相手との関係が
なぜこうなった?と
原因を探すよりも

これから相手と
どんな関係になりたいか?と
目的を探す方が大切です。

その方が楽しく生きられるからです。



例えば家族。

家族は切ることが
できない関係です。

その家族との関係が
なぜこうなった?と
原因を探すのは

相手を責めるネタ探し
みたいになっちゃいます。

相手を責めたりして
お互いにうんざりしても
家族は関係が切れません。

「自分は悪くない」
「あなたが変われば済む話」

家族なのに
対立や敵対する関係に
なってしまうと
お互いに苦しさばかりが
増えてしまいます。



一方で、
相手とこれから
どんな関係になりたいか?を
見ていくことは
とても建設的です。

なりたい関係を
構築するため、という目的があり、

それに向けて
今自分に何ができる?という
手段が見つかります。

原因に注目すると
例えばウソついたのは自分でも
自分にウソをつかせたのはあなただ、
なんて責任のなすりつけ合いに
なってしまうところが、

目的に注目すると
例えば「お互い平和に暮らしたい」と
目的が見えたなら、

それに向けて
「ウソついたのは自分。
だからそれについてはごめんね。」
と言ったり、
「あなたの〇〇を見てたら
どうしても本音を言えなかった。
私はあなたの○○を改善して欲しいと
思っているとわかった。」
なんて言ったりできます。

原因に注目すると
対立や敵対など
上下関係になりやすいです。

でも目的に注目すると
「相手は仲間」と
対等な関係になりやすくなります。



シングルマザーのAさん。

子供は言うこときいてくれないので
つい怒鳴ってしまう。

自分は仕事して家事もして
自分のことをするヒマもない。

その中で、非協力的な子供を見ると
「お前のために一生懸命なんだから
ちょっとは言うこときいてよ!」と
怒りが湧いてきてしまう。

約束しても
簡単に破られる。

「これやって」と頼んで
「はい」と返事をもらっても
いつまでもそれをしない。

だから何度も言うけど
その度に返事だけで
やってくれない。
もうやだ。

自分のしあわせのこともあるけど
一番は子のために離婚した。

間違った結婚をしたから...
あのときあれをしなければ...
その前に自分の親が
ああいう人だったから...

振り返って原因を探しても
・かわいそうな自分
・悪いあの人
が出てくるばかり。

子供にいうことを
きかせる方法もわからない。

疲れた...



私「Aさんは
お子さんとどんな関係に
なりたいのでしょう?」

Aさん「怒鳴らなくても済む関係。」

私「怒鳴らなくても済む関係とは
何がある関係ですか?」

Aさん「笑顔。安心。」

私「笑顔、安心、のある関係ですね。
何があると笑顔や安心が
ある関係になりそうですか?」

Aさん「...(涙が出てくる)
感謝。
子供に感謝。
自分に感謝。
今ここに居てくれる感謝。」

私「感謝があると
お子さんはどんな雰囲気ですか?」

Aさん「笑ってる。」

私「楽しそう?」

Aさん「ううん、嬉しそう。」

私「嬉しそうなんですね。
それを見てるとご自分は
どんな感じですか?」

Aさん「嬉しい。
私も嬉しい。」



お子さんの顔を
見て話す時間が少ないと感じたので
それを増やしてみた。

身体全部を子供に向けて
目的を説明して協力をお願いした。

「あなたと、
笑顔と安心のある関係に
私はなりたい。
他のことを優先してて
気づかなかったけど、
今はそれが一番とわかった。
だからお願い、協力して。」

目的がわかった後は
「笑顔と安心のある関係」が
心の支えみたいになって
自分に力をくれる感覚を
感じている。

何かと忙しいので
お子さんに向き合う時間は
そんなに増えないけど、
お子さんに向き合うときの
熱量が増えた感じ。

それが伝わったのか
お子さんにも変化が。

以前より協力的に
なってくれた感じに。



原因を探すのは
「今の自分は間違ってる」
という前提を強めます。

なんでこんな関係になった?と
思考すると
その責任が自分か相手に
あることになります。

一方で、
目的を探すのは
「今の自分は間違ってる」
という前提はありません。

これからどんな関係になりたい?
今の自分は
そのために何ができるだろう?と
創造的になります。

なぜこうなった?より
これからなりたい関係の方が
わくわくします。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。


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