のど仏の位置は、飲み込み(嚥下)、腹筋、膝の力と密接に関係している

 食欲不振、胃の不調や炎症や不快感、消化不良、逆流性食道炎など消化器系の調子が乱れやすい人がいます。また、咳に悩まされたり、喉の調子が悪かったり、食物や水分の飲み込みや嚥下がスムーズにいかない人もいます。
 耳鼻咽喉科で喉を診てもらっても特に異常はない、胃カメラで検査しても胃に異常は認められない‥‥、しかし明らかに喉や消化器系の調子が悪い場合があります。
 また、腹筋が使えないのですぐに腰が痛くなってしまったり、床から立ち上がるのが辛かったり、階段を下るのが苦手だったり痛みを感じたりする人たちもいます。

 喉や消化器系のことと、腹筋や膝の力とどんな関連性があるのかと思われる方がほとんどだと思います。ところが、整体的観点で喉周辺に注目しますと、それらに強い関連性があることがわかります。今回はこの説明をしたいと考えています。

喉の働きに関係する骨格筋‥‥胸骨甲状筋と甲状舌骨筋

 水分や食物を飲み込む嚥下動作のときに喉は上下に大きく動きます。また鼻や口を通して吸い込んだ空気は喉(喉頭)のところで通路を分けられほぼ正確に気管に入りますが、食べたもの(食塊)はほぼ正確に食道へと向かっていきます。
 この嚥下動作において空気と食物の通り道を分ける働きをする筋肉や組織は内臓系ですが、喉(甲状軟骨)を上下に動かす筋肉の主体は手や足や骨格を動かす筋肉と同じ骨格筋になります。
 私たちが通称名として「のど仏」と呼んでいるところを専門用語では喉頭隆起と言いますが、軟骨になっている部分を甲状軟骨と言います。
 嚥下動作では甲状軟骨が上下に大きく動くわけですが、それは甲状軟骨につながっている上と下の筋肉が収縮したり弛緩伸張することによって行われます。そして甲状軟骨を上方に引き上げる働きをする筋肉を甲状舌骨筋と言い、下方に引き下げる働きをする筋肉を胸骨甲状筋と言います。



 甲状舌骨筋、あるいは胸骨甲状筋のどちらかが硬くこわばっていたり、あるいは反対にゆるんで働きが悪い状態になっていますと、甲状軟骨の上下運動がスムーズにできなくなりますので嚥下動作に不具合が生じます。

 今回は甲状腺と喉の動きに関することがメインテーマですから、甲状腺の状態と甲状軟骨の動きについて私の見解を説明いたします。
 甲状腺の病気として橋本病(甲状腺機能低下)とバセドウ病(甲状腺機能亢進)がありますが、特に甲状腺機能が亢進状態と思われるとき、甲状腺は大きく腫れた状態になっています。甲状腺は甲状軟骨と胸骨の間にありますが、甲状腺が腫れた状態になりますと胸骨との間の隙間が消えて喉の下の部分が鎖骨の方に迫るようになることが多いようです。そしてその部分に圧を掛けると「気持ち悪くなる」などの不快感を感じる場合が多いようです。
 さて、甲状腺がこのように腫れてしまいますと、甲状軟骨の上下運動にかかわる胸骨甲状筋はスムーズに動かなくなってしまいます。つまり、スムーズな嚥下が行えなくなってしまいます。さらに、大きくなった甲状腺は胸鎖乳突筋の状態にも悪影響を及ぼしますので、それによる別の問題も生じる可能性があります。
 胸鎖乳突筋の深部線維である鎖骨頭が影響を受けてこわばりますと、眼圧や目の見え方に悪影響が及ぶ他、歯ぎしりや噛みしめの癖をもたらす可能性もあります。
 (また胸鎖乳突筋鎖骨頭や棘上筋がこわばりますと、筋肉の連動関係で結果的に甲状腺を圧迫してしまう可能性もあります。そして、その状態が慢性化しますと甲状腺機能にも影響が出るかもしれません。)

