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読書感想文的書評

書評などと言えるものではございませぬ。

マジでガチなボランティア (講談社文庫)/石松 宏章
¥610
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『絶望の国の幸福な若者たち』 で何度か触れられていて、買ってみた。


いや、これは、マジで、感動した。


この表紙のようなチャラチャラした学生が、カンボジアに学校や病院を作っている。


自分が学生の頃、麻雀とパチスロばかりしていたことを考えると、あの持て余した時間を悔やみたくなる。


(といってもあの時間はあの時間で今となっては必要な時間だったとは思うけど。)




おっさんたちからすれば理解不能な容姿をしているこの若者は、医大生で、ちゃんと(っていうのは変だけど)学生らしくチャラチャラして合コンばっかりしているのに、いい加減な思いつきで数人のサークルから発展してカンボジアに学校と病院をつくってしまった。


現実は小説よりも奇なりで、小説より苦しくて、大変で、いつでも投げ出せるのに、結局やり遂げてしまう。


このチャラ男から勇気と感動をもらってしまった。


ボランティアとかチャリティーっていうもののイメージ変わったな。


そして改めて自分の器の小ささがわかってしまったよ。



この本と、そのメッセージは伝えていかないといけないな。



このブログをこっそり見てるうちの生徒たち、マジでこれは読んでおけ。






ミカドの肖像 (小学館文庫)/猪瀬 直樹
¥980
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なんか最近ノン・フィクションばかり読んでるのは、おっさんになりつつあるからかな。



本書はとにかく分厚い。


ミカドについていろんな方向からアプローチしている。


なかでも面白いのはやはり西武グループ創始者の堤康次郎がどうやって成り上がったのかという部分。


関係者のインタビューもスリリングで引き込まれる。


皇族の土地を買いあさり、プリンスホテルを作っていった康次郎。


皇太子専用の別荘として建てられたホテルだからプリンスホテルなのだということ。



他にも原宿駅の皇室専用ホームの話など普通に雑学になるものまで盛りだくさん。


次は『天皇の影法師』を読む予定。





絶望の国の幸福な若者たち/古市 憲寿
¥1,890
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若者論2011年版。


最近の若者はかわいそうだというような雰囲気の世の中だが、データによると、今の若者は統計上最高に今を幸せだと感じているらしい。


校内暴力だって少年犯罪だって減少傾向。


何をもって今の若者は不幸だっていう雰囲気があるのか。


古市氏は20代の社会学者。


この手の本で、こんなに面白く読めるのはなかなかないと思う。




研修を受けていると、よく偉い人たちが言う。


「みなさんのような若い先生たちに期待しています」


「今の子供たちは昔と違って・・・」


とかね。


それを聞くたびにほんとにうんざりする。


知識も経験もあるベテランには期待できないってことかね?


あんたら子供のころはどれだけ立派だったんだね?


てか不祥事ばっか起こすんじゃねぇよ、バカ。(これは余計だが)




この本のすごいところは、すべてにデータの裏付けがあること。


今の若者がよくわかる。


というかデータが示しているので反論できない。



おっさんたちの言う「最近の若いもんは・・・」っていうのはだいたい主観でものを言っているからつまんないんだけど、本書は客観的だから面白い。




長野県では教員の不祥事が相次ぎ、人事のあり方や研修について見直されるそうだ。


どうせ若い先生たちばかり集めれて、偉いおじさんからありがたいお話を聞いたりするんだろう。


おい、不祥事やってるのはだいたいがおじさんたちの仲間だよ。


若くて、志を高く持って先生になったばかりの人たちより、そのありがたい話は初心を忘れたベテランたちに聞かせてやっておくれよ。


俺たちはまだ、まともだから。



刑務所なう。/堀江 貴文
¥1,050
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ホリエモンのTwitterをフォローしてたら気になって買ってしまった。

楽天で買ったので、届いてその厚さにびっくり。

完全にコロコロコミックサイズである。

東京拘置所に収監された2011年6月から12月までの半年間のホリエモンの日記。

メルマガを編集したもので、ホリエモンの時事評論やら書評なども盛り込まれており、なかなか読みごたえがある。

マンガになっている部分もあるので飽きがこなくていい。

ホリエモンって長野刑務所(須坂市)にいるんだよな。

身近なところに有名人がいるというだけでテンションが上がってしまうのが田舎者のサガ。

まぁ物理的に近いだけで、塀の向こうってのは別世界なのだけど。

しかしその前向きさには感心する。

やっぱりすげぇな。

半年で1冊出版されたということは、2年半の実刑だとあと4冊出ることになる。

買ってしまうんだろうな。

田舎者ですから。


空飛ぶタイヤ/池井戸 潤
¥1,995
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なんか間抜けなタイトルだと思ったのだが、司書の先生のオススメで読んだ。


池井戸作品は『鉄の骨』、『下町ロケット』と読んできたが、本作はそれより前に書かれた作品。


今までのところ、これがダントツで一番面白い。


タイトルは間抜けな感じだが、中身はメチャメチャ社会派。


少し読めばすぐに頭に浮かぶのが、何年か前にあった三菱自動車の脱輪事故とリコール隠し事件。



主人公の経営する運送会社のトラックが脱輪して通行人が亡くなるところから物語が始まる。



どうしてもこの主人公・赤松徳郎に感情移入して読ませるのが池井戸氏の上手なとこだと思う。


もう腹が立って腹が立ってねぇ。


小説の中では「ホープ自動車」ってなってるけど、三菱自動車が本当に憎くなるです。


『沈まぬ太陽』でJALが嫌いになったのと同じ感じ。



調べたところによると本作は直木賞にノミネートはされたけど受賞はできなかったらしい。


直木賞もあたりはずれがあるからあまり信用してないけど、


『下町ロケット』で受賞なら、それより前に本作が受賞してないのはおかしいのでは。



本作を読んだ後だと、三菱に気を使って受賞を逃したのか、とも思ってしまうわけでした。