さてさて「何処がコンビネーションの続きなの?」と言われてしまいそうですが、蓮が交際を暴露した少し後からと言うことでお願いします。あと、前回の「ライバル」とは、続きでも雰囲気等別物です。ドラマシーンも多めで英語の会話は『 』閉じになってます。
それでも宜しければどうぞ…1話も長めですが、全部も長いです。

 

前のお話です…7年前?(^▽^;)

コンビネーション ライバル 
1 / 2 / 3 / 4 / 5・完結 

 

 

  2人のコンビネーション…音夜と唯香
     ライバルからそして…

 

 SP版としての【コンビネーションー2】は続編として、その後の2人を別の視点も加え、「海外からのライバルか?」という音夜の知り合いが絡み、犯人グループを追い掛けて日本に来た処から話は始まる2時間ドラマとなった。

 

* * *

 

 ワイドショーの中での番宣という事で、時間は短いが蓮の顔出しでは扱いは小さくはない。

 

『今回のSPドラマは、以前に放送されました【コンビネーション ライバル】の続編との事ですが』
「はい。ドラマが終わった時には続編の予定はなかったのですが、最終回で主役の音夜と唯香の思いが通じる所で終わった事もあり、その後の2人を見たいというリクエストを多く頂きました」
『それと、同時にと言って宜しいでしょうか? 敦賀さんと京子さんの交際もオープンにされて、どちらも気になる方が多かったのではないでしょうか?』
 クスクスと蓮を見つめる視線に笑いが零れた。
「…あぁ、そういう処もありますね…」
『あら。珍しく敦賀さんの表情が変わりましたね?』
「そうですね。ドラマではなくリアルの事ですので」
 微かに苦笑いを浮かべて、蓮の笑みは幸せが透けて見えた。

 

『本日は、京子さんは他のお仕事でお互いにお忙しいようですが、交際は順調でしょうか?』
「音夜と唯香と同じくらいに順調ですね」
『あらら…。ストレートなお惚気ですね』
 記者会見場に笑い声が響いた。
 ワイドショーがメインのマイクを持つが、それを少し離れて囲む形で他の記者達も、メインである音夜役の蓮のリアルな恋の話も聞きたがった。
「今回のドラマは、2人の気持ちなども軸にしていますので、その辺りは前回のドラマとの違いもあります。前回の続編ではありますが、別のドラマのような楽しみ方もして頂ければと思います」

 

 蓮が口にするならば、音夜と唯香の恋の展開も大いにあり得る予想に、ラスト近くの流れをくんで、「何処までが、リアルか?ドラマか?」と2人の関係から目が離せない展開とされた。そして続編としても、別の楽しみ方としてもファンも期待させた。

 

* * *

 

 そんな今回のライバル役を匂わせる、ジョン・ブレッドは何処まで二人に絡むかは分からないまでも、癖のある刑事だった。
 インターポールで優秀とされていたが、音夜は何か癇に障り仲間としてみる事が出来なかった。ジョンは情報を得る為にだけでなく、唯香にも偶に見せる笑みが人として、音夜には何か違和感を感じていた。

 

 インターポールでの音夜のニューヨーク研修の時、何度か行動を共にした仲間で生粋のアメリカ人。そのジョン・ブレッドが、日本に潜り込んだ麻薬密売人を探りに来た所から話は始まる。
 仕事としての違和感はないが、音夜にはジョンが時折見せる笑みがどこか引っかかる。唯香も同じ気持ちを感じるならば、ひと癖どころではない上に、唯香にもアプローチしてくる邪魔者で、音夜には癇に障るライバル以下の男に見えた。

 

『ハーイ、音夜。久し振りだな。相変わらず女っ気がないようだが?』
 それ程親しかったわけでもなりのに軽い口調が第一声とは、音夜には既にそこから癪に障った。
「音夜さん! 例のアジトが…」
 そこに唯香が急ぎの情報を口にしかけて部屋から飛び出しかけた。だが警察署内とはいえ見知らぬアメリカ人を前に話すのを止めた。
『ん? ああ、俺はインターポールから来てる。同じ警官だ。お仲間だよ』
「……何処が仲間か…」
 音夜がジョンを本気で信じていない呟きが漏れた。
 すると唯香は音夜の言い方に首を捻った。多少不真面目な仲間でも、それがその人物の持ち味なら「困った奴だ」と呟いて終わるのに、インターポールからなら優秀な筈の男に舌打ちでもしそうな言い方だ。音夜が行ったと聞いたインターポールなら、仲間として組んだ事があり、音夜には珍しく余程合わない何かがあったのかと想像するしかなかった。

