アルフレッド・アドラーは
「運命の人」はいない、と
言っています。

そして
「運命の人」の目的は
「すべての候補者を排除するため」と
しています。



もし「運命の人」がいるなら
目の前の人が
「運命の人」でなければ
関係を深めなくて良くなります。

この人も違う、
この人も違う、と
対人関係を回避する
便利な口実となる、というわけです。

対人関係を深める中で
裏切られたりして勇気をくじかれると
対人関係を回避したくなります。

そうして
「運命の人」がきっといる、という
可能性の中で生きることで
勇気をくじかれることも回避できる、
というわけです。

「運命の人」は
対人関係を回避する目的を
実現するための方法です。



対人関係を持つのは
常に目の前の人です。

その目の前の人との
関係を持つことが
しあわせの出発点です。

感じるしあわせを
増やすには
共同体感覚を高めることです。

その共同体感覚を
高める要素である
・自分には力がある感覚
・他人は仲間との感覚
・自分には居場所がある感覚
は対人関係によってのみ
高めることができます。

「運命の人」と思える人としか
関係を持たないのであれば
これらの感覚を育てる機会も
持てなくなってしまいます。



出会う人すべてと
結婚することは困難です。

しかし、
出会った人の中から
「この人だ」と思える人は
現れます。

そして、
いきなり初対面で
「愛」の関係になる人は
いません。

「仕事」の関係の人の中から
「交友」の関係を持てる人が
現れます。

「交友」の関係の人の中から
「愛」の関係を持てる人が
現れます。

「愛」の関係でない人は
大切ではないか、といえば
そうではありません。

「仕事」「交友」「愛」
それぞれに持つ関係の目的は
異なりますが、
それぞれを大切にすることは
できます。



「運命の人」はいない、と
することで、
対人関係を持つ機会は増えます。

機会が増え、関係を持つことで
恥ずかしい思いをしたり
傷ついたりすることも
増えるかもしれませんが、

初めはそう見えなくても
関係を持ってみると
「この人だ」と思える人との
出会いも得られます。

対人関係を回避せず
対人関係を歓迎して
対人関係を乗りこなせる自分に
なっていきたいですね。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。



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