抵抗するワタリガニ 1月の料理基礎講座で | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

1月17日18日
1月の料理基礎講座にて

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ちりめんキャベツ chou vert

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再び「カリフラワーのカヌレ cannele au chou-fleur」
連続講座ではカリフラワーがピュレ状になったことで、たこ焼きっぽい食感になったので、今度はカリフラワーをざっくり潰してカヌレに戻しました。
「でもこれ、たこ焼き器で焼いて、『タコヤキ・オ・カリフラワー』にしたら、お洒落かも!」
という意見がでて、大盛り上がり。
確かに。オーヴンで焼くより、一層外側かりっ、内側ふわっになりそうです。
大阪的素敵なアミューズ・ブッシュになりそう!


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家島産ワタリガニ

前菜はワタリガニのビスクbisque d'etrille
ビスクは甲殻類の濃厚なポタージュのことで、繊細さ、滑らかさにおいて、生きているものを使うことが望ましいとされます。それこそがビスクの持ち味なのです。
というわけで・・・

まず活きているワタリガニを、慎重によく洗い
(前回、手を挟まれた生徒さんがあって大騒ぎになったので、今回はゴム手袋で)
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蟹も必死なので、はさみで水道管をひっしとつかんで抵抗中。
いつものごとく、「美味しく頂きますので、成仏して下さい」と拝んでから、潰します。

よく炒め、トマトやフュメ、香味野菜も加えて30分ほど煮出します。

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濃厚、かつ繊細。豊かな味わいのポタージュになりました。
しかし存在としてはとても地味。これだけの液体を取るのにかかる原価といったら!
(ワタリガニだけで、8人分、3杯1.2kgで9000円!!)
買い物をするとき市場では毎回、めまいがします・・。しかしそれだけの価値のある味だと思うので、やはりやめることができないのです。今年も存分に堪能しました。
渡りガニは濃厚なだしがでます。もったいないので、一度煮出した殻にはもう一度水を入れて、2番だしまで取り、リゾットにします。

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オーヴェルニュ地方の料理、シューファルシー・ブレゼを作ります。
フランス版ロールキャベツといったところで、ちりめんキャベツの中には豚肉から作ったファルス(詰め物)を詰め、もとのキャベツの形に戻していきます。

小さい球で作って、小さいココット鍋で作ってもきっと可愛くできることと思います。
蓋を開けた瞬間の驚きを想像するだけでも楽しくなってしまいます。


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世界各地にロールキャベツ的な料理はあるそうで、もともとはトルコの「ドルマ(ぶどうの葉にお肉を包んだもの)」なのだそうです。フランスのシューファルシーから日本のロールキャベツが来たというわけではないでしょうが、根っこは一緒ということかもしれません。

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本日のワインは、オーヴェルニュに近いところでリム-Linouxの赤を添えました。

デザートは、
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チョコレートのムースmousse au chocolat、オレンジの風味で

レストランでもビストロでも家庭でも、フランスの定番ともいえるデザート。
家庭で作るときはどんと大きな深皿に作ります。
チョコレート中のココアバター自体が自分で固まる力を持っているため、ゼラチンは使わずに固めていきます。
本日使ったチョコレートはヴァローナのグアナラ70%
合わせる生クリームは35%なのか47%で、できあがりのムースの食感や軽さが全然違ってきます。