
9歳の息子がいる。
彼は、人が作った食事に対して、決して「まずい」と言わない。
外食ではもちろん、料理下手な私が作った、我ながら不味いなと思う酷い料理に対しても。
不味いと言うのを我慢しているという様子でもない。その単語を口にする習慣がないらしい。
「まずい」ではなく、「嫌い」でもなく、では何というかと言えば、「うーん、ちょっと口に合わないかな〜」という言い方をする。
家では別に、まずければ不味いと言うてええねんでと私は常々言うのだけど、息子はまるで、「まずい」という単語がこの世に存在していないみたいに振る舞う。
先日もまた、私が不味いものを作ってしまった。
息子が食べてみたいと言うのでシジミの味噌汁を作ったら、砂抜きを失敗して、ジャリジャリの味噌汁に仕上がったのだ。
読んだだけで不味そうだろ?
砂は鍋の底に溜まるので、最初の2、3杯は大丈夫だった。
しかし、息子が食べた最後の一杯はどうも砂だらけだったらしい。
何をどう考えてもクソ不味いはずの、そのしじみ汁を飲んだ息子は言った。
「ちょっとこれは、最後まで美味しくいただけそうにないかな…」
いやもう、いっそまずいと言うてくれ!
9歳息子のオブラートに包み切った言い方がおかしくておかしくて、彼の「まずい」はいつ聞けることだろうかと、楽しみですらある。
(不味い料理を作らないようにできる限りの努力はしているつもりです)
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