プラリーヌの発祥の街、フランスのロワール地方モンタルジーへ行くことにしました。
プラリーヌって?
フランス菓子がお好きな方なら、プラリネpralinéというペースト状の素材をご存じでしょう。これはアーモンドやヘーゼルナッツにキャラメルがけして砕き、ペースト状になるまでローラーにかけたもの。(自分で作ることもできます) このプラリネのもととなる、「キャラメルがけしたアーモンド」をプラリーヌpralineとよびます。そのままボンボンとして食べたり、ケーキの飾りに使ったりもします。
発祥のモンタルジーMontargisはパリから電車で1時間半ほど南に行ったところにある街です。運河が街を走り、美しいところ。国鉄のモンタルジー駅から歩きます。
![$塚本有紀のおいしいもの大好き!](https://stat.ameba.jp/user_images/20101231/22/yukitsukamoto/c5/52/j/t01400187_0140018710953919540.jpg?caw=800)
運河にかかる橋を渡り、
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おいしそうな洋梨を横目に、
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こんなに素敵な家の前を通り、
街の中心を目指すこと15分くらいで、ミラボー広場に到着します。
ミラボー広場にあるのが、糖菓屋のマゼです。
![キャンディ](https://emoji.ameba.jp/img/user/ko/koyuringo/910992.gif)
place Mirabeau
Montargis
http://www.mazetconfiseur.com/
昔むかしプレシ・プララン伯爵Comte du Plessis-Plaslin(1598~1675)が、王党軍の指揮者としてボルドー市へ入城できなかった時、話し合いのためにボルドーの幹部をモンタルジーへ招いて宴会を催したのだそうです。そのとき料理長が鍋に残っていたカラメルにアーモンドを入れて作ったデザートを、伯爵の名前プラランにちなんでプラリーヌと命名し、好評を得たのだとか。
プラリーヌを砕いたもの、あるはペースト状にしたものはプラランpralinと呼ばれるようになったそうです。これはプラリネと同義で、今では圧倒的にプラリネと呼ぶことのほうが多いと思います。今もこの流れを汲むコンフィズリー(糖菓屋)がこのマゼMazetなのです。
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これがマゼのプラリーヌ。発祥のプラリーヌはがりがり素朴でおいしいのです。
じつはモンタルジーに行けば、あちこちのお菓子屋さんで競うようにプラリーヌを作っているに違いないと楽しい想像を巡らせていました。ところが出発前にモンタルジー市のホームページをチェックしましたが、どこにもプラリーヌの文字さえなく・・・。
発祥の街なのに、このマゼしかない、というのが行ってみて分かったこと。しかし店内はシックで美しく、老舗の風格が漂います。銘菓のプラリーヌは一般的な呼び方であるPRALINESではなくPRASLINESと表記されています。材料はアーモンドと砂糖、ヴァニラとアラビアゴムのみ。375年間オリジナルのレシピを守り続けているとお店のパンフレットには書かれています。
プラリーヌ以外のコンフィズリーも素晴らしく上質なものばかりでした。アーモンドのチョコレートがけはもちろんのこと、ヘーゼルナッツのミルクチョコレートがけやオレンジピールの香りのするもの、ジャンドゥージャで包んだもの、生姜のコンフィをチョコレートでかけたものなどいろいろでしたが、とくにヘーゼルが秀逸。端から試食させてもらいました。
この手のお菓子はどこにでも売っているし、誰が作ってもそれなりにおいしいものですが、マゼのものはナッツの選定、煎り加減、微妙なチョコレートのかかり具合や種類の変え方などさすがに吟味されたものであることが実感できます。
じつはパリの16区にもお店があり、さらに言うならシャルルドゴール空港の中にも売り場があります(今回帰りに初めて知りました。遠いところまで行ったのに、ちょっと複雑。でもこれからはいつでも買えます!)。
お土産にも最適。(添える言葉は「これはね、フランスで最初にできたプラリーヌなのだよ!」です)
さてマゼの面するミラボー広場には、サント・マドレーヌ教会があります。
この教会にあったステンドグラスが、この街でもう一つのおもしろかったものです。
![$塚本有紀のおいしいもの大好き!](https://stat.ameba.jp/user_images/20101231/22/yukitsukamoto/55/9c/j/t02000150_0200015010953921048.jpg?caw=800)
こういうノーマルなステンドグラスの中に、
![$塚本有紀のおいしいもの大好き!](https://stat.ameba.jp/user_images/20101231/22/yukitsukamoto/44/79/j/t01400187_0140018710953957505.jpg?caw=800)
「日本で布教するフランシスコ・サビエル」のステンドグラスが!
同行者がテレビ番組で見たからと、教えてくれました。
着物の女の人、ちょんまげの町人、お侍さん(ちょっと今流行のゲームに登場しそうな出で立ち!)に向かって、後光のさすザビエルが布教している様子です。なんだかとても不思議で興味深く、思いがけず美しいものを見せてもらいました。
パリに戻ってきました。
ビル・アケムの橋のあたりより、ちょうど00分のエッフェル塔のきらきらを。