空飛ぶタイヤ / 池井戸潤 | 読書感想文的書評

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書評などと言えるものではございませぬ。

空飛ぶタイヤ/池井戸 潤
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なんか間抜けなタイトルだと思ったのだが、司書の先生のオススメで読んだ。


池井戸作品は『鉄の骨』、『下町ロケット』と読んできたが、本作はそれより前に書かれた作品。


今までのところ、これがダントツで一番面白い。


タイトルは間抜けな感じだが、中身はメチャメチャ社会派。


少し読めばすぐに頭に浮かぶのが、何年か前にあった三菱自動車の脱輪事故とリコール隠し事件。



主人公の経営する運送会社のトラックが脱輪して通行人が亡くなるところから物語が始まる。



どうしてもこの主人公・赤松徳郎に感情移入して読ませるのが池井戸氏の上手なとこだと思う。


もう腹が立って腹が立ってねぇ。


小説の中では「ホープ自動車」ってなってるけど、三菱自動車が本当に憎くなるです。


『沈まぬ太陽』でJALが嫌いになったのと同じ感じ。



調べたところによると本作は直木賞にノミネートはされたけど受賞はできなかったらしい。


直木賞もあたりはずれがあるからあまり信用してないけど、


『下町ロケット』で受賞なら、それより前に本作が受賞してないのはおかしいのでは。



本作を読んだ後だと、三菱に気を使って受賞を逃したのか、とも思ってしまうわけでした。