嚥下がスムーズではない状態とは

 私は嚥下の状態を確認する簡単な方法として唾を飲み込んでもらうテストをしています。
 嚥下動作に問題のない人、つまり喉の動きに問題のない人はすみやかにゴクンと唾を飲むことが出来ますし、その動作は喉の下の方、ちょうど甲状腺の辺りがゴクンと大きく動くことで確認できます。嚥下動作に問題のない人は、喋りながらも自然に口内に溜まった唾液を何気なくゴクンと飲み込むことができます。
 嚥下に軽度の問題がある人、あるいは問題がある場合は、タイミングを合わせない飲み込むことができない感じになります。「唾を飲んでみてください」と言っても、少し時間をおかないと飲み込めない人はタイミングを合わせている人の部類に入ります。胸骨甲状筋や甲状舌骨筋の動きに左右差があったり、上記で説明したような甲状腺に問題があったり、舌骨の動きが制限されていたり歪んでいる可能性が考えられます。

 また、喉を含めた気管が歪んでいたり捻れていることで嚥下動作がスムーズにいかない場合もあります。喉の上部には舌骨がありますが、それは第3~第4頚椎の前方にあります。ですから第3~第4頚椎が歪んでいたりしますと舌骨も歪んだ状態になってしまいますが、その影響を受けて喉が歪んでしまうことはよくあることです。

 「嚥下に問題があるようだ」と自覚のある人はご自分の動作に気が向いていますので異常が認識できると思いますが、特に自覚がない場合は、その状態が「普通」だと思っていますので、嚥下の異常についてなかなか認識できないかもしれません。しかし、逆流性食道炎や胃の不調や違和感、消化不良などの症状がある場合など、嚥下動作がスムーズにできないないことが関連している場合もありますので、一度ご自分の嚥下動作を確認されるのもよいかと思います。

腹筋(腹直筋)の働きと甲状腺の関係

 一つの例があります。その人は長年の腰痛持ちです。過去に腰が壊れるほどのギックリ腰を経験し、その後の予後も悪かったので、一時は座ることもできないほどの腰痛持ちになってしまいました。その後、私のところに来られて現在は毎週施術を行っておりますが、ほぼ普通の人と同じような感じにまで回復してきました。
 ところが先日、ソファーのようにお尻の沈む低い椅子に座らなければならない状況になり、座ったときに「腰が痛くて座っていられない」と久々に耐えられない痛みを感じたようです。さらに、足の届かない高い椅子に座ることもできないと訴えました。
 普通の椅子では足が床に着きますので足の力も利用して坐位を支えることができますので腰部にそれほど負担が掛からないですみます。しかし股関節の位置より膝の方がが高くなったり、足が床に着かない状態など、足の力を利用することができなくなりますと途端腰部の腰部への負担が増して腰痛を感じるようになってしまったのではないかと思われます。そして、この状況は腹筋が機能していない可能性があると考えられます。
 腹筋と背筋との両方の力とバランスによって私たちは二足歩行の立位を支えたり、坐位を支えています。もし腹筋か背筋かのどちらかが機能しない状態になってしまいますと、片方の力で頑張らなければならなくなってしまいます。そしてその状況では腹筋・背筋均衡のバランスも崩れますので、ますます片側の筋肉に負担が掛かるようになってしまいます。ですから「耐えられない」ほどの痛みを感じてしまったのではないかと思います。

 結局のところ、この方は腹筋が使えない状態になっていました。
 ところで毎回のように申しますが、筋肉が使えない状態(=働きの悪い状態)と筋力が弱い状態とはまったく関係ありません。別ものです。腹筋が使えない状態なのに腹筋をトレーニングしても役に立ちません。
 専門的になりますが、この方の働きの悪かった腹直筋の部位は膝の中間広筋、股関節の恥骨筋などと連動関係にある筋肉で、喉に関係するところでは胸骨甲状筋と連動関係にあります。
 そしてこの方の状況は、甲状腺が硬くこわばっていて、さらに顎下の筋肉(オトガイ舌骨筋や顎舌骨筋)もこわばっていましたが、それらの関係で喉(甲状軟骨)が下方に引っ張られた状態になっていました。胸骨甲状筋の付着している胸骨と甲状軟骨との間が縮まってしまっていたので筋肉がたるんでしまい、働きの悪い状態になっていたのです。
 胸骨甲状筋が働きの悪い状態なっていたわけですが、その連動で腹直筋の一部が機能せず腹筋で坐位を支えることができなかったのです。(腹直筋そのものに問題があったわけではありませんし筋力が関係したわけでもありません。)

