アドラー心理学では
「すべての悩みは
対人関係に帰結する」と
しています。

そして、
すべての喜びについても
対人関係からうまれる、と
しています。



この世界に
自分ひとりだと
悩みはありません。

願望に対する課題が
あるだけで
「どうしよう?」と
思うだけです。

そしてこの世界に
自分ひとりだと
喜びもありません。

できたら満足して終わり、
次を始めるだけです。



喜びの源泉である
共同体感覚は
対人関係の中で育ちます。

共同体感覚は
次の3つの感覚で構成されます。
・自分には力がある感覚
・他人は仲間との感覚
・自分には居場所がある感覚

この「力」とは
他者貢献できる自信です。

その貢献をするには
相手が必要です。
貢献する相手は
敵ではなく仲間です。

そして、
一人だとどこにいても同じですが
他者がいると
孤独か共同体に属しているかの
どちらであるか分かれます。

敵には属しませんから
属するのは貢献の対象の
仲間です。

それぞれが
それぞれを支えてる感じです。



共同体に所属することは
仲間との物理的な距離が
近い、という意味では
ありません。

お互いがお互いを
仲間と認識した実績が
あることです。

「共同体を抜けます」と
説明して離れれば
仲間も抜けたことを認識するので
それまでは属していることになります。

共同体への所属感は
貢献によって変わります。

共同体に貢献をしない人は
影が薄くなり、
感じる所属感も増えません。

共同体に貢献する人は
話題になったり
注目を集めたりして
所属感は増えていきます。



DV・虐待する当時の配偶者との
婚姻関係が離婚成立により
終わった直後のこと。

それまでは
いつ爆弾が落ちるのか、
そんな緊張を毎日感じてました。

離婚成立により
元配偶者となった女性は
家を出る準備を
3か月以上かけて終わらせると、
ようやく出ていってくれました。

出ていってくれた後の
家の中はめちゃくちゃです。

靴をはいたまま
上がりたいと思うほどに。

今まで緊張のために
心や身体に必要以上に
力を入れていましたが
それももう必要ありません。

でも、もう必要ないのに
すぐに力を抜くことができません。

できたのは
めちゃくちゃなリビングで
ただただ泣いて
感情を放出することくらいでした。



そんな状態で
誰かに会いたいなどと
なかなか思えません。

仕事で会う人くらいで
それ以上は関係を持つ
余裕がありませんでした。

3日間は泣くだけ。
その後は少しずつ
部屋を片付けられる
ようになりました。



今、自分のことを
いろいろ訊かれたら
答えられない。

この状態を説明なんて
できない。
わかってなんてもらえる
わけがない。
感じるだけで精一杯。

だから
なるべく自分一人、
孤独な状況を意識して
続けていました。



自分ひとりなので
片付けても
うれしくありません。

いらないものを
捨てるために移動すると
いらないものが
移動します。

当たり前のことが
当たり前のように
起きているだけです。

何もおもしろくもありません。

でも、そんな中で
うれしいと感じる瞬間が
ありました。

それは
きれいになった部屋で
子と平和に暮らせると
感じた瞬間です。

食卓が片付くと
食事中にいきなり怒鳴る人は
もういませんから
安心して食事ができると
感じます。

物を移動するときは
物を移動すると怒り出して
その怒りを子供に向ける人は
もういませんから
安心して移動して
掃除もできて、
清潔を維持することができると
感じます。

きれいになったら
友人を呼んで
楽しい食事ができるかも、なんて
思うことも。

喜びを感じるときは
いつもそこには
子や友人がいました。

喜びは
対人関係から生じると
実感した瞬間でした。



部屋を片付けるその場に
子や友人はいません。

子は
母親の暴力から守るため
施設に保護されてましたから。

いないけど
子や友人との
つながりを感じます。

その感覚は
空想や幻想ではなく
確かなもの、現実的なものです。

その感覚が
私の共同体感覚を
高めてくれました。

その後、
片付けがようやく済んで
子が施設から
帰ってきたり、
友人が遊びにきてくれて
一緒に食事つくって食べたりして
思っていたことは
実現しました。

この頃に
流れ出てくる涙は
うれしい涙でした。



すべての喜びは
対人関係からうまれます。

誰にも会わない頃には
感じなかった喜びは
誰かと会うことを思うとき、
そして実際に会ったときに
私は感じました。

あなたも
きっとそうです。





お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。



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