私の好きなもの100の⑤

私の好きなもの100
⑤結婚指輪
結婚して20年。
その時に2人で買った結婚指輪。
新婚の頃は、
「赤い糸で繋がれてる〜」なんて、
ありきたりなロマンチックに
ニマニマしながらつけていました。
でも、浮かれた日々はすぐに過ぎて。
手荒れがひどくなって、
あっさり外しました。
「こんなものなくても結婚してるし。
愛がなくなったわけでもないし。
別に義務でもないし。
それより手がかゆいし痛いし」
……そう思って、指輪は箱の中へ。
実際、
指輪を外しているけれど
それなりに結婚生活してきました。
小学校の先生として
ハードな毎日を送っていたので
指輪のことなど
全く思い出すこともありません。
日々、業務への不安に耐えながら
なんとか1日1日をこなす
そんな苦しい毎日を過ごしていました。
新婚当初のウキウキした気持ちは
もう、どこにもありません。
けれど。
仕事を辞め、時間ができて。
心のことを学び、自分を大切にすることも覚えて。
夫との関係も、少しずつ心地よくなってきた頃。
アニメに出会いました。
ロマンチックなシーン。
アクセサリーを贈り合う場面。
指輪を差し出す手。
昔のロマンチック大好きな私が帰ってきました。
……あ。
私も、指輪、あったーーー!
指輪の存在を思い出した私は
10数年ぶりに取り出した指輪をつけました。
10数年も箱に仕舞われていたと思えないほどの
美しさを放っています。
さすがプラチナとダイヤモンド!
シルバーではこうはいかない。
美しい。可愛い。
左手の薬指にはきらりと輝く
小さく並んだそのダイヤモンドたち。
それだけで
手が美しく見える。
誇らしく見える。
今、パソコンを打つこの手さえも
美しく凛としています。
家事をしていて
たまに指輪がちらっと目に入ると
気分が上がる。
そんなキラキラした可愛い指輪。
私まで美しく誇らしくしてくれる
そんな指輪です。
この指輪は新婚の時から
同じものだけれど
外していた頃の自分さえも
肯定してくれているよう。
今の私にとってのこの指輪は
自分をちょっと好きになれる
アクセサリーになりました。
ロマンチック好きに戻った私だけれど、
私にとっては、
愛を測るものでも、
ロマンチックの象徴でもなくて、
ちらっと光るこの指輪が見えるたびに
かわいい。
きゅん。
って心が動く。
そんな自分が愛おしい。
そう思える大好きな指輪です。
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