 そこで私は顎下のこわばっていた筋肉をゆるめることと甲状腺の腫れを取り除くことを試みました。
 甲状腺に関しては、それは喉元にありますし敏感なところなので直接ほぐすなどの施術はできません。ですから、足にあります反射区を利用しました。念入りに甲状腺の反射区をほぐしました。



 これらの施術によって喉(甲状軟骨)の位置が上に上がり、胸骨甲状筋のたるみが解消してその働きが回復しました。そして同時に連動関係にある腹直筋の状態も改善しました。
 すると、かなり低い椅子に座っても腹筋を使って坐位を支えることができるようになった(=お腹に力がはいるようになった)ので腰部は辛くなりませんでした。同様に、ベッドを上昇させて足の着かない状態でベッドに座っていただいても問題は生じなくなりました。

甲状腺について

 甲状腺は現代医学的な感では内分泌腺、つまりホルモンを生成分泌する器官ですから非常に重要です。そして甲状腺機能亢進状態になると自律神経の交感神経優位状態に近くなりますので、攻撃的、からだが休まらない、緊張、眠れない等々、敵対本能的、逃走本能的な方向にからだを働かせるようになります。亢進状態が進みますとバセドウ病へと病変するのでしょうか。一方機能が低下しますと、力が入らない、しゃきっとしない、やる気がでない等々の状態になり病変すると橋本病になるのでしょうか。
 私のところに来られる方々の場合、甲状腺機能亢進状態と思われる方々が多いようです。ストレスや心配事、不安がいっぱいの社会ですから、そうなってしまうのも仕方がないことかもしれません。

 しかしながら上記に説明させていただいたように、機能亢進状態になりますと膨れますし、こわばって硬くなり、喉周辺の筋肉や組織の働きに影響を及ぼします。とくに嚥下は私たちの生命力や活力に直接関わる問題ですから、甲状腺の状態をないがしろにするわけにはいきません。
 ご自分の喉元(甲状腺の位置辺り)を軽く押したり触ったりしてみてください。違和感や不快感を感じるようならそれは良い状態ではありません。病気ではないので”大丈夫”と簡単に判断せず、是非反射区を利用した甲状腺のケアを行っていただきたいと思います。




 反射区は足裏にも手にもあります。どちらをケアしてもよいと思いますが、ケアのポイントは念入りに行うことです。たとえば指圧しはじめや揉みはじめの段階では何の痛みも感じないかもしれません。ところがしばらくやっているうちに表層の組織(皮膚や筋膜)が柔らかくなってきますと次第に反射区まで刺激が届くようになります。(つまり反射区は深いところにあります。)
 そして、反射区までダイレクトに指圧など刺激が届くようになりますと痛みがかなり大きくなります。そして痛みに耐えながらもしばらく続けていますとある点を境に急に痛みが引いていきます。できればここまでやってください。すると太かった喉元がすっきりすると思われます。そして同時に嚥下動作もよくなり、胃が動き出して心地良い空腹感を感じるようになるかもしれません。いかがでしょうか。

甲状腺と踵骨の関係

 これはまだ検証を重ねている段階なので確定しているわけではありませんが、踵の骨の位置と甲状腺の反射区には関係性があるようです。そしてそれを通じて甲状腺にも影響が及ぶように私は感じています。
 踵骨が本来あるべき位置より「後方に歪んでいてぐらついている」と表現しても理解できないかもしれませんが、踵骨とその他の足の骨を繋いでいる幾つかある筋肉のどれかがゆるんだ状態になっていたり、あるいは靱帯が伸びた状態になっていたりしますと踵骨は後方へ歪んでしまいます。

