明日の仕込み フォワグラとびっくりパン | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

料理連続講座のために仕込みをします。
1月は少しトレトゥールtraiteurの要素を盛り込みます。今年のクリスマスや来年の新年会のために!

トレトゥールとはパーティ用の仕出し料理のことで、フランスでは料理人ではなくて、お菓子職人の範疇です。上等のお菓子屋さんはトレトゥール部門を持っていることがよくあります。ただしたいていは受注生産ですから、お店に並ぶことは基本的にはあまりないと思います。ダロワイヨやルノートルなど大きい規模のお店には毎期必ずトレトゥールの写真付きパンフレットがでますし(美しいので必見!)、フォーションならいつでもウインドウに並ぶのが見られます。


さて今回は明日の授業のためにパンシュープリーズpain surpriseを仕込んでおきます。シュープリーズとは、驚きという意味。つまりサプライズといったところでしょうか。
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ライ麦入りのパン・ド・カンパーニュの生地を作り、発酵。型を持っていないので、セルクル2つを重ねています。ずれたら大変なので、慎重に。


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上にはパート・モルトpate morteで飾りを作って、乗せます。これは「死んだ生地」という意味で、つまりはイーストを入れないで作る、飾りパン用の生地です。(もちろん食べられますが、おいしいものでもないような・・)
麦の穂、バラ、ぶどう、編み込んだカゴなどなどいろいろなモチーフがあります。

何にしよう?
麦の穂を作り始めたのですが、しばらくぶりに「こんなのだったっけ?」などと思いだしながら、こねこねと20分。
はっと気がつくと、麦の穂というよりも、アスパラ・ソヴァージュみたいに。

これは焼いたあと一晩寝かせて、翌日中身をくり抜いてサンドイッチにして、また元に戻します。蓋を開けたら中から思いがけずサンドイッチがでてくるので、「サプライズパン」ということなのです。私はびっくりパンと呼んでいます。
なんとも楽しくて、大好きです。お持たせにも持ち寄りパーティにも最適なのです。


さてもう一つの仕込みはフォワグラのコンフィconfit de foie gras
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一晩コニャックやポルトーでマリネにしたフォワグラを、ぎゅうぎゅうと円柱状に丸めます。

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ガチョウの脂graisse d'oieでコンフィに。さらに一晩冷蔵庫で寝かせます。
きれいな色のコンフィになっていますように。