【演劇】「ウーマン・イン・ブラック」彼女が見えてしまったら、それは悪夢の始まり。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

舞台「ウーマン・イン・ブラック」を観てきました。


ストーリーは、

ヴィクトリア様式の小さな劇場。舞台には特別な装置やセットはなく、ガランとしている。そこへ中年の弁護士キップスと若い俳優が相次いで現われる。キップスには青年時代、家族や友人にも告白できないような呪われた体験があった。以来、その記憶のために悪夢に悩まされ、安らぎのない日々を送っていたのだ。悩みぬいた末、キップスはこの忌まわしい記憶を、家族に打ち明けようとする。あの怪奇な出来事を劇場で語ることによって、悪魔祓いにかえ、呪縛から解放されようというのだ。その手助けに、若い俳優を雇ったのだった。


黒衣の女

若きキップスは、勤務先の弁護士事務所の顧客アリス・ドラブロウ夫人の死から語り始めた。この身寄りのない老婦人は北イングランドの片田舎で亡くなり、その葬儀と遺産整理のためにキップスが現地まで行くことになったのだ。夫人は、潮が引いた時にしか行き来のできない孤立した場所・イール・マーシュの館で暮らしていた。地元の町・クリシン・ギフォードの人々は、キップスがドラブロウ夫人の名前を出す度に、表情を凍りつかせ不審な態度をとるのだった。彼女の葬儀に参列し、その後で館を訪れた彼は、そこで人々の態度を理解することになった。


彼は見たのだ。葬儀の教会と、そして無人の館の裏で。いるはずのない黒い服の女を。
中年のキップスは、録音技術による効果音にも助けられ、勢いを得て俳優との過去の再現に熱中していく。 恐怖の体験から一夜置いた若きキップスは、町で事情を知るはずの人々に、自分の見た女が誰か、ドラブロウ夫人とその館にまつわる因縁が一体どんなものかを問いただそうとするが真実は闇の中だ。それでもキップスは再び館に戻り、自分の仕事を果たそうとする。


キップスの記憶が再現されるにつれ、劇場でも、奇妙な変化が起きていた・・・。

というお話です。


黒衣の女

これ、3年ほど前に、東京国際映画祭で上映されたんです。ダニエル・ラドクリフくんが主演して、ちょっと原作とは変えてあったけど、でも、クラシックな雰囲気のゴシックホラーで、私は、とっても気に入ったんですけど、あまり流行らなかったかな。日本では、怪談系の方が、流行りますよね。


この「ウーマン・イン・ブラック」は、今まで、何度も上演されたようですね。私、全然知らなかったのですが、これは、面白いよなぁ。原作が面白いんだから、面白いに決まっているんだけど、舞台用の脚本は、原作とちょっと変えてあって、これも、とっても面白く作られているんです。上手いなぁと思いました。


主人公のキップスが、家族に過去の恐ろしい話を話さなければと思い、回想しているのが原作なのですが、舞台では、上手く話す事が出来るように、役者に相談するというところが、面白いと思いました。普通、役者に相談しないもんね。(笑)でも、キップスは、上手く話せるように、役者に指南して貰おうと思って、劇場の役者の元に通って、話をしていくというお話なんです。面白いでしょ。


最初の方は、結構、コメディっぽい部分もあり、笑えるんだけど、話が進んで行くにつれ、段々と笑えなくなってくるんです。黒衣の女が、観ているこちらにも迫ってくるような雰囲気になって、静寂の中に、緊迫と、恐怖が広がって行く感じかしら。とにかく、どんどん怖くなって行くんです。


黒衣の女

勝俣さんと岡田くんの2人の掛け合いも、最初は、軽いものなのに、段々と重くなっていき、息苦しいくらいになっていくんです。いやぁ、上手いなぁと思いました。勝俣さんは、安定しているし、上手いのは当たり前なのですが、岡田くん、前回の「皆既食」の時より、断然、成長しましたね。マジでグンっと上手くなったように感じました。前も頑張っていたのですが、今回は、内に自信のようなものが出来てきたような気がしました。自分の演技に自信を持ってやっているのが見えてきて、安心して観ていられるんです。演じているのではなく、自分が役になっているんだという感じなんですよ。ステキでした。努力したんだろうなぁ。素晴らしい事です。


一つ、文句を言いたいのは、沈んでいく馬車の音と、女性の悲鳴なのですが、イマイチ、解りにくかったような気がしました。沈んでいく馬車の音は、原作を読んでいる私は、直ぐに解ったのですが、原作を知らない人は、突然に馬車と悲鳴が聞こえても、それが何なのか、分からないような気がしたんです。一応、後から説明がありましたが、ちょっと解りにくいかな。女性の悲鳴は、あまり意味の無い所で聞こえたような・・・。驚かすには良いけど、それなら悲鳴よりも泣き声とか、低い呟きとかの方が、効果的な気がしました。悲鳴だと、ドキッとはするけど、恐怖には繋がらないのではと思いました。


黒衣の女

でも、本当に面白かった。原作が好きだったので、それもあるのですが、それ以上に、お二人の恐怖に導いていく演技が、最高でした。私は、この舞台、すっごく満足出来ました。ぜひ、お薦めしたい舞台です。まだ、来月までやっているので、もし、お時間があって、チケットが手に入るようなら、ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




映画:「ウーマン・イン・ブラック」の感想です。  http://ameblo.jp/yukigame/entry-11383074749.html



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