 一つの例です。
 その青年は幼少の頃に、左足の甲に物を落としてしまったようです。それによって短趾伸筋が損傷してしまいました。



 短趾伸筋は踵骨に繋がっていますので、踵骨が落ちるようにぐらついていて後方に歪んでしまっていました。
 その青年は幼少の頃から喉を触られるのを嫌っていました。自分で触っても不快感を感じる状態でした。その原因は甲状腺の左側が膨らんでいたからです。
 甲状腺の反射区を施術しても、甲状腺の膨らみは取り切れませんでした。そこで私は足裏の甲状腺反射区のところの流れが停滞していてむくんだ状態になっている原因を探しはじめました。
 すると後方にぐらついている踵骨を前方に戻すように操作すると甲状腺反射区の停滞が解消することがわかりました。
 さらにもう一つ、その青年は母趾の爪だけ伸ばしていました。理由を尋ねると「巻き爪なので、伸ばしておかないと巻いてしまうので」ということでした。
 巻き爪になってしまうのは、その足趾でしっかりと地面を踏めていないことが原因であるという見解がありますが、私もそれに賛同しています。歩行において母趾が最後まで地面に着いていて地面を蹴ることができる状態であれば、その地面を踏む圧によって爪は横に拡がりますので巻き爪にはなりにくいと考えます。反対に巻き爪だからといって地面を踏まないように、爪に圧が掛からないように避けた歩き方をしてますと、爪はさらに巻いてしまうと思われます。
 ですから、この青年は歩き方も悪く、母趾に体重がのらないような歩き方でした。そして、それはさらに甲状腺反射区の停滞を助長することになっていたのだと思います。
 結局、損傷状態にあった短趾伸筋の部位が修復するように処置をして、さらに母趾をしっかり使って歩くことのできる状態にしました。それによって甲状腺左側の膨らみはほとんど改善しました。

 ちなみにこの青年は22歳の若さでありながらも、いろいろな不調を抱えていて半年ほど前から隔週のペースで来店するようになっていますが、当初77㎏だった体重が63㎏に減りました。食事制限をすることもなく、運動をはじめたわけでもなく、ダイエットを目指していたわけでもありません。以前と変わらぬ生活を送っていたようですが、高校時代よりも体重が減ったことに本人も驚いています。
 いろいろ整えてからだの流れが良くなると、ダイエット効果があるということを私は現在目の当たりにしています。


 今回の投稿は、とてもマイナーで細かい内容で、おそらくほとんどの整体師やセラピストは目も付けない内容かとおもいますが、喉元の不快感や甲状腺の膨らみによる不調を改善する為の一つの手段として意味のあるものだと考えています。

 私の暮らす町は神奈川県小田原市の北部で「片田舎」と表現できる場所かもしれません。現在は都心まで通勤できる交通手段もありますが、田んぼや畑がたくさんあり、お年寄りの方もたくさんいます。  
 高齢者の皆さんはとても人が良く、おそらくテレビ報道や病院(医師)の言うことにはほとんど疑問を持たない人たちばかりだと思います。

 私は整体師として仕事をしていますが、ワクチン接種をした方々のほとんどが左肩(三角筋)に問題を抱えていることがとても気になっています。
 利き手と反対の三角筋に注射されていますので、肩や腕に違和感を感じたとしても普段の生活ではそれほど不都合を感じないようです。ですから「まさか注射針が原因だとは‥‥」と皆さんが反応されます。

 先月中旬以降、高齢者に対しては7回目の接種が行われているようですが、三角筋の損傷状態が原因となってからだに不具合が生じてしまった高齢者が毎日のように来店されます。

 本日来店された女性は7回目の接種を一週間前に受けたということでした。毎月2回定期的に来店されている方ですから、からだの様子は十分にし知っています。ところが、本日はこれまで一度も訴えたことのない症状でした。歩くと左股関節が痛むもので、本人は「地べたに座った状態で草取りをしていたのが原因かな?」と仰いました。
 からだを観察していきますと、左側下肢の長内転筋が強くこわばっていました。そして、それが原因して恥骨筋がゆるんでしまい、股関節がズレた状態になっており、それによって歩行時にかかる荷重が耐えられない状態でした。
 結局のところ、左肩の三角筋後部線維が損傷状態(ゆるんでいる)になっていたために左腕の上腕筋が強くこわばってしまい、その筋連動によって内腹斜筋―長内転筋がこわばっていたのです。
ですから、私は損傷状態にある左三角筋後部線維のところを回復させるように施術を行いました。そして、それで股関節の問題も解決して歩行時の痛みも消失しました。

