「からだのまえに心を運ぶ」。そんなコンセプトから生まれた分身ロボット「OriHime」。OriHimeが見たものは、病室にいる人に届けられ、その人の声は、OriHimeを通して、遠く離れた人に届けられます。
→心を届けるロボット─『「孤独」は消せる。』(吉藤健太郎)─
鳥取県のある小学校では、教室と院内学級(入院する児童生徒のために、病院内に設けられた教室)をつなぐために、OriHimeが使われました。
院内学級の子供にとって、小学校生活を経験できるという安心感、退院後の復学への抵抗感の軽減などのよさがありました。さらに、OriHimeが小学校の子供たちに届けたのは、入院している子供のひたむきな姿でした。小学校の子供たちは、「辛い治療に負けずに頑張る姿」や「退院したときに困らないように勉強をしている姿」に心打たれたそうです。
当時の校長先生は、OriHimeについて、こう語っています。
ICT・ロボットといえば、無機質で冷たいイメージをもつ人も多いが、(OriHimeは)たくさんの人と繋がることを可能にした優しさの詰まった機器である。
(『初等教育資料 2019年8月号』より抜粋)
OriHimeのことを教えてくださったのは、まるこさんでした。
まるこさんが教えてくださらなければ、今回のこの本も目にとめず、流れていったでしょう。
一つの大切なことは、ずっと心に残って、いつかどこかでつながっていきます。
だから、私もOriHimeによって人とつながった人の一人です。