(再録)思わせぶりな謎で引っ張る・③(加筆修正) | せいぜいひまつぶしの小話

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5年目から創作系ブログとして新装開店しました。
色々と思うところ書いてます。講談社への抗議不買は一生続けます。
2022年12月からは小学館もリストに加わりました。
「人を選ぶ」とはつまり「自分は選ばれた」ということです。

思わせぶりな謎で引っ張る

①、 ②、 ④、 ⑤(終) 

 

前回までで『思わせぶりに謎を引っ張る』演出に関してかなり否定的に
書いてきましたが、でもだからってそれを全面的に否定するつもりはありません。

要は『謎』に対してキチンと答えを用意すれば良いわけで、そしてそれを物語という『流れ』の中で
やる以上、謎解きの種明かしには然(しか)るべきタイミングというものが存在します。
ただそれはタイミングというより、
『これ以上は引っ張れないデッドライン』

と言った方が正確かもしれません。

『ARMS(アームズ)は、その辺の見極めをとても上手くやってくれていました。

ハイ、違います

↓引用元

 

金属生命体ARMS(アームズ)を移植された4人の若者達を待ち受ける過酷な運命、
世界を牛耳る謎の組織『エグリゴリ』との壮絶な戦い、その裏で進行するARMS計画
…圧倒的な画力と、ハリウッド大作にも引けを取らないダイナミックにして繊細な表現力を
以って描かれる壮大で重厚な世界観と熱いドラマは、今も決して色あせることはありません。

漫画に歴史に燦然と輝くまさに名作中の名作であり、
偉大な1ページを刻んだ掛け値無しの“伝説的な”
作品と言っても過言ではない、
というか断言します。

ステマの巨人が擦り寄ってるのはガチで殺意が湧きますが、
とりあえず講談社への抗議不買はこれからも続けるとして、

手足の爪を1枚ずつ剥がされるか、指の骨をハンマーで1本ずつ砕かれるか、
あるいは膝の皿を割られた後に局部の先端から電気を流されるような目にでも
遭えば
ほんの一瞬だけ考え直すかもしれませんが、もしそうなったらそうなったで
また不祥事かオイってなるだけですのでそれはとりあえず置いておくとして、
『ARMS』が思わせぶりに引っ張ってきた謎について注目してみましょう。
(「巨人 稽古 死亡事故」でググってみよう☆)

さて『ARMS』における最大の謎は、タイトルにもなっているこの金属生命体の出自と、
要所要所でこれまた思わせぶりに登場する「アリス」と呼ばれる存在、その正体について
ですが、これはコミックス全22巻(旧版)のうち13巻で全てが明らかになります。

全体で見れば“中盤の終わり”ということになりますが、その辺が限界だと思います。

もちろんどっかのエヴァやステマの巨人と違って、いかにも意味ありげだけど結局何の意味も
必然性も無い、思わせぶりな単語やポエムを無駄にダラダラ×2並べ立てて結局何の説明にも
なっていない、なんてことはありません。引き延ばしの常套手段としてよく見かけるような
話途中での襲撃
で誤魔化してもいません。ちゃんと明らかにしてくれてます。

そしてもちろん全部が明らかになったからそれで終わり、ということは全然なくて、
そこから物語はエグリゴリとの最終決戦へとなだれ込んでいくわけなのですが、
もし謎解きの種明かしが行われないまま突っ走っていたらと思うとゾッとします。
そうなったら戦いの最中に話の流れをぶった切って色々と説明しなきゃならなくなったり、
最後の最後に無茶苦茶詰め込むハメになったり、放置して終わるような最悪の事態に陥る
可能性だってあったわけです。引っ張り過ぎても良いことなんかありません。

別作品の話ですが、『烈車戦隊トッキュウジャー』にも“主人公たち5人の正体”
という大きな『謎』がありましたが、32話目でちゃんと明らかになりました。
これも中盤の終わり頃です。

闇に呑まれた自分たちの故郷を取り戻すため、シャドーラインとの更なる戦いに身を投じる
決意を新たにする熱いドラマも、すべては『謎』が明らかにされたからこそです。

引き延ばしのデッドラインは“中盤の終わりまで”が限界だと思っていますが、
もちろん年単位で中断してるようなのはその時点で失格として、
ここまで書いてきたような単なる統計や経験則だけを根拠としているわけではありません。

結局のところ『謎』を「どこまで引っ張れるのか?」ということで考えてみても、
その本質が『物語』である以上、最後は「話を畳むのにどれだけかかるのか?」
という問題になっていくんですよね。

とりあえず話が続いてきたのと等分で考えてみれば、
“中盤の終わりまで”というのは、妥当なセンじゃないかと考えてます。
その辺を越えたらまともな回答は得られないと思っていいでしょう。

ですがこの方法も、決して万全ではありません。

〈続く〉

 

↓漫画の歴史に燦然と輝く名作中の名作、13巻あたりで『謎』が明らかに

 

↓32話あたり