2019年、重い嫌韓国の空気
 
「嫌韓国本」!抗議の仕方はオリジナリティー溢れ
2019/11/29
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数カ月前のことだ。

休日の昼、娘と一緒に東京の街を歩いていた。

デパート前の小さな広場でマイクを持った男性が立っていた。

周辺には旭日旗(rising-sun flag)がはためき、黒い宣伝車もあった。

ひと目で右翼団体ということが分かった。

 

「約束を守らない国、

国際法をゴミと考えている国がすぐ隣の国韓国です。

韓国人は約束を守らない人たちです」。

 

気分が沈んだ。

のんびりとした休日の昼、

このような嫌悪的な発言を聞かなければいけないとは。

娘が聞き取るのではないかと思って逃げるように席を外した。

鳥肌が立つような不快感を,

日本で右翼の雄弁を一度でも聞いたことがある人なら分かる。

 

この日は近所の公園で韓国日本交流まつりがあった。

「韓日は共に進まなければいけない隣国」

として手を握った日、不意打ちsurprise attackを食らったような気持ちになった。

 

「韓国は国際法を違反している」。

昨年10月30日の韓国大法院(最高裁)の

「朝鮮半島出身応募労働者」補償判決以降、一日に一度は聞く言葉だ。

論理は簡単で「協定文の解釈の差」と反論してみると説明が長くなる。

 

ニュースはもちろん新聞、雑誌、ラジオ、インターネットを問わず

日本政府の主張ばかり出てくる。

日本の視聴者は当然、それが「真理」だと思っている。

韓国がおかしな国となるのは当然だ。

 

世論調査で

「譲歩するくらいなら日本韓国関係の改善を急ぐ必要はない」

という回答が69%にもなる状況が理解できないわけではない。

 

1年以上も続いた韓国に対する

「ラベリング(labeling)」作業の結果だ。

日本社会全般に韓国に対する否定的な空気が流れている。

誰かが何かを約束したというわけではないが、

誰もがそのように考える嫌韓国の空気(atmosphere)が日本社会を支配している。

 

日本人の友人は

「政治的な主張にあまりにも敏感に反応しているのでは」と言う。

じっくりと考えてみた。

政治的な主張と韓国に対する嫌悪が巧妙に混ざって

重い空気のようにのしかかる。

いくら心が強くても委縮するだろう。

 

食堂や店で不親切な対応を受ければ

「私が韓国人だからだろうか」と疑う。

幼稚園の学芸会の時、娘が最後列の一番端に立つのは

「背が一番高いからではなく韓国人だからだろうか」と考える。

 

電車でスマートフォンを使う時は

緑色のポータルサイトを開かなくなって久しい。

実際にある男性が「朝鮮語を読んでいるのか」

と因縁をつけるように近づいてきたこともあった。

 

年が変わると韓国日本関係は良くなるのだろうか。

「朝鮮半島出身応募労働者」

の解決策が出てくれば以前のような関係に戻るだろうか。

崩れるのは一瞬だが、また築いていくのには長い時間がかかる。

春が訪れても春でないようにだ。

冬があまりにも長い。

 

ユン・ソルヨン(윤설영)/東京特派員