■その裏にある「やりたいこと」

目の前のことを
「やりたくない」と感じるとき、

それを「できないこと」と
認識することがあります。

こんなとき、
単に「やりたくない」だけでは
周囲の理解が得られないと思い、

それを「いかにできないことか」と
実現不可能のもっともな理由を
創造しがちです。

でも、
それが「いかにできないことか」の
理由をいくら考えても、
さらには
いくらやることを拒否しても、
人生はまったく進みません。

目の前のことを
「やりたくない」なら
その裏に「やりたいこと」が
必ずあります。

それを見ることで
「やりたくない」は
「やりたい」に変わります。


■学生Aさんの場合

学生のAさんは
今やるべきとされてる
勉強をしようとすると
苦しくなります。

その苦しい思いに耐えて
勉強をしようとすると
ものすごい不快感を感じて
それを紛らわすために
自分の身体を傷つけたくなってしまう。

だから、
どうしても「できない」。

何もしないと
時間ばかりが経過して
勉強は進まないまま。

でもしようとすると
苦しくなる。

そんな板挟み状態。

Aさんは
勉強できない理由を
たくさん話してくれます。

ひととおり聞いてから
訊いてみました。

「今やってみたいことは何ですか?」

するとAさんは
天使についてとか
ギリシア神話に興味がある、と
話してくれました。

興味がある、とは
調べてみたい、知りたい、
ということです。

それをしないのは
「そんなこと」よりも
勉強の方が大切で、
大切なことを放り出して
「そんなこと」をすると
周囲の人にも嫌な顔されそうだし
嫌なこと、言われそうだから。

なるほど。。

周囲の人には内緒で
調べたりすることを提案すると
「え?」と驚いた顔をします。

勉強できない、とは
勉強せねばならないが
どうにもこうにもやりたくない状況、
ということです。

そして天使など
知りたいことを我慢している状況でも
あります。

周囲の人は
「まず勉強すべき。
他のことはそれが十分にできてから
やるべきだ」と
ベキベキ言ってくるわけです。

そこで周囲の声は
一旦枠の外に出して、
自分のやりたいことを
やることで、
「やりたくないことをやる」と
「やりたいことを我慢する」の
綱引きの力を緩めよう、と試みました。

その後Aさんと会うたびに
「勉強がいかにできないか」の話は減って
「天使などを自分で調べたこと」の話が
増えていきました。

やりたくないことが
いかにできないかを話すAさんは
どこまでもグレーな感じでしたが、

やりたいことをやった話をする
Aさんの顔は生気に満ちて
輝いていました。

「この次はどんなことしてみたいの?」

そんな質問をすると
調べたことをまとめたり
同じこと好きな友人に
教えてあげたい、なんて
楽しそうな返事が返ってきました。

元気になってきたAさんは
ある日こんなことを言いました。

「勉強、できるかも?と思った。
思ってやってみたら、ふふって思った」

その意味は
勉強って今後生きていくために必要だと
感じることができた、ということでした。

「やるべき」と周囲から
言われてやるのは苦しいこと。

でも自分で
将来の役に立つと感じたときから
勉強の見え方が変わった。

そうして勉強に着手したら
以前とは別モノのように感じたそう。

今後も
ゆるゆると
Aさんの最適なペースで
しあわせ寄りへと
変わっていきそうです。


※Aさんは架空の人物です。
 内容は常楽の過去の
 いろいろなセッションを
 再構成したものです。



■「やりたい」に変える

「やりたくないこと」を
「やりたくないこと」のままに
やろうとするのは
苦しいことです。

それをやること自体、
または
「やって」と自分に言った人の
期待を実現させてあげることが
目的になってしまってますから。

自分の心が後回しに
なってる感じです。

やればやるほど
自分を土足で踏みつけるような
ことになってしまいます。

なので
「やりたくないこと」があったら
そこにある「やりたいこと」に
目を向けていきたい。

「やりたくない」というのは
それ以外の何か「やりたいこと」が
あるというサインです。

その「やりたいこと」を
いかに社会と調和しながら
実現していくかに
取り組むことは
最初は苦しいかもしれませんが
実現したらとても楽しくなります。

また「やりたくないこと」が
どうしてもやる必要があると思うときは

周囲の誰かに言われたから、ではなく
単に「やらねばならないから」でもなく
やった先に何が起きるのか?を
もっとよく見ることです。

やった先に起きることには
利益があるはずです。

その利益が「やりたいこと」であれば
その過程で困難を感じているだけです。

そんなときは
勇気の使いどころです。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。


《関連記事》
つまんない仕事の、その先はきっと楽しい
やりたいけどできない、を変えるには
やりたいことが「わからない」を「わかる」に
何のために生きるのか。それは楽しく自由に決められる。
生きやすいのは「何が原因か」より「何が目的か」