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ユッコこと岡田有希子さんがのこしたうたのなかで唯一、冬の情景を感じる「二人のブルー・トレイン」について。もうすこし続けます。

 

この曲を作曲した杉真理(すぎ・まさみち)さん。ユッコさんの曲ではほかにも、慶大軽音サークルの後輩にあたる竹内まりやさんとのコンビで「ペナルティ」を手掛けています。杉さんの曲で多くの方が耳にしたであろうメロディーは、サントリーのCMソング「ウイスキーが、お好きでしょ」ではないでしょうか?近年もオリジナルアルバム「MUSIC LIFE」を発表するなど、デビュー40年を経てなお、精力的に活動されています。

 

実はわたしは高校生になった頃、ラジオで偶然聴いた杉さんのLP「STARGAZER」「MISTONE」収録曲にハマってしまいまして、エアチェックして繰り返し聴いていたんです。そのカセットを、高一の冬休みに青春18きっぷでひとり旅した、山陰〜北九州の廃止予定路線巡りのお供にしたくらい好きでしたね。

当時2000円弱で入手した携帯プレイヤーの音質は今思えばひどいものでしたが、ジャズ調のメロディーに杉さんの哀切なボーカルが印象的な「冬の海に」は、鈍行列車の車窓に広がった日本海と鉛色の空の記憶とともに、いまも耳に残っています。

それから30年以上も経って突然ユッコさんのファンになったわたしは、かつて愛聴していた杉さんとユッコさんとの関わりをはじめて知り、とても嬉しくなりました。

 

「二人のブルー・トレイン」はシングル「Love Fair」のカップリング曲ですが、かしぶち哲郎さんによるミステリアスな雰囲気の「Love Fair」とは異なる、いかにもアイドル歌謡然とした明るい曲調に仕上がっています。

でも〝もうあとには引き返せない〟〝二人だけの初めての旅〟といった歌詞を、竹内まりやさんが結婚を決め帰省した旅をもとに描かれた、シリアスなものに捉え直してみたら…杉さんのメロディーをアコースティックサウンドに寄せて、ピッチやキーも改めてアレンジした大人の「二人のブルー・トレイン」を聴いてみたい!と思ってしまったわたし。

 

未来へ向かって冬の海を背に疾走する夜汽車。期待と不安、緊張と弛緩の間を揺れ動くヒロインの心情が、ユッコさんのアルトの声域と見事に合って…妄想特急の暴走が止まらなくなってしまったのでした。

 

写真は本文とは関係ありません…たぶん。

photo by yukikostarlight