「憐みの3章」3つのお話は別々だけど1人だけ繋がってました。不思議な内容でしたが楽しめました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「憐みの3章」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

選択肢を奪われながらも自分の人生を取り戻そうと奮闘する男、海難事故から生還したものの別人のようになってしまった妻に恐怖心を抱く警察官、卓越した教祖になることが定められた特別な人物を必死で探す女が繰り広げる3つの奇想天外な物語を、不穏さを漂わせながらもユーモラスに描き出す。
というお話です。

 

 

RMFの死
ロバートは上司であり愛人でもあるレイモンドの命令に忠実に従っていた。妻の選択に口を出され、家や車を買えを言われ、SEXの日時まで決められて、それでもレイモンドへの忠誠を貫いていたが、RMFの男を殺せと言われたことだけは上手く出来ずに失敗してしまう。もう一度やればよいと言われるが出来ないと断るとレイモンドはロバートを絶縁する。ショックを受けたロバートはレイモンドの庇護を取り戻すため、再度RMFを殺そうと動き出す。

RMFは飛んでいる
海洋生物学者の妻リズが出張中に行方不明になり警官のダニエルは嘆き悲しんでいた。しばらくして無人島でリズが見つかったとの情報が入りリズが帰ってくる。当初安堵していたが、帰ってきた妻が本当の妻なのか疑問に思うようになる。ペットの猫は彼女に攻撃的になり、以前の靴が足に合わなくなっていた。
ダニエルは妻を疑いおかしくなり、奇行を起こして停職処分となる。リズはダニエルに寄り添うがダニエルはリズに身体の一部を食べさせろと言い…。



 

RMFがサンドイッチを食べる
エミリーとアンドリューはカルト集団の一員。教祖のオミとアカが支配しており、外の水を飲むと毒素が溜まるというような支配していた。そんな集団でエミリーは、死者を蘇らせる能力を持つ女性を探すという使命を受けて行動している。女性を探す途中、エミリーは夫と娘と再会し、夫は妻をカルトから抜けさせる為にある方法を取るが、エミリーは拒否してカルトへ戻る。しかしオミとアカは彼女の行動を許さず追放する。それでもエミリーは女性を探すのを続け…。

後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、難しかった。何が言いたかったのかよく分からず、私個人の解釈で観てしまったので、本当は監督の言いたかったことは違うかもしれませんが書いてみます。

 

3つのお話があり、オムニバス形式です。それぞれに同じ人物が出演していますが、全くの別人として描かれます。但し、RMFと呼ばれているというか、RMFと思われる人物は3つのお話に共通し、それぞれの繋がりとなっているように見えました。

 

 

全てのお話に「支配」ということが描かれていて、1章では上司に支配されて、すべて言いなりに動いている男が描かれます。別に断って決別すればいいじゃないと思うけど、既に精神的な支配をされてしまっているので、凄く不安で決別出来ないんです。その人物の庇護の下でないと怖くて行動が出来ないんです。

 

自分に自信が無いと誰かに依存していないと不安なのだろうし、支配されていれば言われるがままに動けばよいだけですから楽なんでしょうね。私は自由に動けないなんて息苦しくて死ぬより辛いだろうなと思うけど、そうじゃない方もいらっしゃるんでしょう。このロバートはレイモンドのペットのようでした。

 

 

2章のダニエルは警察官でしっかりしていますが、妻リズが行方不明になってから不安定になって行きます。リズは救助されて戻ってきますが、ダニエルは偽物なんじゃないかと思い出し、1度おかしいと思い出すと、どこまでもおかしいと感じてしまうんです。それまでずっと支配していた妻がいなくなり、戻ってきたものの外を見てきた妻の違いが気になり、偽物だと思い出したのだと思います。

 

人間は変わっていくモノだし、いつまでも自分の支配下にいると胡坐をかいていたらいつの間にか変わっていたということだって在りうるでしょ。このダニエルという夫、優しそうに見えて傲慢そうでした。自分の妄想を膨らませてリズの言っていることなんて全部否定しているんですもん、ムカつきます。だからリズも外に出て少し変わったんだと思うんだけどな。でも、それによって猟奇的な事になってしまうので嫌な感じでした。

 

 

3章はカルト集団のお話でした。これはあり得そうだなーと思ってしまった。もうその集団の中で同じ考え方に統一されてしまっているから、他のモノは受け付けないんですよね。教祖のいうことは絶対だから、こういう集団は本当に怖いと思いました。

 

今、選挙運動が始まっていて、SNSでも下品な舌戦が繰り広げられていて嫌だなと思っています。政党によってはまるでカルト集団のようでライバルをこき下ろすことばかり。それを書いている人は教祖(党首)に支配されていて全面的に信用しているんでしょうね。一つのモノに固執するのは危ないという常識がハズれてしまっているのだと思います。この映画でも同じことを言っているんです。ちょっと外を見れば現実が見えるのに、その集団にこもって、内側しか見ていない。恐ろしいと思いました。

 

 

映画では、ちゃんとそういうのは間違っているよということが最後に描かれていて、罰が当たるので”ばっかだなぁ~”と笑えるような構成になっています。これが真実だよなとしみじみ思いました。一つのことに執着したのでは世界が見えないんです。周りを見回してくださいということですね。

 

というちょっと教訓じみたことを教えてくれていたのかなと思いました。RMFのオジサンが殺されて、死体になって、復活して、サンドイッチ食べてというのに笑ったけどね。コメディ部分もいっぱいありましたが、よく見るとシビアでキツいなぁという部分も多かったと思います。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。解り難いと思いますが、そんなに頭を使わずにぼんやり観ていればいいかなー、カルト怖いなぁ~、と思えばいいんじゃないかな。出演者が豪華なので、それを観に行くだけでも十分なのかもしれません。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 


「憐みの3章」

https://www.searchlightpictures.jp/movies/kindsofkindness