心を届けるロボット ─『「孤独」は消せる。』(吉藤健太郎)─ | 出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

出会った言葉たち ― 披沙揀金 ―

「披沙揀金」―砂をより分けて金を取り出す、の意。
日常出会う砂金のような言葉たちを集めました。

 吉藤健太郎さんは、子どもの頃、学校に行けなくなり、「孤独」のつらさをいやというほど味わいました。

 学校にいけない吉藤さんは、1日を折り紙で過ごしました。そこでついた呼び名が「オリィ」。

 吉藤さんが「分身ロボット」の開発を目指した原点は、この「孤独」を消したいという思いにあります。

 大人になって吉藤さんが開発した分身ロボットOriHimeは、「オリィ」と、そして、会いたい人に会えるようにという願いを込め、「織姫」から命名されました。

 

 「からだのまえに心を運ぶ」

 この意味は、下に掲載させていただいた、まるこさんのブログをお読みいただくとよく分かります。
 

 このブログを拝読し、すぐ吉藤さんの本『「孤独」は消せる』を探しました。大きな書店に1冊だけ置いてありました。即購入しました。

 本も、もちろんよかったのですが、でも、まるこさんのブログの中に掲載されているNNNドキュメント「孤独をなくしたい 進め分身ロボット」が強烈に印象に残りました。事故により20年以上寝たきりの番田さんを見つめ、笑顔を向ける吉藤さんの表情がとてもいいのです。

 

 OriHimeには、AI(人工知能)は搭載されていません。  OriHimeを動かしているのは、体に障害がある人や、いろいろな理由で学校に通えない子どもたちです。OriHimeは、その人たちの心を届けるお手伝いをしています。

 知能や技術はAIで代用できても、人の心の代わりはできない。心は人間だけのものであってほしいと思います。だから、OriHimeのように、心を大切にするロボットを見ると、すごく安心するのです。