■自分が自分を決めてる

アルフレッド・アドラーは
こんなことを言っています。

”意味は状況によって
決まることはない。

自分が状況に
与える意味によって
自身を決めているのだ。”


つまり、
自分を決めているのは
自分自身であって、

その自分に役立つ意味づけを
自分が状況に与えるものだ、
ということです。

それは
状況に意味を与えることで
優越感を得ようと
人はするものだ、
ということでもあります。

■ライフスタイルも自分で決めてる

アドラーは、
ライフスタイルは
自分で選んでいるものであって
先天的(生まれ持ったもの)
ではない、と言っています。

ちなみに
アドラーの言うライフスタイルとは
一般に言う「性格」のことです。

ライフスタイルは
生まれながらに決まっておらず、
生まれてから生き延びる過程において
自分が最も有利になる選択を
する中で形成されていく、
というわけです。

性格は先天的なものだ、
ということさえも
そう意味づけることで
有利になるなら
そう主張するわけです。

これは
自分が状況に
「与える意味によって
自身を決めている」
との
アドラーの言葉からも
わかります。

そうしてアドラーは
ライフスタイルを先天的にせず
自分で選んでいることを
強調しています。

それは
ライフスタイルを自らが
選んでいると
はっきりさせることで、
責任の所在が明白になる、
ということでもあります。

つまり、
ライフスタイル(性格)を
自分の行った行為の
責任逃れの言い訳に
使うことはできない、
ということです。

■勇気づけに利用できる

例えば
昨晩5時間しか寝てない人が
「自分は8時間寝ないと
本当の力を発揮できないんだ」と
言ったとしたら、
それはそこにある責任を
睡眠時間に転嫁することで
優越感を得ようとしている状況です。

例えば
「そんな言い方じゃやる気にならない」
と言う人がいたら、
その”やること”が
できるかどうかの責任を
自分の選択ではなく
相手の言い方へ転嫁して
優越感を得ようとしている状況です。

そんな”言い訳”を
認めなければ
本来の責任の所在を明らかにして
その責任を問うことができます。

しかし相手は
優越感を得ようとしているので、
もし自分が
その優越感を得ることを
手伝ってあげたとしたら
相手に勇気づけできることも
あります。

先の例でいえば
5時間しか眠れなかった相手に
「そっか、それは大変だよね。
でも5時間の睡眠でも
本当の力を発揮したとしたら
みんなびっくりするかもね」
などと応じてあげると
「さらに優越感を得られる可能性」に
触れた相手は触発されるかもしれません。

「そんな言い方じゃ」と言ってる相手に
「そうだよね、ごめんね。
それをすればあなたが
幸せになると思うと
気持が先走って
言葉がついてこなかったよ。」
などと応じれば、
「別に責めてるわけじゃないよ」と
まんざらでもない顔をするかもしれません。

状況に意味づけを与えて
責任転嫁する行為は
優越感を得たい合図です。

その合図を察知できれば
相手に優越感を得てもらうことが
できます。

優越感を得られた相手は
その場では安心しますから
上下関係になって自分が上を
とる必要がなくなります。

不安だと上下関係を構築して
自分が上をとることで
安心しようとしますから。

すると対等な関係になって
やりとりしやすい状況になります。

そうして
対等な関係になったら
「勇気づけ」ができた、
ということです。

そのとき相手は
きっと自信を感じているでしょう。

本人に自覚はなくとも。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。



褒めるのは見下すこと。良好な関係を築くなら勇気づけを。
勇気づけは「下心」なしで