濃厚ガトー・オ・ショコラ 1月の製菓連続講座にて | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

1月23~26日
製菓連続講座にて
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キャラメル・ブール・サレとチョコレートのタルトレット




今月は 寒いので、重たいチョコレートケーキを作ろうと思います。
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ガトー・オ・ショコラgateau au chocolat

使ったチョコレートはバローナの「クール・ド・グアナラ80%」
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通常のグアナラ70%に比べて、強い味や香りのチョコレートです。
クールcoeurとは心臓のこと。つまりグアナラの心臓部を取り出したようなチョコレート、ということでしょうか。

ココアは油脂分(カカオバター)と固形分からなりますが、チョコレートの味や香り、個性を決めるのは、大半は固形分によるものです。このチョコレートは通常とは違い、固形分を増やしてあるのだそうです。
袋を明けた瞬間、ふわっと花のような、強く華やかな香りがたちます。

かなり濃厚でどっしり重たいチョコレートケーキだと自分でも思いましたが、とある生徒さんのお家では幼稚園の坊やが、「パパの分まで食べてしまいました!」
とのことで、びっくり。
生まれた時からこの子を知っていますが、バローナのチョコレートやら、ママの手作りのチョコレートケーキばかり食べて育っているため、大人顔負けのグルマンです。
私が心の底からおいしいと思えるまでに半年かかったフランボワーズも、大人になってから初めて食べた超すっぱいカシスも、あたり前のように「おいしい!」と言うのだそうです。

うちでは彼をスイーツ王子と呼んでいます。さらにはほかにスイーツ王女様もいるのです。
味覚の経験値が高いというのは、素晴らしいことです。たくさんの未知なるものも、抵抗なく受け入れられる素地がある、ということ。
しかし・・・彼のこの先がちょっと心配。

もう一つはキャラメル・ブール・サレを流したチョコレートのタルトレットです。
ココアのシュクレ生地にキャラメルを流します。本来ブール・サレbeurre sale(有塩の発酵バター)を使いますが、お菓子に使えるものがあまりないので、発酵バターにゲランドの塩の花を散らします。キャラメルにインパクトが与えられます。噛んだとき、ぐにゅっと来るけれど、流れないような固さに設定しています。

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ココアのビスキュイを置いて、仕上げます。


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おまけは
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洋梨の赤ワイン煮 poires au vin rouge

フランスでは定番のデザートに、バニラのアイスクリームを添えて。
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今の時期の洋梨は、そろそろ味や香りに力がなくなりつつあり、年末までにしたほうがよかったみたいです。