
昨日の記事の続きです。
先の記事をご覧になっていない方は、
まずはこちらからどうぞ↓
ーーーーーーー
中国料理研究家のウー・ウェンさんと共にラジオ出演していたのが、イタリアン有名シェフの落合務さんだ。
名前だけでは分からない私みたいな素人でも、顔を見たら、あ!知ってる!ってなる落合さん。
彼がラジオで話してくれた。
私たちがパッと思い浮かべる食用油と、オリーブ油との決定的な違いについてがこちらである。
「日本人が思い浮かべる油って、
種をしぼって作るんです。
ゴマ油とか、ナタネ油とか。
でも、オリーブ油は実をしぼって作ります。
つまりオリーブ油は、
油というよりジュースなんです。
だから、他の油とは使い方が少しちがう。
パンにそのままつけちゃえるし、
サラダにそのままかけちゃえるのも、
オリーブ油がジュースだから。」
なーるーほーどー!!
とこの話もまた、すごく印象に残っている。
昔、アヒージョがオリーブオイル「煮」だと知った時に衝撃を受けたが、あれもオリーブ油がジュースだからできることだったんだな、と。
こういう理屈が頭に入ってるだけで、それぞれの油を使うタイミングも、ここかな、と思いつきそうだ。
オリーブオイルはジュースなんだから、サラダにドバッとかけるのも納得。
バゲットにつけちゃえるのも納得。
料理に大量投入してもなぜか普通に食べちゃえるのも、全部納得だ。
私の料理の腕は大して上がってはないが、こんなふうに豆知識だけはちょいちょい増えてきている。
ただの頭でっかちになりそうなところだが、私の場合がそれが(キライな)料理へのやる気にもつながるから、理屈や情報は積極的に入れると良さそうである。
ワーママ時代は、仕事の知識をこれでもかと詰め込んでいた。
その知識量が仕事のパフォーマンスに直結した私、専業主婦が仕事になった今は、家事の知識を詰め込んでいる。
さて、「野菜を油で洗う」の、ウー・ウェンさんの話に戻る。
彼女は、1990年に来日してからもう20年も、「太白ごま油」、特に「マルホン」というメーカーのものを料理に使い続けているらしい。
ごま油には2種類ある。
ひとつは、ごまを焙煎してから圧搾する、茶色いごま油。
もうひとつは、生のごまを圧搾したごま油。
後者を「太白ごま油」と呼び、ふつうのサラダ油みたいな色をしている。香りはほぼ無く、変なクセもないが、うま味やコクはあるらしい。
ウー・ウェンさんは、サラダ油ではなくこの太白ごま油を調理に使っている。
日本に来てから、どうにも自分の作る中華料理が思う通りの味にならなかった彼女だが、油をマルホンに変えたらバシッと料理のピントが合ったとのこと。
「油は、うまみをつくる調味料」だとこちらの本にも載っていた。
「本当に大事なことはほんの少し」 ウー・ウェン
ウーさんが使っているマルホンの太白油も、写真付きで載っていた。
これを使うと、料理が一気に美味くなるという。
もうこれはぜひ使ってみたい…!
と、勢いで思わず買ってしまった。
スーパーで買ったが、
めっちゃ高かったぞ。
でもこれで、ただの野菜炒めがすごく美味しく作れるかもしれない!
……いや、もしかしたら私の腕ではやっぱり美味しく作れないかもしれないので、しばらく試してみて続けるかはまた考えよう。
食の何が恐ろしいって、舌が慣れてしまうことだ。
我が家では通常こめ油を使っている。少し前にサラダ油から切り替えた。
サラダ油から米油に変えたとき、風味のちがいに私は感動した。
揚げ物をしたら、ポン菓子のような甘い香りがする米油。
料理をするたびに感動していたはずなのだが、今ではそれが当たり前になって別になんの感動もない。
太白ごま油もそんなことになりそうな気がする・・・
なんでもかんでも「良い物」を使える家計状況ではないから、 ほどほどに楽しんでみようと思う。
なお、ウーウェンさんのこの本についてだが、表紙に「生活術」とある通り、レシピもあれば彼女のキッチンやリビング、服や財布まで載っている。
シンプルでめちゃめちゃ美しい暮らしをされていてびっくりした。
「使いきる」の有元さんもそうだったが、(→★)
料理の手際の良さって、整理整頓から始まるのかな…。
優しい語り口に癒されるウーさんの本、とてもいい本だった。
私も家の片付けと料理、同時並行でがんばろう。
★ランキング参加中★