 高齢者ではありませんが、7月にワクチン接種をしたという50歳くらいの男性が手首の腱鞘炎と左肩の痛みで来店されました。
 結論を申しますと、この男性も左肩三角筋の損傷が大元の原因でした。つまりワクチン注射の針です。(この男性は3回目まで接種)
 最初は左肩の違和感から始まり、その違和感が次第に強くなり、胸の方まで硬くなって左腕の置き場が定まらず夜中は何度も寝返りを打つようになってしまったと言うことです。本人はその寝返りが原因で左肩と左腕おかしくなり、そして手首の腱鞘炎になってしまったと思っていたようです。
 左手首の腱鞘炎に関しては、左腕の使い方に不自然さが生じ、それが蓄積した感じで筋肉のバランスが崩れて手首周辺の骨格が歪んでしまっていたのが原因でした。手指の動きに関係する筋肉を調整してバランスを回復させることで腱鞘炎もその場で解決しました。

 その他にも、ワクチン注射の針が三角筋の損傷状態を招いてからだに不具合が生じているケースはたくさんあります。
 ゴルフのスイングがおかしくなって膝や足首周辺の負担が増えたり、洗濯物を干そうとしても肩(腕)が上まで上がらなかったり、五十肩のような症状を呈したり、顎が歪んで顎関節症になってしまったり、急に左首~肩にかけての張りが強くなったり、本当に症状は多岐にわたります。

 ワクチンを接種する側の医師や看護師は「三角筋の損傷」など気にしていないかもしれませんが、整体的な観点で重要なポイントです。三角筋の筋線維が損傷状態になりますと、腕が肩からぶら下がったような状態になり、腕が重たく感じます。それが違和感として感じられるのかもしれませんが、その状態を放置していますと違和感が症状に変わり、そして不具合に変わるという具合に進んでいきます。
 そこまで把握していただき、丁寧に、筋線維を傷めないように気を使いながら注射針を挿入していただきたいと願います。

 以前にも少し触れましたが、整体的観点でのワクチン注射の絵以外について改めてお伝えしたいと思います。

 ワクチン注射は肩関節近くの三角筋に打つ筋肉注射ですが、それは筋線維を傷める可能性がかなり高いようです。

 私の近くのクリニックでは現在、6回目の接種が行われていますが、注射針を同じ筋肉に6回も接種すれば、筋線維が損傷状態になる可能性はたかく、いろいろな弊害が生じることは当然のことだと私は思います。

 利き手とは反対側の肩に注射しますので、腕を高く上げる動作などしなければ筋肉がおかしいことは認識しづらいので、あまり話題にはのぼらないようですが、実は皆さん、確実におかしな状態になっていると私は認識しています。

 「洗濯物を干すのがしんどくなった」との訴えはかなり多くあります。高齢者の人は「歳のせいで筋力が弱ったからかな?」と思っている人が多いようですが、ワクチン接種したところにピップエレキバン(80)を正確に貼ると症状は改善しますので、注射針の影響だとわかります。

 

 「ゴルフで飛距離が出なくなった」という訴えもありました。注射針を刺した三角筋(後側が多い)がゆるんでしまうので、スイングスピードにも影響が出る他、ボールに当たるインパクトがピシッといかず力が抜けたような感じになってしまうようです。

注射針に弱い人は不可解な症状も

 体質的に注射針に弱い人もいます。

 その方の症状は少し不可解でした。

 顔の右側が押し込まれたようになっているとのことでした。右顎も、右目も、右耳も全部潰されているような、ギューッとした感じになっていると訴えました。

 観察しますと、私は以下のように感じました。

 頭蓋骨に対して中身が右側に寄っているような、つまり頭蓋骨の左側には隙間があって、右側に寄っている分、脳も口(口腔)も頭蓋骨に納まっている器官や組織が頭蓋骨の右側にぶつかってせき止められているような、そんな感じです。

