とても魅力的で
心の底から実現したい、
そんな目的が
あったらいいですよね。

でも、意識しない方向に
そんな目的を設定することが
あります。

例えば
恥をかきたくないときに
体調が悪くなる。

それは
恥をかかないこと
イコール
「実行できないやむを得ない事情」を
創造すること。

「疾病利得」(しっぺいりとく)
と呼ばれるものです。



外勤営業をしていた頃、
月末近くなると
売上が足りずに
月初に掲げた目標の達成が
危うい状況になったりする。

「目標達成」が重たくなる...


すると
風邪ひいたり
自転車で転んだりと

何か
目標達成したくても
できない「やむを得ない事情」を
創造しようとする。



ある時
目標達成の重圧がつらくて
「ひどい風邪でもひいたら
その重圧は免除されるだろう...」と
思い続けてたら発熱しました。

39度近くでフラフラと出勤し、
上司に
「お前、大丈夫か?顔色最悪だぞ!」
と心配されたので

「ずみまぜん、熱が...
病院行ってもいいですか?」
と苦しそうに訊くと

「行け、行け!
とっとと行って注射うってもらえ!」と
許可されました。

「保険証持ってるのか?」など
普段言われないような気づかいをされ
ちょっとうれしかったです。




病院へ行くと
椅子に普通に座ってられずに
ソファーに横になってると
看護師さんが
「大丈夫?つらいよね。
そのまま横になってていいからね」
なんてやさしく扱われて
くすぐったかったですね。



診察受けると、医師に
「薬も処方するので、
今日はそれ飲んで寝てなよ」
と言われ、さらに

やばい状況に見えたのか
「点滴してあげるから
ちょっと休んでいきなよ」
と言われました。

案内されたベッドで
点滴されると
冷たい液体が入ってきて
気持ちよかった。

静かな病室で天井を見ながら
天国にいるようだ...
なんて思ってました(笑)



点滴終わって会社へ戻ると
「今日はもういいから帰って休め」と
期待通りに上司は言ってくれました。


自分で意識はしてませんでしたが
「ゆっくり休む」という目的を
実現するために創造性をフルに使った、
そんな状況でした。



しかし、
本丸の営業成績は寝てても
当然あがらず、
休めたとはいえ
重圧は変わらずのしかかってきました。


これじゃ、何も変わらないな...
自宅で休みながら、実感しました。



重圧があって
そこから一時的に開放される。
その落差に快楽を感じても
重圧の存在は変わらない。

一時的な快楽を得られても
しあわせにならない。
そう実感したので

発熱しても業務を止める方向で
創造性を使わない!と決めてみました。



しばらくして
また発熱。

せきは出ず、
ハナが少し出る程度。
でもぼんやりしてる。

そんな自分を見て上司は
「風邪ひいてるから達成なんて
お前には無理なんじゃない?」
と見下すように言ってくれました。

それで、気持ちに火がつきました。



「大丈夫です。やりますから」
そう言って営業に出ました。


「熱があるので
ヘンなこと言うかもしれません」と
念を押してお客様へ説明すると

気迫がいつもと違うのか
熱心に聞いてくださり
「水、飲む?」なんて気遣いされて
その上で、ご契約までいただきました。


体調が万全じゃないときは
真剣度も増すようで
お客様に伝わるものも
普段より強かったようです。



この日、
本丸の営業成績があがりました。
月末の目標達成に向けて
実現できる進捗状況です。

重圧も減って
気分爽快、を感じました。


不思議と次の日は
体調も良好、すっきり回復しました。

それは
うわべだけ魅力的な目的から
自分に今最も大切な目的へと
変えることができ、

本丸の目的を実現させることは
今の自分に最も大切なことだと
身も心も納得した感じでした。



例え目標達成できずとも
月末まで全力を尽くした一か月を
過ごしたなら、
必ず得るものがある
成長がある

そんな中での敗北は
貴重な経験のひとつだ、と

敗北を肯定できてからは
迷いが減った感じで、
創造性を
本丸の目的を実現させるために
発揮できるようになりました。



できない言い訳づくりではなく
実現に必要なことをすることに
創造性を使う、という感じです。


攻める本丸は何か?
曇りなき眼で、
まっすぐ見ていきたいですね。




お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ7年目、常楽でした。



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