クリスマスの贈り物、いろいろ | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

12月18日

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クリスマスのテーブルにと、芦屋アイロニーの素敵なお花をいただきました。赤いクロスに映えるように、白い花でまとめてくださったそうです。
バラやカラー、スイートピーに、ユーカリやヤドリ木が添えられています。食卓がぱっと華やぎ、心豊かな気持ちになれます。



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日本のグレープフルーツをいただきました。姫路育ちです。
以前私が「日本の気候条件ではグレープフルーツが育たないらしい」と話していたのを覚えていてくださった方があったのです。なんでもその方の上司が、子供の頃グレープフルーツから出てきた種を庭に植え、そのまま何十年もかけて大きく育ったものなのだとか。ですから、これは商業的に育てられたものではありません。
私は5月6月になると狂ったように毎日グレープフルーツばかり食べてしまうのですが、一方では輸入のために使われる防黴剤のことが頭を離れません。だからずっと「国産のグレープフルーツがあったらなあ!」と思い続けていたのです。最近はアメリカからノンケミカルのものも輸入されていますが、そうそうは手に入りません。ですから、これは飛び上がるくらいにうれしい贈り物。おまけに無農薬(というより、放りっぱなし状態)。
皮からは微かに、でもたしかにグレープフルーツの香りがします。喜びいさんで皮を剥いて食べてみると・・・、すっぱい! 苦い! 飛び上がらんばかり。しかし今は旬ではないので、これはあたり前です。
味や香りはというと、なんだか懐かしいような・・・、よくよく考えるとそれは夏みかんや八朔に通じるもののような。
やはり日本の地に何十年もいると、味はどうしても日本のものになってしまうようです。どこからか夏みかんの花粉が飛んできたのかもしれません。
農産物というものは、まず品種ありきではなく、風土があってこそはぐくまれる固有の味なのだとつくづくと感じました。
日本の柚子もフランスで育てたら、いつか「おフランスの香り」になるのかしら。
<後日。大事なので皮をコンフィに>$塚本有紀のおいしいもの大好き!




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こちらの美しい野菜は、丹波で農家民宿をしている方から頂いたもの。緑、紫、紅芯大根です。中まできちんときれいな色が入っていて、ため息がでるほどの造形美。
スティックにして、フランスで買ってきたマスタードをつけて頂いてみました。水分が口の中ではじけ飛びます。どれも少しずつ味が違い、辛みも違い、楽しい経験でした。料理講座のアミューズ・グールにしました。



東京にいる妹がモンドールを送ってくれました。
$塚本有紀のおいしいもの大好き!-モンドール

モンドールMont d'orはフランスのフランシュ・コンテ地方のチーズで、AOP(原産地保護名称)を持っています。意味は「金の山」。エピセア(もみの木の一種)の木の皮で巻かれた状態で木箱で売られ、チーズからはその木の香りが漂います。とろとろのモンドールはスプーンで掬って食べるのが醍醐味なので、大きいサイズのよりははるかに小さいほうが楽しいものです。小さいほうが風味も強いとされます(エピセアの香りが浸透しやすいということでしょう)。
日本ではクリスマスやバレンタインの頃にさかんにもてはやされますが、じつはおいしいのは10月だという話しもあります。それは夏草を食べた牛の乳から作られるから(他の季節は干し草)。とはいえやっぱり気分的にクリスマスの頃に食べたくなるチーズであるのも確かです。値段も相当に素敵ですから。