古代ギリシアの哲学者ソクラテス。

自称「知者」の方々と
語り合う中で
ひとつの結論を出します。

自分と彼らの違いは
「自分の知識は完全ではない」を
知っているか否かだ、と。



不完全である自分は
さらなる知識を
追い求めていける。

一方で自称「知者」の皆さんは
自分の知識は完全だと信じており
知識をさらに追い求めようとしない。

この一点について
自分は彼らよりも知者である。

なるほど、ですよね。



この「自分は不完全だ」というのは
完全より劣っているわけではなく
完成度に磨きをかけていくには
この姿勢が不可欠である、ということです。

ですから例えば
対人関係においても
一見して良好に見えたとしても
「何をするとさらに良好になるか」を
見つけて改善していこうとする態度は

一見して良好に見えるから
このまま放置でいいや、という態度より

対人関係の良好さを
維持向上していくことができる、
ということです。



関係を解消できない
家族関係では
とくに大切です。

何も言わないから
何も問題ないだろう、と
放置するよりも、

「最近どう?」
「調子はいかがですか?」
「大変なこととかある?」などと
声をお互い声を掛け合い、
謙虚さをもって
話をすること、
話を聞くことは、
関係の良好さを
維持向上していくことに
役立ちます。



受験勉強で焦る高校生の私に
当時通っていた塾の講師が
こんな話をしてくれました。

「自分が遅れてると
知っている人が
実は最も進んでいる」

言われて
するっと腹落ちしたのを
憶えてます。

「焦る」を
「焦らなくていいよ」と
否定するのではなく、
「焦っているのは
進んでいること」と
肯定されて嬉しかったです。

親に自分を否定されてばかりで
話を聞いてもらえなかった私は
「どうしたらいいのか?」と
すごく焦っていました。

でも、この講師の話を聞いて
「焦るってダメじゃないんだ」
すなわち
「今自分が焦っていることを
問題視しなくてもいいんだ」と
感じると、
今まで大事に抱えていた「焦り」が
どこかに消えてしまいました。

塾の講師は
受験勉強だけじゃなくて
生徒を勇気づけることも
面倒みてくれるなんて、
ありがたいです。



謙虚さは
傲慢や上下関係を減らして
思いやりや対等な関係を増やします。

謙虚さを持つと
自然と、他人も自分も
大切にしようとします。

謙虚さを持つと
自分に完璧を求めなくなるので
他人にも完璧を
求めようとしなくなります。

謙虚さを持つと
失敗を拒絶せずに
これからの成功の糧に
しようとします。

謙虚さを持つと
自分を自慢するより
他人に感謝したくなります。

謙虚さを持つと
自分が注目されることより
自分が何に役立つかに
興味が湧きます。

謙虚さを持つと
自分は無罪だと証明することよりも
自分の何を変えたら
もっと平和になるんだろう?と
考えます。

「今の自分は不完全」で
今見える完全を実現するためには
今自分に何ができるだろう?という
心の態度は、

謙虚さを生み、
その謙虚さは対等な関係を支え、
次第に平和が広がっていきます。





お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。



《関連記事》
挑発は「私が正しい」を捨てると受け流せる
権力争いを仕掛けてくる人
自分を権威づけするより、自分が権威になる
あなたは何も悪くない
良好な人間関係を構築するひとつは、相手の身になること