つらかったり
悲しかったり
苦しかったりして
自分が大変な思いをした話をしたら
相手から
「あなたよりもっと大変な人がいるよ」
と言われた。

そんなときは、こう返しましょう。

「そんなの、わかってるよ」







ただ聞いてもらいたい。
そう期待するに足る人だから話した。
でも話したら、見当違いの返事がきた。

話をする目的が相手に伝わってない状況。


共感が欲しい。
もしかすると、共感すら必要なく
ただ注意を向けて欲しいだけかも。

他人との比較なんて
されたいと1mmも思ってない。

自分の経験した状況と
違う人はいるのは自然なこと。

誰かが見て
それらの状況を比べて
どれがすごいかを評価したら
優劣がつくのは当然。

そして、そんなのは
改めて言われずとも
知ってる。

だから
「そんなの、わかってるよ」と
返す。





以前、DV・虐待で
頭がおかしくなるくらい
ひどい状況だった頃に、
話を聞いてもらう機会がありました。

家はゴミ屋敷状態で...
包丁で切りかかってこられるし...
嫁が家事しないのはお前が悪いと親に言われるし...
その他いろいろでとても大変で...

そんな話をしてたら
「あなたより大変な人がいるよ」
と切り出され、

その人がどんなに大変なのかを
雄弁に語り始めました。

もっと状況の悪い人がいるから
あなたはそんなに悲しまなくて良い。
元気だしてがんばれ。
みたいな意味だったようです。


でも、私の話をしている中で
突然他の人の話に話題が変わって
私の話も気持ちも宙ぶらりん状態です。



この時間の当初の目的は
「私の話をする/聞く」でした。

それが
「私より大変だと思う人の話」
に変わってしまいました。

当時、
話を聞いてくれる人に出会うことは
まずありませんでしたから
この貴重な機会をつぶしたくない、
この関係を壊したくない、
そう思ってその人の話を
聞き続けました。

結局、大丈夫!元気だしなよ!
と励まされてその時間は終わりました。

残ったのは
「あー、話さなきゃよかった」
という思いだけです。

その人は満たされたようですが
私は満たされない時間でした。
私が相手を満たしてあげたかのようです。




他の機会に
同じような場面に出会いました。

「あなたより大変な人がいるよ」

お、きたな。
話題を変えようってんだな。
そう察知して言ってみました。

「そんなの知ってます。
わかってて話してます。」

そう言ったら
「そっか」みたな感じになるだけで
話題が変わることはありませんでした。

話を聞いてると
聞いた話から着想を得て
似たような話を思い出すんですね。

そして、それを聞いて欲しくなる。

そんな心の動きが、聞き手にはあったようです。





自分を誰かと比較されるのは
あまり気持ち良いものじゃないですね。

閉口するだけで止まってしまうと
主体性が下がってしまいます。

そこで行動を起こす。
「そんなの、わかってるよ」と言う。
言う、という行動をすることで
主体性が高まります。

自分らしく在るためにも
主体性は確保し続けていきたいですね。





お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ7年目、常楽でした。



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