アドラーは言っています。

劣等感を感じるから
理想を持つ、のではなく、

理想があるから
その実現のために
人は劣等感を感じるのだ、と。



例えば
「〇〇さんより
私は劣っている」と
感じるとき、

ついつい
その「劣っている」に
注目しがちです。

でも、
そう感じると同時か
それより前に
自分は理想を感じています。

感じるしあわせを
増やすなら、
その「劣っている」なんかより
その理想に注目する方が
断然、効果的です。

そして、その理想を
具体的に知ることです。



仕事しながらの子育てに
悩むAさんが
来られたとき。

話を聞くと
Bさんはひとり親で
子供の数も自分より多いのに
自分よりうまく仕事も子育ても
してるそう。

Bさんを見てると
「なんて自分はダメなやつだ」と
自分を責めてしまう。

あれこれ「やること」が多く
やればやるほど「やること」が
さらに増えてる感じで苦しい。

Bさんのマネしてみても
自分はBさんじゃないから
うまくいかない。

もうやだ。
なんとか楽になりたい。(涙)



Aさんは初め、
Bさんと自分をくらべて
湧き出してくる劣等感の話ばかりを
話してくれました。

ひと通り話してもらってから
「Bさんを通じて見える理想」に
ついて訊いてみました。

すると
「笑顔」
「自由」
「充実感」
というキーワードが出てきます。

それぞれの理想を実感できる
具体的な状況も描いてみました。

そうしてご自分の
理想への理解が進んだところで
次に現状について見ていきます。

Aさんの現在の状況の中にある
「笑顔」
「自由」
「充実感」を探してみると、
いろいろと出てきます。

そして今後、
それぞれをどうしたら増やしていけるのか、
より具体的に形にしていけるのか、も
見ていくと、
その方法が出てきます。

そうして心の整理が進んでいく頃には
劣等感の「れ」の字も出てくることは
ありませんでした。

書き出した「やってみたいこと」を前に
「やったら実際どうなるんだろう?」
そんな未来への好奇心で
満ち満ちている様子です。

今後も心の整理を継続することで
理想の実現を
より実感していけるでしょう。

感じるしあわせ、増えていきますね。


なお、AさんとBさんは
架空の人物です。

内容は、
常楽の今まで行った
コーチングセッションの中から
いろいろ組み合わせた創作です。



劣等感の中に見る理想は
対処的な感じです。

「ダメ」に見えた。
その「ダメ」をなくすためには
何をすれば良いのか?

何か制限がある感じです。

なぜなら
「有る」ものを「無い」とは
できないからです。

見た瞬間にはすでに
理想があります。

その理想と今の自分が
違うので、劣等感を感じます。

このとき理想は通り過ぎるだけなので
注目しずらいだけです。

意識して見ることで
理想はちゃんと見えます。

理想は「有る」のです。
その理想が今「無い」、
すなわち
「理想が無い」を「有る」と
しているので
ひっくり返ってしまうわけです。



理想を見ることは
ときに怖いかもしれません。

そこは勇気を使って
理想と向き合うことで
「本当にやりたいこと」が
出てきます。

勇気の使いどころです。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。


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