■ライフスタイルと優越目標

アルフレッド・アドラー
神経症者(心の病を持つ人)を
理解する最も優れた方法
について
次のように言っています。

”神経症の症状の一切を横に置いて
その患者のライフスタイルと
個人的な優越性の目標を
調べることである。”


アドラーは精神科医なので
カウンセリングの相手を
「患者」と呼びます。

相手の
「○○だから、○○できない」とか
「○○だから、○○してしまう」などの
症状の一切を横に置いておいた上で
今、相手が持ってる
ライフスタイルと
優越性の目標
を知ることで
その人がどんな人であるか、
その人に何が起きているのか、が
見えてくる
というわけです。

■ライフスタイル

ライフスタイルとは
性格のことで、
自分なりの問題解決法
ことでもあります。

アドラーはライフスタイルについて
3つの信念で構成されていると
言っています。

①自己概念
②世界像
③自己理想


具体的にすると
例えば、こんな感じです。

①自分はクチベタだ
(自己概念)

②クチベタな人は相手にされない
(世界像)

③どうせ相手にされずに傷つく
くらいなら、黙っていた方が善い

(自己理想)


この強度が並であれば
普通のこととして通り過ぎますが
強度が強まると神経症となります。

また兄弟姉妹と競争していると
こんなこともあります。

①自分は姉にくらべて
暗い性格だ
(自己概念)

②世間では姉のように
明るい人が好かれる
(世界像)

③そんな姉に他の何かで勝てば
自分が世間で好かれるはずだ

(自己理想)

自己概念をみつけたら
世界像と自己理想もそこにあるので
それらを見つけます。

同様にして
世界像をみつけたら他の2つもそこに
自己理想をみつけたら他の2つも
そこにあります。

そうしてこられのうち
どれかひとつを見つけることで
他の2つも見つけることができます


何が正解で、何が間違いかは
ライフスタイルにはありません。

今のライフスタイルを知ることで
その人がどうしてそうするのか、
または、しないのかが、
見えてくる
わけです。

■優越性の目標

優越性の目標とは、
優越感をどうやって
手に入れようとしているのか

または、
劣等感をどうやって
補償しようとしているのか

ということです。

例えば
お腹がすいたときに
どうやってお腹を
満たそうとするのか
、に
とても似ています。

材料を買ってきて
料理をつくって食べる人もいれば、
料理を買ってきて自宅で
食べる人もいれば、
レストランで食べる人もいます。

何を、どのくらい食べたら
満たされるのか、も人によって
異なります。


アドラーは神経症を引き起こすのは
敗北を怖れること、と指摘します。

つまり、
何かについて負けないためには
何をすれば負けにならないか、が
神経症者の専らの関心事である

ということです。

自分にとって
負けないこと、とは何か。

そのために何をしようと
しているのか。

このあたりを詳しくみることで
優越性の目標、すなわち、
優越感の入手法や
劣等感の補償の方法が
見えてきて、
それが心の病の症状として
表にあらわれてきている

理解することができるのです。





お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。



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