お茶のいただきもの いろいろ | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

2010年12月

年末に、お茶をいろいろいただきました。

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まずは新年を迎えるための「大福茶」、宇治の小山園のものです。
大福茶とは新年をめでたく祝い、元旦に一家でこれからの一年の健康を願っていただくお茶のこと、と書かれています。もともとは仏様に備えたお茶で、お下がりをいただくということで縁起がよいのだとか。来年の幸せを願いながら、年末からすでにいただいてしまっています・・。さわやかで清らかな味わい。



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こちらは鹿児島のお土産。島津の仙巌園の中だけで売られている貴重なものらしく、素敵な缶に入っています。
仙巌園 http://www.senganen.jp/
有機JAS認定で、2009年Great Taste Awards で星を三つ獲得したラベルもついています。
薩摩藩と紅茶のつながりは、幕末に紅茶を海外に販売し、その利益で海外へ留学生を派遣し、逆に海外の物産を輸入して近代化を図ったことにあるのだそう。薩摩藩が英国に留学生を派遣したのは1865年と書かれています。
水色は濃い茶色で、味もしっかりしています。今まで飲んだ国産の紅茶の中でもっともおいしかったものの一つかもしれません。
戦前まではじつは紅茶の茶葉は日本の重要な輸出品だったと聞いたことがあります。一時ほとんど廃れてしまいましたが、最近は日本のいろいろなお茶の産地で紅茶を作り始めているようです。
お土産をくださった方も、ここ数年鹿児島に足を運ぶ度に国産紅茶の数が増え、今回はどこのお茶屋さんにも緑茶と同様に紅茶が必ず並んでいたとおっしゃっていました。
ゆっくり時間をかけて抽出し、少しだけ温度が下がったところで飲むと、微かながらはっきりと花の香りが感じられます。やはり上質であると感じました。残念なのは、そのことに気づいたのが最後の一煎だったこと!



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さて3つ目に、興味深い製品を。
これは富山県黒部市の紅茶販売店グレイスピースのダージリンです。
www.tea-break.ne.jp
「なんだか不思議なのです」
と、生徒さんからいただきました。何が不思議かというと、ものすごく強いマスカットフレーバーがあるのです。まるで人工の香料を添加したかのような。
しかしお店の方がおっしゃるには、独自の製法によりダージリンの茶葉から引き出した味や香りであり、人工ではけっしてないというのです。
みんなで興味津々で飲んでみました。思わず「えぇ、香料を添加してますよね?」とどうしても言いたくなる味。それはダージリンファーストフラッシュにあるようなマスカットフレーバーではなく、あめやガムにあるようなとても人工っぽい香りなのです。(ただし人工にあるようなとげとげしさはなく、丸みを帯びています)
もっとも本物のファーストフラッシュの香りをマスカットフレーバーと表現する以上、やはりマスカットと共通の芳香成分が含まれているのかもしれません。しかしぶどうのマスカットの香りと人工香料のマスカットフレーバーは、私にはそもそもかなり別物と思われます。
この強い香りが天然って?? 何度味わってみても、よく分かりません。こうなったらもうご店主に根堀葉堀聞いてみるしか手はないのかも!? ものすごく会って話しを聞いてみたいと思っています。