なんで嫌なの?と訊かれて
ちょっとうんざりな気持ちになったこと
ありませんか?


嫌なものって
まず「イヤ」という感覚・感情がある。

それって、理由とか
言語で説明できないもの。
というか、理由なんてない。

・生存し続けるにあたって障害となるもの
・生存可能性を低めるもの

だから脳は「不快」を発して
被害を受けないように身体にはたらきかける。

「不快」を感じるものとは
距離をおきたくなるから
被害は受けにくくなり
生存可能性は低まりにくくなる。

嫌なものに対しては
その後も「不安」の状態にすることで
近寄らないようにはたらきかける。

嫌なものって、こんな感じです。


そんな嫌なものが
「なぜ嫌か?」の説明を求めるのは
訊かれる側に苦行を強いるようなもの。

感覚を言語化し、
質問者が理解できるように編集して伝える。

質問者がその感覚を共有しようとしてくれれば
言語がすべてではなくなるので
質問者も言語での理解はそんなに重要でないから
説明が抽象的でも、やりとりは複雑にならずに終われる。

でも、
あくまで言語での理解をしようとすると
説明がそれだけ大変になる。
だって、そもそも言語化できない感覚だから。

質問者が納得するまで終わらなくなり
尋問でもされてるようなやりとりになることも。


「なんで?攻め」のようになって
質問者の負担が軽く
回答者の負担が重いやりとりになる。

こんなの、うんざりして当然です。


「なんで嫌なの?」と訊く目的は
質問者の興味本位や好奇心を満たすことでしょう。

それに応えるか否かは
質問者が決めることではなくて
訊かれた側が決めることです。

嫌なものは、イヤ
それだけで理由なんてないよ。

そう言い切って終わる選択をしても
何も問題ありません。


本当に理解したいと思うなら
「なんで嫌なの?」という質問は
ふさわしくありません。

自分の納得優先ではなくて
その後の互いの関係を
より良いものにしたいと思うのであれば、
質問をそれにふさわしいものにしないと。


なんで、ではなく、何が、と訊く。

「それの"何が"イヤなの?」

これで訊かれた側は
答えやすくなりますよね。

他には
「それがあると"何が"あなたの身に起きるの?」
「それがあると、どんな気持ちを感じるの?」
「過去に"何が"あったの?」
など。


訊く側は訊かれる側に
「答えなくては」と思わせるわけですから
なるべく負担をかけずに答えられるように
配慮した質問にしていきたいですね。



お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ7年目、常楽でした。


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