーリーですが構成等細い所はかなり工夫して作られています。
コメディシーンも往年のディズニーギャグと現代的なギャグがうまく折り混ざっていて良かったです。メタ的な要素も取り入れたりして。
作画やアニメーションもこの当時のトゥーンスタジオとしてはかなり頑張っていると思います。
しかしながら取り立ててそれ以上に特筆すべき部分はあまりなく…
子供にもわかりやすい【一人じゃできないことも、力を合わせれば乗り越えられる】というテーマがあってストーリー全体でそれをちゃんと表現していますが、果たして今の子供はこういうアニメーションを楽しんで観るのか…結構疑問なので総評としてはやはり大人が観る【ファンアイテム】の1つ…ですかね。
作画とコメディシーンの秀逸さ
これは本当に頑張っていると思いますね。
アニメーションもなかなか滑らかに動いているし、何よりミッキー達の作画や表情等はかなり力が入っているなと思いました。
正直「素晴らしい!」とまではいきませんが。
特にピートは良かったですね。
置きにきた感の強い音楽要素
音楽面・ミュージカルシーンは非常に効果的に使われていて内容もなかなか凝っていて良いんですが、やはり音楽が往年のクラシック音楽の流用で歌詞だけくっつけてるのがどうしても手抜きに感じてしまって残念でした。
そりゃあ「くるみ割人形」とか「天国と地獄」使ってれば間違いはないでしょうけど、そこはオリジナル曲で勝負して欲しかったですね。
全体を通したキャラクター頼みの構成
やっぱり往年のディズニー看板キャラクター達を使っているだけあって、キャラの表現はさすがによく出来ています。
ピートなんて久々のメインヴィランとしての登場でやっぱりとっても良い働きしてますからね。
改めて良いキャラだと思いました。
義足設定も久々の復活でしたね。
クララベル等のマニアックキャラにスポットが当たってるのも良いです。
ミッキー達の個性をストーリーに活かしてるのも良かったですが、本来以上にグーフィーのマヌケやドナルドの臆病が強調されてるのはちょっと違和感でしたかね。特にドナルドは、ちょっとキャラ違うかな。
あとはやっぱりまぁキャラクターモノなので仕方ないんですが全体的にキャラに頼り過ぎかなぁとは思いました。もう少し脚本頑張れたんじゃないかなと。
程よい疑似メタフィクション表現
この作品の最大の特徴は何気にこの【疑似メタ表現】だと思っています。
もともとミッキー達は【映画俳優】という疑似メタ設定のもと色々な役で映画やパークに出演しているのですが、ここを初めて結構掘り下げて言及してるのがこの作品。所謂スターシステムというやつです。
特に特典映像の「メイキング」では、制作スタッフ達がミッキー達を【実在する俳優達】としながら制作の舞台裏を語っています。
「役を聞かされたときのドナルドの反応」や「撮影時のグーフィーの様子」「役者としてのピートの素の顔」等を暴露していてなかなか面白い内容なんです。
この映像はディズニープラスでも観ることができます。
そして残念ながらこちらは未配信なのですが、ミッキー、ドナルド、グーフィー、ピートによる「音声解説」という映像もあって、これが最高に面白いです。
四人が撮影時のこぼれ話や演技について【役者として】トークしてるのが聞ける貴重な映像です。
ピートがミッキー達と普通に仲の良い役者仲間だったりとか、まさに疑似メタの世界が広がっています。
この映像はもっと沢山の人に観て欲しいんですが残念ながら現在はDVDの特典映像でしか観ることができません。もったいない!
これまでも「ファンタジア」や「ミッキーのアカデミー候補者パレード」等で疑似メタ的な表現はありましたが、この部分にここまで突っ込んだミッキー作品は他になかったと思いますね。
一見の価値ありです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まとめ【ミッキーやディズニーファンにとっては貴重なファンアイテム】
ということで。
色々凝っている部分もあり内容もそこそこしっかり作られていてファミリーでも普通に楽しめる作品だとは思いますが、所々に粗さや置きにきたような部分もあって、総合すると若干弱いのは否めないです。
それよりも様々散りばめられた小ネタやメタ表現等、ファンアイテムとして楽しむ一本かなぁという印象ですね。
ミッキー・マウス生誕75周年記念作品なのでそれなりの歴史的価値もあり、現在もミッキーの代表作の一つに挙げられている一本なのは間違いないので。
にほんブログ村