「ロボット・ドリームズ」
を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)
実はスニーク試写会で2か月半ほど前に一度観たのですが、あまりにも良い映画でどうしても観たくて応募しました。
ストーリーは、
大都会ニューヨーク。ひとりぼっちのドッグは、孤独感に押しつぶされそうになっていた。そんな物憂げな夜、ドッグはふと目にしたテレビCMに心を動かされる。数日後、ドッグの元に届けられた大きな箱。それは友達ロボットだった。
セントラルパーク、エンパイアステートビル、クイーンズボロ橋、ニューヨークの名所を巡りながら、深い友情を育んでいくドッグとロボット。ふたりの世界はリズミカルに色づき、輝きを増していく。
しかし、夏の終わり、海水浴を楽しんだ帰りにロボットが錆びて動けなくなり、ビーチも翌夏まで閉鎖されてしまう。離れ離れになったドッグとロボットは、再会を心待ちにしながら、それぞれの時を過ごす。やがてまた巡りくる夏。ふたりを待ち受ける結末とは。(公式HPより)
というお話です。
この映画、本当に良かった。セリフが一切無くて、音楽だけなんです。そして音楽も邪魔にならないような雰囲気で入っているので、音と絵から読み取れる感情だけなんですけど、それが凄く心に響いてくるんです。
友達がいなかった犬が友達が欲しくてTVショッピングで友達ロボットを購入するというところから始まります。組み立てたロボットは犬の友達になり、いつも一緒に行動し、いつも一緒にいました。どこへ行くにも一緒で、公園へ行けば一緒にローラースケートで”セプテンバー”をバックに踊ったりして、本当に楽しそう。この時から2人の好きな曲はセプテンバーになるんです。
そして海へ遊びに行きます。もー、この時にロボットだから海はダメだよーって心の中で叫んでいたんだけど、犬とロボットはそのまま楽しそうに海で遊び始めます。海に入って泳いだり、砂浜で寝転んだりと、本当に楽しそう。その後に何があるかなんて予想もせずに。
すると夕方になり帰ろうと犬が起き上がると、ロボットは起き上がれません。あー、やっぱりねー!と思いました。1980年代のニューヨークです。どう考えてもロボットは鉄で出来ているでしょ。少しアルミは使っていても、鉄だと思うのよ。そしたら海水に入ったら、直ぐに錆びと砂で動けなくなりますよね。何でロボットを海に連れてきたんだよ、犬!!と思ったけど後の祭り。
ロボットは1歩も動けず、起き上がりも出来ず、犬が引っ張っても全く動きません。錆びて砂や水を含んで重くなっているんです。もうこれは無理です。この時代ですから、携帯電話も無く、公衆電話から電話をしようにも線が切られていて使えません。仕方なく犬はロボットを置いて家に帰り、次の日に道具を持って連れ帰る予定でした。
そして次の日に行ってみると既に海は封鎖され、来年の海開きまで開かないという状態なんです。どんなに犬が入ろうとしても警察に阻まれ入れません。よくわからないけどアメリカって、海岸に忘れ物をして、それが高価なモノでも取ってくれないのかしら。ロボットが落ちていたら警察で拾得物として保管し、それを犬が取りに行くだけで良さそうなもんだけど、全く警察が拾わないのよね。ロボットなんて高価なモノだと思うんだけど。そして1年、放置されるんです。
ロボットは海岸でウトウトしながら幾つもの夢を見ます。どこからかボートが来てロボットにオイルを飲ませてくれて、あっと言う間に回復して犬の家に帰るという内容だったり、歩いていると沢山のヒマワリに囲まれてダンスをしたり、ずーっとしあわせな夢を観ているんです。
そんなロボットを廃品回収屋さんらしき人が拾ってスクラップ工場へ。何で犬は入れないのにコイツは入れるんだよって思ったけど、抜け道があるんでしょうね。そしてロボットは新しい道を歩き始めるんです。
この映画を観ると、それぞれに人生があっていつも一緒にいることも大切だけど、新しい自分の人生を見つけて新しい道を進むことも大切なのだということに気づかされます。犬はロボットと別れることになってしまい、凄く悲しむんだけどそれでも前に進もうと、新しい道を歩き始めます。一方、ロボットも紆余曲折あったけど、今自分が居る場所で新しい道を見つけるんです。
もちろん犬とロボットはお互いに思い合っています。でも、今の自分や周りの人も大切に思って、古い自分の人生を想いながらも新しい道をそれぞれに歩き始めるということは、それぞれにとって良いことなのだと思える作品でした。
例えば、凄く好きだった恋人と何か理由があって別れなければならなくなって、新しい人生を歩いてしあわせな日々を過ごしている時に、ある場所で懐かしい恋人の姿を見つけたらどうします?そこでやっぱりあの人が好きだったと、今の幸せを全て捨てて元恋人の所には行きませんよね。たとえ、お互いに気が付いたとしても、ちょっと挨拶をして別れるでしょ。そんな感じなんです。
少し前に「パストライブス 再会」という映画があったと思うけど、あれとはちょっと違うけど、相手の事を思いながらそれぞれの人生を歩くという意味では似ているかもしれません。
ホントに驚くんだけど、アニメの表情だけで気持ちが伝わってくるんです。構成も上手いと思うんだけど、これがアニメーション映画が初めてとは思えないほどスムーズに観ていられるんです。これは子供も問題無く観れるんじゃないかな。子供にこの切なさが理解出来るかは分かりませんが、映画を観ているだけでも楽しめる内容でした。
二度目の鑑賞ながらまたも最後に号泣してしまって、セプテンバーを聞きながら泣き笑いでした。寂しいけどそれぞれのしあわせな日々を大切にしようよねっていう気持ちが伝わってきて、気持ちが盛り上がっちゃったんです。うん、いい映画だったぁ。疲れた心を癒してくれる作品です。疲れていたり、暗くなっていたり、哀しくなっていたり、そんな時に観て欲しい。きっと何か心に灯がともると思いました。
私はこの映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。本当に素晴らしい映画です。たくさんの映画祭でも受賞をしていて、米国アカデミー賞アニメ部門のノミネート作品でした。何度観ても号泣でしあわせになれる作品でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
P.S:この映画のグッズを売り出して欲しいなぁ。キャラクターが可愛いんです。グッズはとってもおしゃれだと思うのよね。
1度目の感想はこちらです。
「ロボット・ドリームズ」