1月のキュイジーヌ・デザミ講座にて | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

1月は寒いので、蕪のスープから。

玉ねぎを炒めて、蕪を投入。

水だけでもおいしいスープが出来上がります。

 

ただし、煮詰めが足りなかったり、

仕上げの牛乳を入れすぎたりすると、

うすーい味に。

このあたり、レシピの数字ではなかなか伝えきれず、

ちょっと薄めかな・・。

伝わるようにレシピを書くのは

何年やってても、難しいと実感しています。

 

 

さて前菜はブルゴーニュ種のエスカルゴで

クルスタッドに。

 

クルスタッドcroustadeはプロバンス語の

crousto (殻、皮)から出来た言葉なのだそう。

パイなどの容器にお肉や魚、甲殻類を詰めた料理のことです。

今回はブルゴーニュ種のエスカルゴに、エスカルゴバターを乗せて、焼きます。

 

 

 

 

 

 

エスカルゴは冬眠するので、ちょっと土っぽい独特の風味がありますが、にんにくとパセリいっぱいのエスカルゴバターを乗せて、

かおりよく仕上げます。

 

簡単じゃないなあといつも思うのは

にんにくのみじん切りの大きさとオーブンの時間によって

香りが飛びすぎたり、逆に生っぽかったりすることキョロキョロ

シンプルながら、なかなかに難しいものです。

 

たぶん初めて召し上がった生徒さんもいらっしゃるようで

大丈夫だったでしょうか?

 

 

さて主菜は

鶏のフリカッセ、ポルチーニ茸風味

fricasée de volaille aux cèpes

フリカッセは、煮込んだ最後に生クリームで白く煮上げた料理のこと。

今回はポルチーニ茸の乾燥を使って、さらに旨味をアップさせました。

 

 

 

 

 

 

 

 

イタリアのポルチーニ茸は、フランスではセプcèpeと言いますが、

ポルチーニなら乾燥品が日本でも普通に手に入るので、ときどきカジュアルフレンチ講座では使っています。

(でもじつは干し椎茸でもできます)

 

焼いた鶏をフォンと白ワインとポルチーニの戻し汁でほろほろっとするまで煮込み、ポルチーニと煮汁をちょっと煮詰めてできあがり。

ホロホロ過ぎて、不用意に持ち上げると、ぼろっと崩れる場面も!

 

なんとも滋味深く、旨味がいっぱいで、大好きな料理の一つ

煮込みの中では、私のナンバー1かもしれません。

添えるピラフがまた絶品。

フランスの、温かな家庭の夕食の風景が広がります。

日本だったら、寒い冬の日に、家族でホワイトシチューを囲むようなイメージでしょうか。

 

 

さて、こんなとき、あんまりやらないほうがよいことが1つ。

ぼっこぼこに沸かし続けると、お肉の内側から水分が飛びでて、ぱさっとしてしまいます。

さらにぼっこぼこだと分解してしまう旨味もあるのです。

だから、ぽこぽこくらいの煮加減にいたしましょう。

 

 

デザートはチョコレートムース、柚子の風味で

 

中には、柚子のジュレを忍ばせて、

カットしたら、中からどろっと流れ出るようにしてみました爆  笑