『アイアンマン』を見てきました。

こういうアメコミ映画は大好きなもので、ついつい映画館に足が向くのです。

しかも近年、撮影技術の進歩とともに、表現がリアルになってきているし、
大人の鑑賞に堪えられるように、脚本もしっかりしたものになって来ています。

スパイダーマンしかり、バットマンしかりですね。

さらにこの『アイアインマン』、主役は超セレブでスケベなオヂサン。
つまり、その辺のヒーローもののように、青臭い青年が主役ではないのです。
(例外的にニコラス・ケイジのゴーストライダーがありますが、
あれはニコラス・ケイジが無理矢理やっただけで、キャラの設定年齢は若いのです)

必然的に演者も相応の年齢の人が集まります。

今回の主演はアカデミー主演男優賞にノミネートされたことのある
ロバート・ダウニーJR。親友役の兵隊にもアカデミーノミネート組の
テンレス・ハワード。敵役も同じくノミネート組のジェフ・ブリジッス。
最後にヒロインは、正真正銘のアカデミー主演女優賞受賞者のグウィネス・パルトロー。

とまぁ、これでもかっ!! ってくらい、アカデミー賞関係者が並びます。

だからヒーローものではあるのですが、合間に交わされる会話が大人でカッコイイ。
主人公とヒロインの発展しそうで発展しない恋模様と合わせて、楽しましてくれます。

もちろん、特撮ヒーローものですから、特撮シーンはしっかり撮ってあります。
初めてジェット噴射装置を利用しているときには、コントロールができないようにだったり、
実験で失敗を繰り返しながら実用化を進めて行く様だとか、リアリティが出てきます。

これだけ大人向けに作ってあっても、『ダークナイト』のように暗くありません。

やはり、同じように大金持ちの正義漢でもブルース・ウエィンと違って、
トニー・スタークでは自堕落でスケベで子供っぽい。
そういうところが作風にも影響しているんじゃないでしょうか。
アクセス数が増えるほど人質が早く死ぬ殺人ライブ中継サイト!
しかもアクセスを遮断しようにも、IPアドレスをロシアでランダム生成し、
絶対に足がつかない、又半永久的に持続され表示される!!

まぁ、実際にはIPなんてものもは、瞬時に変わるものでないし、
ましてや海外のサーバー経由ならさらに時間がかかる。
(国内でも切り替えてから15分くらい、国内全ての経由する
サーバーに浸透するのに24時間。海外となると1週間くらい)

だから完全にフィクションとして楽しんでいいのだけど、
この設定が全く生かされてなかったなぁ。

サスペンスなんでちょこっと書くとネタばれになるのが厳しいんだけど、
基本的にアクセスが増えれば死ぬってのが、見てて伝わってこない。
ドキドキ感が画面から伝わってこないんだよね。

まず、FBIがアクセスを減らす努力も遮断する努力もしない。
ぶっちゃけた話、アクセスした人間は殺人幇助を適用するって、
記者発表して、何人か逮捕すれるとかして、抗議行動が起こったりして、
FBIが追い込まれてとかね、そういう展開もないし。

さらにFBIのネット対策チームが、まるで機能していないんだよねぇ。
ネット犯罪なんだから、ハッキング合戦がないと・・・。

FBIが一方的にやられっぱなしだし、以外と早く犯人に行き当たるんだけど、
その方法も全然サイバーポリス的じゃないんだわ。

あげくの果てに犯人は逃げる気がないしねぇ。

こういうのって犯人がわからない方が怖いし、
わかったとしても行動が予測できない方が怖い。

でもこの映画、犯人が判明した時点で、全部予定調和に向かっちゃった。

『ブラックサイト』はSawのあの怖さには全然及ばない映画でした。


最後まで読んでくださったあなたに、全ての良きことが雪崩のごとく起きます。

ローランド・エミリッヒなんで映画のできとか、ストーリーとかは期待せずに
ただひたすらすごい映像を見せてくれるだろうとあえてブルーレイで借りた
『紀元前1万年 (Blu-ray Disc)』

はっきり言って大して画質よくないですよ。
上手に圧縮をかけたDVDと比べても多少高精細なくらい。

せっかくの広大な風景がぜ~んぜん奥行きが感じられない。
まあ、人のアップになれば細かな皺まで見えるけどねぇ。

理由は明確で特典映像をつけ過ぎ。本編と同じくらいつけてるんだもの。
いくらブルーレイでも圧縮率をあげたら画質は落ちますわな。

さて、映画の方ですけど、これはもうエミリッヒですから(笑)

こういう歴史物でちゃんとしたものを見たければ
『アポカリプト』がありますので、そっちをどうぞご覧ください。

じゃあ何を見るかというと、ズバリ!見たこともない映像!
さぞやすごいのを見せてくれるんだろうと期待しましたが、
う~ん。。。

いや、マンモス素晴しいですよ。ピラミッドと群衆シーンもなかなかです。

でもねぇ、見たことも無い生物っていうのなら、もう15年も前にジュラシックパークで
衝撃を受けているし、毛にこだわったっていうならそれもすでにキングコングで
キッチリ表現されているし、ピラミッドだって『アポカリプト』もあるし、
群衆シーンならスターウォーズのエピソード1でもあるし、
最後の戦闘シーンは『300(スリーハンドレッド)』の方が迫力あるしね。

どうも斬新さがなかったんですよ。

エミリッヒ氏から映像の衝撃をとっぱらったら、ストーリーから音楽、
役者の顔に至るまで本当に何も特徴が無いものになってしまいます。

そういう意味ではエミリッヒ氏にとっては受難の時代なのかな。

とはいえ、同じように映像だけがすごかったマイケル・ベイ監督も
トランスフォーマーでスピルバーグと組んで一皮むけたし、
エミリッヒ監督もそろそろ変化の時かもね。とはいえ、それには年齢が行き過ぎ?

『紀元前1万年 (Blu-ray Disc)』はそんなことを感じさせる悲しい映画でした。

紀元前1万年