「チャチャ」
を観てきました。
ストーリーは、
デザイン事務所に勤めるイラストレーターのチャチャは、人目を気にせず好きなように生きることをモットーにしていた。ある日、樂という青年と出会った彼女は、彼に興味を抱く。それぞれ好きなものは正反対ながらも樂にひかれていくチャチャ。ところがある日、チャチャが樂の部屋であるものを目にしたことから、事態は不穏な方向へと突き進んでいく。
というお話です。
チャチャは、“人目を気にせず、好きなように生きる”をモットーに自由気ままな日々を送っている女性。デザイン事務所に勤めるイタストレーターで不思議な絵を描き人気のようだった。事務所でも自由に行動しており、社長に可愛がられ同僚の凛はちょっと彼女に嫉妬をしている。
ある時、同じビルの1Fレストランで働く樂に屋上で偶然出逢い興味を持つ。「お互いに好きなものは正反対だけど、2人いたら丁度いい」と言って、彼の家に転がり込む。一緒に住み始めたふたりだが、樂はチャチャに手を出さない。まるで興味が無いように見える。チャチャは樂が気に入り次第に惹かれていくのだが、近づいても引かれてしまう。
樂はもしかしたら…と思い出した矢先、凛がチャチャにボーイズラブ漫画を貸してくれる。実は凛がチャチャを尾行して家を突き止めその家を覗きに行ったとき、樂が目隠しをして手を縛られた男に外で水をかけて洗っていたのだ。凛の目にはいちゃついているように見えてしまい、もしかして樂はそちらの人なのかもと思い、チャチャに漫画を貸したのだった。
もしかしてという不安がよぎったチャチャだったが、ある日、家にひとりでいると物音がする。何だろうと探ってみると、奥の部屋に男が監禁されていて…。後は、映画を観てくださいね。
この映画、何が言いたかったのかあまり良く解らなかったけど、面白かったです。描かれる方向がどんどん変わっていくので、あれ~どこに行っちゃうのかな~って感じで、笑っていいのか、怖がっていいのか解らなくなっちゃいました。
チャチャが出てきて、そのチャチャに対して同僚の凛ちゃんが社長と不倫しているんじゃないかと疑うんです。社長は妻子持ちだしあり得ないんだけど、凛ちゃんの思い込みは膨らんでいき尾行したりとなって行くんです。でもチャチャは樂と住んでいて、樂を好きだから問題無いんですけどね。
この辺りはラブコメっぽい感じの可愛い映画の雰囲気なんです。チャチャもチャラチャラしていて、まぁ、観ていてイライラする子ですよね。仕事がイラストレーターだという設定で素敵な絵を描いていたので、頭が軽そうだけどそれなりに実力がある女性ということだったのだと思います。
そんなふわふわした雰囲気の映画で続くのかと思ったら、樂が英会話教室の講師ピオニーを好きになるエピソードが描かれ、その講師にはヒモ男がいて、そいつを何とかしたいなぁ~と考える樂。そこからちょっと怖い方向に向かっていきます。
樂とチャチャは「好きなモノは正反対」と言っていながら、実は似た者同士だったのだと思いました。行動的なことは違うけど考え方というかサイコパス的な要素はどちらも持っていて、好きな相手に対しての好意の表現方法が間違ってる気がするんだけどなーって思いました。ちょっと変わっているよね。血を舐めたいとか、うーん、まぁいいんだけど、私はやだなぁ。
ラブコメ的な時は、部屋で樂がモンサンミッシェル風オムレツを作ってくれたりして、凄く和やかなんです。オムレツ美味しそうだし、樂は優しいし、あのイケメン顔で優しくされたら誰だって好きになっちゃうよねぇ。だって中川くんだもん。でもね、何故か樂はチャチャに手を出さないんです。キスをしようとすると顔を避けるんですよ。んんっ!これはおかしいと思うでしょ。
そう思ったときにボーイズラブの漫画を借りちゃったら、そりゃもう、そっち系だったんだと思っちゃうわよね。ま、それでもチャチャは樂の事をどんどん好きになっているんだけど。それって「彼女の好きなものは」的なヤツよね。うんうん、それも素敵なんだけど、それだとラブストーリーにならないからどうなるんだろうとワクワクしていたのよ。
そしたら展開が怪しくなってきて、サスペンススリラーっぽい怖い話になっていって、どうしよう~ってなりました。怖くなってからの展開はネタバレ出来ないけど、ちょっと驚いておお~ってなりました。そんなことになるなんてって思っちゃった。樂の豹変ぶりをお楽しみに。と言っても、元々、樂はそれほど感情を表に出すような人物ではないので、綺麗な顔をしている分怖かったのかなと思います。
この映画、メーテレさんが制作している「(not) HEROINE movies」というシリーズの第4弾作品だったんですね。私は知らない内にこのシリーズを全作観ていたので、あ、あのシリーズだったのかと思いました。等身大の女性のリアルを描くというコンセプトらしく、もがいて生きているヒロインになりきれないヒロインのお話だそうです。確かにどの作品も彼女たちがほんわかして幸せになる作品ではなく、一人で前に進み始める作品ばかりなんですよね。今までの作品も良かったですが、今回も良かったです。
1点だけ、伊藤万理華さんのチャチャがあまりにもいい加減というか人の迷惑顧みずという態度なので、それがちょっとイヤだったかな。彼女こういう役が多いのですが、もう少し落ち着いた役もやられたら良いなぁと思います。綺麗だし、いつもチャラチャラした役をしているとそう思われてしまうので勿体ないと思いました。大人しい役というか、頭脳を使うような役も面白いんじゃないかな。観てみたいです。
私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。展開が奇抜で面白かったです。ラブコメかと思って観ているとサスペンススリラーになるし、怖いのかと思っているとほっこり場面が出てきて、ちょっと不思議な感覚になる映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「チャチャ」