パリで見つけたもの | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

塚本有紀のおいしいもの大好き!

フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

デパートのボンマルシェ
Bon Marche/La grande epicerie Paris
38, rue de Sevres 7e

隣にある食品館はとても素敵なものであふれています。
夜は9時まで開いていて、おみやげ探しにも最適。授業に使えるものもいっぱいです。

$塚本有紀のおいしいもの大好き!-リ・オ・レ・ローズ

これはリ・オ・レのセット。お米の牛乳煮を作るキットです。

リ・オ・レはお米に牛乳と砂糖を入れて煮たもので、日本人にはびっくりですが、フランスでは伝統的な家庭のデザートです。最初に食べたときは喉の奥が若干「うっ」となるような気持ちでしたが、今はおいしく食べられます。
フランスでは料理にはriz long(長粒米)を使いますが、デザートにはriz rond(丸粒米)を使います。ぱっとみたところ、丸粒米は日本のお米と変わりません。フランス人にとってお米は野菜や穀物の一種に過ぎないので、肉料理の付け合わせにも、サラダの具にもなりますし、砂糖と一緒に牛乳で煮ることも問題ありません。
リ・オ・レなんてあたり前なものを、素敵なものと組み合わせて、ちょっと素敵な商品にしてしまう。フランスはそういうのがじつに上手で、やるなあ、という気持ちになります。
これは「rose d'amour(愛のバラ)」、バラの蕾の砂糖漬けやローズ色の砂糖とお米が入っています。あとは牛乳を加えてことこと煮るだけ。たったこれだけのものなのに、何とも素敵です。
奥に見えるのは、塩バターキャラメルバージョンですが、使われているバターはその辺のものではなく、AOPのついたイジニーIsigny産。
小憎らしいほどだなあ、と感心しながら、うかうかと2セットも買ってしまいました。他にはパイナップルとココナッツ、生姜など。あやうく全部買いそうに!

$塚本有紀のおいしいもの大好き!-バラのリ・オ・レ

煮てみるとこんな風に。
淡いバラの香りで、もったり甘いものです。しかし人工的な香りは一切せず、まるで天然のローズウォーターを食べているよう。きつすぎず弱すぎず、その組み合わせ加減は絶妙。ふたたび、やるなあ・・、と言わざるをえません。


デパートのギャルリー・ラファイエットの
ラファイエット・グルメ
Lafayette gourmet
48、bd Haussmann 9e
でボルディエのバターを買いました。$塚本有紀のおいしいもの大好き!
包みを開けてみると、あまりに黄色くてびっくりです。とりあえずパリでおいしいバゲットにいっぱい塗ってその乳酸発酵の風味を楽しんだら、また包み直して持って帰ってきました。
ナイフで切ると若干もろっとしますが、風味豊かでおいしいものです。

ボルディエのバターは、ブルターニュでジャン・イヴ・ボルディエJean-Yves Bordierさんによって選び抜かれた上等のバター。
www.lebeurrebordier.com
伝統的なバラットBaratteで作られたものです。バラットとは、生クリームからバターを分離する木樽のような手動の道具のこと。ステンの機械よりバラット製は上質なのでこの場合包み紙には必ず表記されます。
街の上等のクレームリー(乳製品専門店)や食材にこだわるレストランにもおいてあります。おもしろそうだったのは、sel fumé(燻製の塩)とyuzu(柚子)風味の二つ。
まずはプレーンをみなさんに食べてほしかったので、これらは次回に回すことにします。