ニオールをでて、シャラント・ポワトー鉄道TERに乗り換えてコニャックに向かいました。コニャックは街の名前であり、同時にその地の産物である蒸留酒の名前でもあります。
お菓子にも料理にも頻繁に登場する、最上の蒸留酒コニャック Cognac
たとえばお菓子だったら、チョコレートやマロンと頻繁に組み合わせますし、料理ではフォワ・グラのテリーヌや甲殻類系のソース、たとえばアメリケンヌを作るときには必須です。
フランス菓子も料理も!と欲張る私には、コニャックは必需品。高い香りはもとより、どことなく甘美な響きがあり、長い間行ってみたいと思っていた街でした。
コニャックはシャラント地方にあり、ニオールからは電車で2時間ほど。今回は途中で乗り換えてautocarという名のバスに乗り換えて、向かいました。
![$塚本有紀のおいしいもの大好き!-コニャックへの道](https://stat.ameba.jp/user_images/20101216/23/yukitsukamoto/05/18/j/t02010150_0201015010921957828.jpg?caw=800)
バスからは、コニャックの原料となるぶどうの畑が見えます。お天気もよく、眠たくなるような気分。
街に着いたら、ひとまず観光事務所office de tourismeに向かい、カーヴツアーをしている会社を探します。
カミュやヘネシー、レミー・マルタンなどなど有名な会社がいっぱいですが、土曜日も開いているオタールOtard社へ行くことにしました。時間によってフランス語と英語のツアーが選べます。
1時間半のツアーで8.5ユーロ
![$塚本有紀のおいしいもの大好き!](https://stat.ameba.jp/user_images/20101216/23/yukitsukamoto/98/6d/j/t02000133_0200013310921957824.jpg?caw=800)
オタール社の前庭。
あたり一帯はこんな石造りのシックな様相です。コニャックという街の名は、すでに1030年には文献に登場するらしく、古い歴史のある街です。
オタール社は城壁のあるコニャック城の中に作られていて、もっとも歴史が古いメゾンの一つのよう。もとはフランソワ1世のお城だったものをオタール男爵が買い取ったことで、オタール社はお城の中にあります。
![$塚本有紀のおいしいもの大好き!](https://stat.ameba.jp/user_images/20101216/23/yukitsukamoto/f2/c0/j/t01400210_0140021010921957822.jpg?caw=800)
コニャック城の中で。
城内の石造りの部屋のあちこちの内壁は煤で真っ黒になっています。これが通常のワインの醸造とは一番大きく違う部分。
コニャックは白ワイン用のぶどうからワインを作り、これを2回蒸留させて作ります。今はアランビックという蒸留器がありますが、昔は火を燃やして蒸留していたことを改めて感じさせられます。
![$塚本有紀のおいしいもの大好き!](https://stat.ameba.jp/user_images/20101216/23/yukitsukamoto/a6/04/j/t02000133_0200013310921957823.jpg?caw=800)
コニャックの香り比べの部屋で。
手前から、花、ヴァニラ、ココナッツ、ヘーゼルナッツというように段階を経て香りの違いを聞きます。奥にはたくさんの木樽が積み重ねられて、熟成が進められています。
次の部屋ではオタールのコニャックの香り比べです。
V.O(Very Old)から、V.S.O.P(Very Superior Old Pale)やRéserve, Napoléonなどへと上のランクのものの香りを試します。
最後は2種類のコニャックの試飲があり、お土産売り場に通されました。重たいので買えませんが、とてもよい香りの記憶となりました。次には日本で買ってみてもよいかもしれない、という気にさせられます。
駅から街の中心はとても遠く、歩くこと20分以上。とぼとぼ歩いてもほとんどお菓子屋さんに当たりません。土曜日はとくにだめのようです。コニャックをどばどば使ったフルーツケーキとかボンボンとか、コニャックのアントルメがあるに違いないと勝手な想像を膨らませていたのに。
そうこうする間に駅につき、またバスに乗り、TGVに乗って、夜のパリに戻ってきました。