コンポートとシロップ煮の違い | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

私たちは、コンポートというと

「果物の丸ごとをシロップ煮にしたもの」

となんとなく思っていますが、

 

じつはフランス人にとってのコンポートはちょっと違います。

これはアプリコットのコンポート

compote d’abricot

 

刻んであって、それほど甘くなく、

ジャムの手前という感じ。

(このマテルネ社の製品、あっさりで、アプリコットの風味もちゃんとあり、とてもおいしいです!)

 

では私たちがコンポートだと思っている丸ごと煮は?

 

これはシロップ煮 peches au sirop

 

昔学校で習ったりんごのタルト用の

「リンゴを薄切りにして、砂糖とレモン汁で煮たもの」を

なぜ、りんごのコンポートというのだろう?

と長年うっすらと疑問に思ってきましたが、

最近になってようやく分かりました。

 

私のお菓子の辞書にはコンポートは

「くだものを丸ごと、あるいは刻んでシロップで煮たもの。日保ちはしない」

とありますが、

 

フランス人にとっては、刻んでシロップで煮たものがコンポートなのだそう(つまり冒頭の写真のほう)。

丸ごとをシロップで煮たものはシロップ煮です。

 

ただし昔はフランスでも、丸ごともコンポートと呼んだそう。

もしかすると昔の呼び方のほうが、日本にそのまま残ったのかも、と思っています。