 「中身を左側に戻せば、いろいろな症状は消失する」と感じました。そして、何処かに中身を戻せるポイントがあるのではないかと、探しました。

 その結果たどり着いたのが、左側の腕のつけ根辺りから左胸にかけての腑抜けのような感じの部位です。そして、その時に「もしや三角筋では?」と思い、「ワクチン接種は何回しましたか?」と尋ねました。

 「3回」と答えが返ってきましたので、左側三角筋の損傷部位をさがしました。

 肘を曲げた状態で腕を真横に水平挙上ができませんでした。この状態は三角筋中部線維に問題があることを示しています。次に、肘を曲げた状態で腕を後方に引くようにしてもらいました。これは三角筋後部線維の状態を確認するためのテストです。

 ワクチン接種をしていない右腕を後方に引きますと、三角筋が収縮してグイッと腕が引けるのが本人の自覚として確認できます。ところが問題の左腕の場合は、腕のつけ根に力が入らず右腕のようにはできません。それでも無理して引こうとすると首の筋肉に痛みが出てしまいました。三角筋後部線維にも損傷があることがわかりました。

 そこで常套手段ですが、損傷状態のところに貼って使うダイオードを3ヶ所貼りました。三角筋中部線維に1ヶ所、後部線維に2ヶ所です。

 それによって左腕から左肩の問題は改善しましたが、同時に左首の張りもとれ、困っていた顔面右側の症状も一気に解決しました。左三角筋の状態が回復したことによって頭蓋骨の中で右側に寄っていた中身が本来の位置に戻ってきたのだと思われます。

 「ここまで影響が強いとは?」と内心思いました。

 それぞれの体質や体力の状態によって異なるとは思いますが、注射針が合わない人(ちなみに本人には合わないという自覚はないかもしれません)の場合、こんなような不快感を味あわなければならない状況にまでなってしまうのですね。

 

 さて、「頭蓋骨の骨と中身がズレている」と言われても、どんな状態なのかほとんどの人には理解できないと思いますし、ほとんどの人は信じないかもしれません。しかし、整体の現場ではしばしば出会す症状なのです。

 そして「なんとなくわかる!」と実感として理解できる人もいるかと思いますが、「そんなことお医者さんに言っても信じてもらえない!」という、正にそのような症状は実在しますし、改善する方法もきっと見つかります。

 脳が後方にズレているような状況では、目がショボショボしたり、見えづらかったり、眼圧が高くなるような影響もありますが、この状態は頻繁にみうけれらます。

おすすめ

 ワクチンを1年に何回も接種すること自体、異常だと私は思いますが、どうしても接種するのであれば、注射針を刺した心に速やかに弱いピップエレキバン(80番を推奨)を貼ってください。

 若い成長期にある人たちは新陳代謝が活発な分、自己治癒力も旺盛なので、時間とともに注射針の影響は消失するかもしれません。ところが中高年以降は自然治癒力は弱いので回復までに時間がかかるか、あるいは完全には回復しないかもしれません。高齢者であれば尚更のことです。

 その完全ではない、つまり損傷状態のときに動作を行って筋肉を使いますと、状態が悪化することが予想されます。もしかしたら、注射針が原因で五十肩になってしまうかもしれません。

 この状況を防ぐためには、私はすかさずピップエレキバンを貼ることをおすすめします。

 そして、現に1回目の接種では接種後しばらく辛かったが、エレキバンを使った2回目以降は「全然大丈夫」という人がいます。

 エレキバンは手軽ですから、強くおすすめします。    

 バレエ(踊り)をされている50歳代の女性の方ですが、左側股関節の安定と力感が乏しく、プリマが心地良くできなくて不安定だと言います。
 その直接的な原因は大腿骨を外旋する働きをする筋肉の一つ、大腿方形筋の働きが悪いことです。
 

 大腿方形筋は手首を内側に捻る方形回内筋と連動関係にありますが、左側の方形回内筋も働きが悪い状態で、その働きを回復させるように操作しますと大腿方形筋の働きも良くなり、プリマが安定してできるようになります。

 


