人間が電子頭脳に支配される未来を予測した手塚治虫さんの『火の鳥』。
そして、人間は知らぬ間にその道を進んでいることを危惧する本書。
私たちはもう、情報を探さない。代わりに、「ググる」。そして答えを求めてしだいにグーグルに頼るようになるにつれて、自ら情報を探す能力が落ちる。そして今日、「真実」はグーグルの検索で上位を占める結果によって定義される。
(ユヴァル・ノア・ハラリ、『21Lessons』より)
2012年には、GPSの指示に従ってドライブしていた観光客が、海に突っ込んでしまったという事故がありました。同様の事故は、何件か起こっているようです。
また、ネットで本を検索していると、「あなたにお薦めの本はこちらです」という案内がされます。自分が何を読めばよいか、何を学べばよいか、思考までもがAIに決定されているように感じます。
物理的な道も、思考の道筋もAIにナビゲートされていると、いずれ、自分の進むべき人生の道も支配されてしまいそうな気がします。「あなたにふさわしい大学はこちらです。」「あなたにぴったりの職業は○○です。」「あなたの理想の結婚相手はこの方です。」…
便利なコンピュータを使いながら、本当は人間がコンピュータに使われていて、いずれ人間は、AIに支配されるのでしょうか。