■アドラーの助言

アルフレッド・アドラーの
患者の人に不眠症の夫人がいました。

その夫人にアドラーは
「明日、夫をどうやって喜ばせるか」を
考えてくるように勧めました。

するとその夫人は
ぐっすり眠れたそうです。

■改善したのは共同体感覚を高めたから

アドラーは
あらゆる問題は
共同体感覚を高めることで
解決される、と言っています。

不眠症の夫人は
自分が眠れないことを最優先、
つまり「相手より自分優先」な
姿勢でいたわけです。

「相手より自分優先」な姿勢では
共同体感覚は高まりません。

それをアドラーは
夫への貢献の方法を考えることで
「自分より相手優先」な姿勢へと
導いたことによって
共同体感覚が高まることを
期待したのでしょう。

夫人は素直に従い
自分のことは文字通り
”横に置いておいて”
夫がどうやったら喜ぶかを
考えることによって
次の3つを高めたために
共同体感覚が高まって
入眠しやすい状況を
ととのえることができたのです。

「貢献しようとする自分はOKな自分」
(自己受容)

「夫は共に生きる仲間」
(他者信頼)

「自分が夫に貢献できる感覚」
(他者貢献)

■共同体の利益に貢献してみる

不眠症に限らず
問題に直面して
状況が改善できないでいるときは
何かに固執する自分、つまり
「相手より自分優先」な姿勢が
どこかにあることがほとんどです。

その「相手より自分優先」な姿勢に
まず気づくことが大切です。

自分は自分個人の利益に
執着しているのかもしれない、と。

そんな自分を消す必要はありません。

そんな自分も大切な自分のひとつ
ですから。

消さずに、ただ”横に置いておいて”
共同体の利益にどうやったら貢献できるか
を考えてみることです。

相手と自分のふたりなら
どうしたらお互い楽しくなるか、とか
今後も調和していけるか、を
見ていくわけです。

チームならチームの
グループならグループの利益に
どうやったら貢献できるか、

今の自分に何ができるか、

そしてその中で現実的なものはどれか、

自分の心がゆるすのはどこまでか、

自己犠牲と感じてしまうのは
どんなときか、

などを
見ていくことで自分をととのえて
いくことができます。

そんなときに
頼もしい自分を感じたりして
前に進むことに肯定も否定も
感じないような感覚を感じたら、

きっとそれは共同体感覚が
高まっている感覚です。

その頃には
当初に問題と感じていたものは
「共同体の絆を深める好機」のように
見えているでしょう。



お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ9年目、常楽でした。




あらゆる困難をクリアするただひとつの方法
これから「たたかう」のか、「たのしむ」のか
導きの星、それは、他者貢献
共同体感覚を高めると劣等感は「悪」ではなくなる