「アイミタガイ」
を観てきました。TOHOシネマズさんの試写会が当たりました。
ストーリーは、
恋人・澄人との結婚に踏み出せずにいる梓は、親友・叶海が突然亡くなり心の拠り所を失くしていた。今も生前の叶海のスマホへとメッセージを送ってしまう。同じ頃、叶海の両親のもとに、ある児童養護施設から娘宛のカードが届く。ウエディングプランナーの梓は金婚式を担当することになり、叔母の紹介でピアノ演奏を依頼しに行ったこみちの家で、中学時代の叶海との記憶をよみがえらせる。
というお話です。
ウェディングプランナーとして働く梓には、中学の時から叶海という心から信頼する親友がいた。どんな時も相談し合い、励まし合って成長してきたのだった。カメラマンになった叶海は海外出張へと出かけ、ある日突然に事故に遭って亡くなったという知らせが届く。
叶海がいなくなり、ぽっかりと穴が開いたようになった梓。交際相手の澄人にプロポーズをされるが結婚に踏み出せず、生前の叶海と交わしていたトーク画面に変わらずメッセージを送り続ける。
金婚式を担当することになった梓は、叔母の紹介でピアノ演奏を頼みに行ったこみちの家で中学時代の記憶をふいに思い出す。叶海と二人で聴いたピアノの音色。大事なときに背中を押してくれたのはいつも叶海だった。梓は思わず送る。「叶海がいないと前に進めないよ」。
同じ頃、叶海の両親の朋子と優作は、とある児童養護施設から娘宛てのカードを受け取っていた。そして遺品のスマホには、溜まっていたメッセージの存在を知らせる新たな通知が鳴る。朋子は、娘のスマホだが意を決してパスワードを入れて開けてみる。そこには梓からの切ないメールが溜まっていた。一方、梓は突然に既読がついた叶海とのトーク画面に驚く。そして…。後は、映画を観てくださいね。
この映画、ちょっと地味だなと思っていたけど、とても良い映画でした。感動してしまいました。一見、バラバラの話がどんどん繋がっていくという、何とも言えない感動作なんです。題名の「アイミタガイ」=「相身互い」とは、誰かを想ってしたことは、巡り巡って見知らぬ誰かをも救う。誰の胸にも眠っている助け合いの心を呼び起こし、何気ない毎日をやさしく照らす。ということらしいんです。
ウエディングプランナーの仕事をしている梓は澄人という交際相手がいますが、自分の両親が離婚する時に凄く揉めて訴訟などで争ったため、それを見ていて結婚に幻滅してしまったんです。なので澄人に結婚は望まないと話していたようなんです。それでも澄人はやっぱり結婚したいと思い、プロポーズをするんです。
梓はいつもなら相談出来る叶海がいなくなり、どうしてよいのか解らなくなってしまうんです。澄人に返事をしたいけど結婚する自信も無く、いつもなら背中を押してくれる叶海もいない。メッセージを送っても帰ってはこない。澄人と逢っても心ここに在らずのようになってしまうんです。澄人はもちろん心配して、ある行動に出ます。
この澄人はとても良い青年で、”出来る男”という感じではないんだけど優しいんです。梓の事を大切に思っていて、結婚は嫌だと言われていたけれど、やっぱり結婚したいと思いプロポーズをするんです。これだけ思い合っていれば結婚してもいいんじゃないかなぁと思ったけど、梓は両親の事が引っかかっていて踏み出せないんです。
この映画は幾つもの話が出てきて、それが繋がっていくというようになっています。その内の一つが、梓が結婚式場で今度担当することになった金婚式に関してのお話です。金婚式では生演奏のピアノを流すと喜ばれるそうで、そのピアニストも若い人ではなく年配者の方が良いとのことで探しているんだけどいないんです。
そこで梓の叔母が出てくるんです。叔母の範子はヘルパーの仕事をしており、ある老婦人の所に通っているんです。気難しいお婆さんだと言われて、気を使って仕事をしていたら気に入られて仲良くなるんです。そのお婆さんが小倉こみちと言い、実は、梓と叶海が中学のころにコッソリ裏に忍び込んでピアノ曲を聞いていた家だったんです。範子は、梓がピアノを弾いてくれるお年寄りを探していると聞いて、こみちを紹介すると、梓は懐かしい中学校のころを思い出すんです。
そしてもう一組。叶海の両親が出てきて、娘が亡くなってから2人で呆然としている様子が描かれるんです。そんな時に児童養護施設からクリスマスカード(違ったらごめんなさい。)が届くんです。亡くなった娘に何故こんなところからカードが届くのかと不思議に思った2人は養護施設に連絡をすると、叶海はカメラマンをする傍ら、子供たちに逢いに行き写真を撮ったり飾ったりして交流をしていたらしいんです。両親は娘と子供たちの楽しそうな写真を見て、心が和んでいくという内容でした。
こんな幾つもの話が繋がっていき、誰かの優しい心が誰かを助けていて、それがまた誰かに繋がって行っているということが描かれていて、本当に地味な映画なんだけど、じーんとして優しい気持ちになる映画でした。秋に観るには最高じゃないかな。
梓役の黒木さんがとっても良いんだけど、澄人役の中村さんも良かったなぁ。このお二人とっても雰囲気が良くて、観ていて気持ち良かったです。こみち役の草笛さんもお元気で素敵なお祖母ちゃんを演じていたし、範子役の安藤さんも良かったなぁ。こんなヘルパーさんいるよなぁと思い出すような雰囲気でした。他も皆さん、良い役者さんばかりが出ていて、よくこれだけ集めたなぁという感じでした。
私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。若い人がワイワイ行くような映画ではありませんが、大人がゆっくりと観に行って、じーんとして来るような映画でした。若い人にも人間ってこんな風に縁続きになっているんだよってことを知って欲しいなぁ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「アイミタガイ」