「2度目のはなればなれ」
を観てきました。
ストーリーは、
2014年、夏。イギリス、ブライトンの老人ホームで暮らす老夫婦バーナード(バーニー)とレネは、互いに寄り添いながら人生最期の日々を過ごしていた。ある日、バーナードはフランスのノルマンディーへ旅立つ。バーナードとレネが離ればなれになるのは今回が人生で2度目だった。
というお話です。
2014年夏。イギリスの老人ホームで寄り添いながら人生最期の日々を過ごす老夫婦バーナード(バーニー)とレネ。2人はとても仲の良い夫婦で、レネに介護が必要になりホームへ入らなければならなくなった時、バーニーは健康ながらも一緒に入ると決めて2人で入ったのだった。
第二次世界大戦中に英国海軍に従軍したバーニーは、ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典に出席したかったが、申し込みが遅かったために、式典のためのノルマンディーへの団体ツアーには空きがないと言われます。レネの具合も良くなく、ギリギリまで迷っていたからだった。
少しがっかりしているバーニーにレネが、行ってくればいいと促す。チケットが無いというバーニーに、別にツアーでなくてもノルマンディーに行けばいいだけでしょと言う。もう90歳となり今回行かなければ二度といけないだろうと思ったバーニーは、意を決して一人単独でノルマンディーを目指すことにする。
突然にいなくなったバーニーを探し、ホームでは大騒ぎ。警察などにも知らせ、彼の行方を探すが消息がつかめない。その日の夜にルネが看護師のアデルに「バーニーはノルマンディーの70周年式典に行ったのよ。」とあかし、とりあえず見つからないが行った場所が解ったということでホームは落ち着く。
しかし行方不明になったという警察のツイート(#The Great Escaper)をきっかけに、マスコミは90歳の退役軍人がノルマンディーの式典に行くためにホームを脱走したという話で盛り上がり、「大脱走」という名目で大ニュースとなってしまう。一体何故彼はその年齢でノルマンディーに行くことにし、人生で2度目のレネとの別れを決断したのか。必ず戻ってくると信じる妻の真実の想いとは。後は、映画を観てくださいね。
この映画、実話を元に作られたお話だそうです。90歳のイギリス海軍退役軍人バーナード・ジョーダンさんが本当に旅をしたことについて映画化されたそうです。実際に90歳で一人でイギリスからフランスに船で渡って、ある仕事をしたというのですから凄いことです。それだけ彼にとって”そのこと”は、生きている内にやり遂げなければならないことだったのだと思います。
感動の実話を元に映画化なんですが、とっても軽く観れるコメディ風になっていました。感動作ではありますが、面白くて楽しくて、最後までやり遂げるということがどれだけ大切かということを教えてくれました。
バーニーとレネは長年連れ添った夫婦です。今までに一度、離ればなれになったのは第二次世界大戦時だけです。バーニーは海軍として従軍し戦争で戦ったのです。その時にバーニーはノルマンディー上陸作戦に参加し、沢山の同胞を亡くしました。レネは他の女性と同じように軍事工場で働いていましたが、死亡通知を持った兵隊が工場に来るたびにドキドキする日々を送っていました。次は自分に来るのではないかと心配していたんです。
それから70年、2人は片時も離れずに生きてきました。でもバーニーの心にはいつも戦争時の事が残っていたんです。自分は生き残ったけれど目の前で沢山の同胞が亡くなり、どんなに時間が経ってもそのことが頭から離れないんです。それでも今は穏やかに暮らしており問題はありません。ただ、ノルマンディー上陸作戦の記念日が近づき、70周年となった今やり残したことが気になっていたんです。
レネにもそれは解っていて、レネの状態を心配するバーニーに行ってきなさいと背中を押すんです。90歳での一人旅なんて、どんな危険が待ち受けているか分かりません。もしかしたら2度と帰って来ないかもしれない。それに行っている間にレネが亡くなるかもしれない。この年齢になるといつその日が来るのか解りませんよね。それでも行ってこいと背中を押したレネはなんて優しいんだろうと思いました。素敵なご夫婦です。
一人旅立ったバーニーは何とかフェリーに乗り込めますが、席はありません。仕方なくバーで飲みながら時間を潰していると、空軍の退役軍人と知り合い意気投合して、彼が一緒にホテルに泊めてくれることになります。バーニーはとにかくフランスに行くことしか考えていませんでしたが、着替えも泊る所も用意していなかったんです。いかに思い付きで出かけたのかということが解るでしょ。
そしてバーニーはここに来た目的を果たそうとするんです。たまたま出会った空軍の彼も実は同じような目的があり、2人であることをするんです。この場面についてはネタバレ出来ないので書けませんが、ノルマンディー上陸作戦って酷い戦争だったのだということを知りました。映画では観ていても、どんな被害だったのかはあまり感じていませんでしたが、酷かったんですね。
バーニーは自分の事で精一杯で何も知りませんでしたが、「大脱走」は大ごとになっており、沢山の新聞などでニュースになっていたんです。レネの所にも取材が来たりして大騒ぎ。それがまた面白かったです。普段は静かな老人ホームに沢山のマスコミですから笑っちゃいますよね。楽しかったです。
この映画、本当に良い映画でした。誰が観ても感動するんじゃないかな。私は、超!超!お薦めしたいと思います。年を取ってもこんな風に一緒にいられる夫婦になれたらしあわせだろうなぁ。羨ましくなりました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
P.S:レネ役のグレンダ・ジャクソンさんの遺作です。
「2度目のはなればなれ」