 
 「どうして方形回内筋の働きが悪くなったのか?」が解ると根本的な対策ができます。
 前腕→上腕→腋窩(脇の下)と観察していきますと、腋窩のところで上腕二頭筋(短頭)がゆるんでいてタルタルな状態でした。そして脇を絞って上腕を体幹に引き寄せる動作が上手くできませんでした。そしてその原因は大胸筋肋骨部(腹部)線維が損傷状態になっていて収縮できないからでした。
 
 「ここが損傷しているようですが、過去に何かありましたか?」と尋ねますと、乳がん検査で細胞を採取するために乳房脇から太い注射針を刺したことがあると仰いました。……結局、それが根本原因でした。
 注射針を刺したところは今でも圧痛がありました。大胸筋の損傷部位が回復していないのです。
 ピップエレキバンの「80」を損傷節に貼りました。しばらく貼り続けることで損傷部位が少しずつ回復していくこと促しました。
 
〇今、左肩~腕にかけて力が入らなかったり、違和感を感じたり、腕が上がらなかったりする症状が続出しています。
 それはワクチン注射による三角筋の損傷によるものです。筋肉に注射針をブスッと刺すことは丁寧に行わなければ、筋線維を傷めます。

 私たちのからだは体幹と四肢で成り立っています。体幹は骨盤~背骨~頭部という骨格と関連する筋肉のことであり、四肢は上肢2つ(左右の腕~手)と下肢2つ(脚~足)です。
 整体的な観点で言いますと、体幹が歪んだりおかしくなりますと全身的に機能が低下します。腰痛や首・肩の痛み、頭痛などの症状はこの一部ですが、体幹が歪んだりおかしくなる原因の多くは四肢の問題によるものです。平たく言いますと、手先や腕、足などの使い方やそれらの筋肉や骨格に生じたのいろいろな問題が体幹のさまざまな問題の原因になっていることが場合が多いのです。
 その他には感覚器官がある顔面部の問題、つまり目の使い方や酷使、噛み方、歯ぎしり、口呼吸などの問題が体幹に影響を及ぼしていることも多々あります。
 ギックリ腰や打撲、肉離れ、手術等々、体幹に直接的損傷が生じた場合は別として、体幹の多くの問題の原因の殆どは四肢か顔面部(感覚とそしゃく)の問題が引き起こしていると言えます。

 さて、今回はその一つの例を取り上げます。そして、とてもたくさん見られる状況です。

 私たちのからだの中心は骨盤ですが、その次くらいに中心的な存在は背骨(脊椎)です。脊椎は首の頚椎、肋骨のある胸椎、そして腰部の腰椎に分けられます。
 腰椎は5つありますが、この在り方が全身的にかなり重要です。

 腰椎は前弯しているのが本来の在り方です。第1腰椎、第2腰椎、第3腰椎は後ろに反った形状になっていますが、つまり椎骨(椎体)は上向きの状態になっています。第4腰椎はほぼ正面(地面と平行)を向いていて、第5腰椎は下向きの状態になっています。そして、第3~第5腰椎のところの曲がり(前弯)がとても重要で、その在り方が背骨全体の状態に大きな影響を与えていると言っても過言ではありません。



第3腰椎の在り方と下半身のエネルギーの流れ
 

 第3腰椎はその椎体が少し上を向いている状態が望ましいのですが、時々正面や下を向いた状態になっている人がいます。



 結論的に言いますと、第3腰椎が上を向いた状態にある人は、下肢の内側をエネルギーが足から骨盤(お尻の内側)に向けて上昇するように流れています。そして下肢の外側は反対に骨盤から足に向かって流れている循環になっています。(他の脊椎の関係で、そうでない場合もあると思います。)
 つまり、エネルギー的に見ますと、大地(地球)からのエネルギーをからだのセンターラインが吸い上げ、そして体内から排出すげきエネルギーはからだの外側を通って排出されている、と解釈することができます。

 そして第3腰椎の椎体が下を向いている状態の人は、この循環が反対になっています。このような人を観察したり触りますと、太ももの内側の筋肉がたるんでいて十分に機能していないように感じます。
 「内転筋を鍛えた方が良い」などと理学療法士やトレーナーの方々に指導されたりアドバイスされたりする方も多いようですが、エネルギーの流れ方が良くなければ、せっかく筋肉を鍛えても、その能力を発揮することができませんので、結果的に日々の生活において「トレーニングの効果はあまり感じられない」と感じてしまうと思います。

