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「たまねぎのジャム」をいただきました。高知のビオマルシェで買ってくださったものだそう。材料は玉ねぎに粗糖、酢、りんごジュースに塩、黒胡椒。あっさり上品に甘く、素敵です。味も材料そのままのまっすぐなもので、食感がきちんと残りぐずぐずに煮込まれていないところがまたおいしいのです。黒胡椒がぴりっとアクセントになり、上手に全体をまとめている感じ。パッケージもまた素敵です。
さて今回はこれをアミューズに使ってみました。セロリのクラッカーにブルーチーズと一緒に乗せてみました。ポルトー酒を発泡水で割ったものを添えて。
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モリーユ茸の乾燥をテリアン先生から送っていただきました。日本で買うと目の玉が飛び出るくらいに高いのです(500gで2万円近い!)。「僕のことを思い出しながら料理するように」とのメモ付きです。こんなことがさらっと言えるのは、やっぱりフランス人!
さて今月はこれをおいしく料理して、先生を思いながら料理を頂きたい・・。考えに考えて平目でモリーユ風味の温かいテリーヌを作り、これをよりおいしくいただくためにオマールを使うことにしました。
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オマールを潰してヒュメを取ります。
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ところでオマールは雄のほうがおいしいのか、雌のほうがおいしいのか諸説あり、なんとか確かめたいのですが、その前にどうやって雌雄を見分けるか、が長年(?)の課題でした。
雌のほうが卵を抱く関係上、尾が丸みがあって大きいといい、プロはぱっとみて分かるそう。ただし私たちには、何となくそうかなあ、としかわかりません。
決定的な違いを業者さんに聞いてよくよく見ると・・・、胴の付け根にパドル(うすばかげろうの羽のようなもの)を発見! ただし料理するとどちらがどちらか分からなくなってしまうので、いつかは茹でて丸かじりをして、おいしさを味わい分けてみたいものです。
平目のすりみを作り、モリーユとオマールの身、蓮根を入れて温かいテリーヌにしました。オマールのソースを回しかけて、ベルモット酒味の白い泡を作って散らしました。
オマールを食べるのはいつもあっという間。食べ終わってから、「あ、テリアン先生!」
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パリで買ってきたバスマティ米(4.22ユーロ/500g)です。バスマティはインド、パキスタンが原産で、ヒンドゥー語では「香りの女王reine du parfum」を意味する香り米です。香りを強めるために、収穫の後さらに1年寝かせてから使うのだとか!(日本では古米の扱いなのに、文化が違うとは本当に不思議です)。フランスではタイ産の香り米と並んでよく使われます。ものすごく長くて細いお米です。
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オマールに添えました。皿としては完成していえるので、さらなる添えは不要なのですが、でもやっぱりオマールのソースにはピラフが欲しいし、何より久しぶりにバスマティライスがどうしても食べたかったのです。よってなかば強引にオマールの添えに。かなりぽそぽそしていました。
つぎはメインの黒豚のコンフィです。
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黒豚のシールがあまりにブラックに可愛いので写真を撮ってしまいました。
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これを一晩塩をかけて寝かせ、翌日にオリーブ油でゆっくりとコンフィにし、網焼きにします。
コンフィは普通は鴨やがちょうの油で行いますが、オリーヴでコンフィにするとあっさり上品に仕上がります。でもきちんとコンフィの独特の風味が生まれてきます。
コンフィとは脂肪(今回は油)の中で低温でじっくり火を通したものです。コンフィの利点は水には溶け出てしまう旨味成分が油には溶けないため、おいしさがキープできること。じつは水で茹でるより、油の中で火を通したほうが効率よく脂肪が抜けていくこと。そして少しずつお肉の中の水分は蒸発するため、結果的にうまみがさらに凝縮することの3つです。
コンフィは思うほど油ぎった料理ではないのです。今回はオリーヴ油なので、エクストラヴァージンの香りも漂います。
そもそも保存食ですから、きちんと塩をするべきものですが、今回は軽めに設定しました。タイム塩を添えるからです。
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これは飽和食塩水にタイムの枝を4,5日漬けておき、塩の結晶がタイムについたら引き上げて乾かしたもの。これをコンフィに散らしていただきます。
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さて野菜のグリルを添えて完成。エストラゴン風味のマスタードを添えます。
しめくくりには、家庭的なデザート、マロンとチョコレートのシャルロットを。
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ビスキュイにガナッシュを塗ってくるくると巻き上げ、これをシャルロット型にはりつけます。中にはマロンのムースを詰め、秋に作っておいた栗のコンフィを散らします。
素朴ですが、なかなかに手の込んだ(というか、手を焼かせられる)デザートです。でもなんとも愛らしく、作るのが楽しいデザートでもあります。チョコレートのアイスクリームとフランボワーズを添えました。
今回は、オマールの雄雌が判明して、ほんとに「やったあ!」という気持ち。私がどうしても分からなかった違いを、下ごしらえをしながら丹念によく見て発見してくださったのは生徒さんです。どうもありがとうございました!
いつか食べ比べに向けて・・。