 

「あの……」
 音夜の話しぶりだけで、唯香は彼を信頼する仲間として接しては何か危険だと思った。それ故に伝えようとした事を彼には訊かれない方がいいか迷った。
『アレ? もしかして、今の音夜のコンビは君か?』
「そう…『Yes。私では何か?』

 

 ショートカットの髪は僅かに茶色がかったキョーコは、仕事中はいつもの大人しめなパンツスーツだ。だが頭の良さは、直ぐにジョンに合わせて英語も使いこなせる事だ。
 ヒューと口笛を吹きながら唯香を見下ろした視線は、何処か唯香を値踏みしてバカにしているのが分かった。ジョンには音夜のコンビが地味な唯香で不似合いに見えたようだ。

 

『小柄なボーイかと思ったらレディか? 音夜にしては大切にしてる感じか? なんだ、付き合ってるんだろ? 向こうで音夜をバーに誘ってもなびかない訳だ。キュートなお嬢さんが音夜の好みらしいな』
 唯香を何処かバカにした感じで、『お嬢さん』と言う言葉が唯香を一人前の女性として見ていない空気に、ジョンを睨んだ。
 唯香の優秀さ故にジョンの英語は筒抜けになり、それに気付かないジョンの挑発に乗ってはダメだと思いながらも、怒りで頬が僅かに赤くなるのは止められなかった。
『何だ?』とニヤニヤとしたジョンの笑みが唯香を挑発していた。
 彼と一緒に行動する事になれば?
 音夜を信じるなら、唯香は冷静さを保つ必要がある。それでも…

 

(ボ、ボーイだなんて! それは出るとこ出てませんし、仕事中は女性としてなめられるといけないから、女性らしい格好も、ネールもしてないけど…!)

 

『ジョン。お前は仕事で来たんだろ? 唯香が俺のコンビだろうが、遊んでいる暇はあるのか? アイツらは自分の国でなければ、好き勝手に動き回りかねないだろう?』
 音夜が唯香との間にさり気なく入り、実際その通りの指示が出ていたのか、ジョンは舌打ちをした。
『まあ多少の時間はあるさ。後からもう1人来る。音夜抜きで唯香お嬢さんと呑みに行きたいもんだね』
 ハンサムと言える顔立ちのジョンは唯香に笑みを見せてみた。
 軽いノリでも頷く女性ならその笑みに少しは気持ちも砕けるが、唯香には音夜という存在がいるのだ。
『ジョン。申し訳ありませんが、私はアルコールが余り呑めない体質ですので、その招待は受けられません。貴方が持ち込んだ事件も危ういタイプのトップクラスですから、二日酔いで通る仕事じゃないと思います。それに貴方が出す空気は、この部署で浮きますよ。真剣に仕事をこなさずにいれば、誰も貴方とお酒を呑もうなんて思いませんよ』
 隙のない笑みを見せつつ、唯香はジョンに背中を向けた。
 そんな唯香の背中に音夜が声を掛けた。
「唯香。報告は向こうで聞くよ。それと、アイツに直ぐに気付いてくれて…安心した」
 音夜にしては柔和な笑みで唯香を見ながら小さく溜息を吐いた。
「私は不器用ですから、1人の人しか見えませんから。音夜さんしか…」

 

 唯香はそっと漏らしてしまった本音で、首筋まで朱色に染めてしまった。
 音夜はそんな唯香の純粋な思いを、あの時に気付けて、今を共に居られる事に感謝した。そして音夜は唯香の頭を引き寄せ、髪にキスをした。
「なっ!」
「唯香が可愛かったから。口の方が良かった?」
「ち、違います!!/// こ、こんな所で!」
 署内の人の少ない通路とはいえ…ジョン以外は誰も居なかったが、付き合っている2人の関係を、誰かに知られていいのかと思った。
「俺は知られてもかまわないよ。唯香と付き合っている事は…。事件に関わるような事では、疑いの目はない方がいいが、君との付き合いにはお互いがいるだけだから、君を離しはしないよ」
「私も…です///」
 唯香も視線を伏せて言葉にした。

 

 互いに心も躰も重ねたあの日から暫くして、唯香は音夜の元に引っ越した。忙しい日々故に甘い時間はそれ程無いが、少しずつ全ての距離を重ねる心地よさを感じて時間を重ねてきた…。

 

 

 

≪つづく≫

 

ドラマとリアルが入れ替わりをコロコロします。

それでもなんとなく『音夜と唯香』が『蓮キョ』に近い空気間の気がしてるつもり~長さもバラバラです。

 

 

 

 

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