靴擦れと第3腰椎の関係

 第3腰椎が下向きになっている原因はいくつかあります。
 ストレートネックは頚椎の前弯が失われてしまっている状態ですが、同じようにストレート腰椎もあります。背中を丸めて座る癖を長年している人は腰椎の前弯が失われしまいますが、それも一つの原因です。
 他の腰椎に歪みなどがあることの影響を受けている場合もあります。
 そして、今回お話ししたいのは靴擦れが原因している場合のことです。

 第3腰椎が下を向いてしまう直接的な理由の一つに広背筋がこわばっている状態があります。バンザイをしたときに脇の下の背中側筋肉に張りを感じて心地良いバンザイが出来ない人は、広背筋がこわばっている可能性があります。
 そして、広背筋にこわばりをもたらす原因の一つに踵のアキレス腱付着部に靴擦れによる塊が関係していることがあります。踵の真後ろよりちょっと外側は腓腹筋外側頭の延長がアキレス腱となって踵に付着している部分ですが、そこに問題がある場合です。
 靴擦れを何度もしますと、その部分が硬くなり塊のような物ができますが、そのちょっと下のところは塊とは反対に腑抜けのような感じになります。



 結論を言いますと、その腑抜けのようになっている部分が根本的な原因となって腓腹筋外側頭がゆるんだ状態となり、その影響によって広背筋がこわばり、そして第3腰椎が下向きになってしまうという流れとなります。
 ですから、踵にできた塊を指圧や揉みほぐしなどでゆるめることに併せて、腑抜けになっている部分にエネルギーを与えてしっかりさせる施術を行うことをします。
 また、マグレインやピップエレキバン(80)などでその腑抜け部分を補うことも有効です。

「まさか靴擦れが影響しているなんて?」と皆さん思われますが、そんな些細だとおもわれるようなことの影響でからだのエネルギーの流れが変わってしまうことはよくあることです。

からだのセンターラインにエネルギーが集まるようにしたい

 長年整体の仕事をしていますと、筋肉や骨格のことだけでなく、体内を流れているエネルギーに着目することが多くなります。
 からだが楽になる、からだを楽に使う、という状態を築いて保つためには、からだを効率よく使える状態に整えるわけですが、そのためにはエネルギーの流れがキーポイントであるように感じます。



 私たちは人間ですが、それは脊椎動物でもあります。元々は骨盤しかないような動物が、海の中で泳ぐために進化しました。それは頭進といって、骨盤の顔(口)に相当する部位が頭として骨盤から分離するように離れて魚のような状態になったのですが、その間に背骨ができたのが脊椎動物です。
 ですから、私たちは骨盤から力をもらって活動をしている生命体であると考えることができます。手先を動かすのも骨盤は関係しています。ギックリ腰などで骨盤を損傷しますと、とたんに力が使えなくなってしまい椅子から立ち上がることもままならなくなります。
 たとえばペットボトルを開けるために両手を捻るとき、骨盤からの力がもらえなければ、手や腕の筋肉だけでその動作をしなければならなくなります。それまで無意識に簡単にできていたものが、手に意識的に力を入れて頑張らないと蓋も開けられない状態に鳴ってしまいます。そして、そんな状態が続きますと手の筋肉がおかしくなってしまいますが、それが影響して肩関節痛や腰痛や膝痛を招いてしまうこともあります。
 このような状況はからだの使い方が非効率な状態です。つまりエネルギーの流れが悪い状態です。
 骨盤の中心~背骨というからだの中心ラインにエネルギーがしっかりと流れている状態では、どんな動作をしても骨盤の力、つまり力の源泉から力を得ることができるので効率が良く、楽に動かせる状態となります。

 ヨガや筋トレやいろいろな健康法でからだを鍛えようとされている方は、このポイントを抑えることが大切だと思います。
 なぜこのようなことを言っているのかは、健康に気遣いながらからだのためにいろいろやっている人でも、このようなことはまったく考えていない人が殆どだからです。一整体師からのアドバイスとしえ言わせていただきました。