ジムに行く途中
小さくふるい祠の中のお地蔵様に目が留まる
長くてまあまあ急な坂道
坂を下り切ったところが信号で🚥
国道に出る交差点🚗
まだ息子が3歳だった
土曜日の昼過ぎ
2人家族だったあたしとチビ息子は
実家へでかけ
お腹いっぱいお昼をごちそうになって
トロトロとお昼寝モードのあたしと
外に出て遊びたいチビ息子
『おかいものいこうよー』
「もうちょっと待って
ママちゃん眠いんだよ…」
『いこーよぉ。ねぇ…いこーよ』
「もぅっそんなに行きたいなら
1人で歩いていっといでっ」
『ぶーっ1人で行くもんっ
』
「あぁいいよ〜!いっといで〜」
外に出て行った
3歳になったばかりのチビ息子
行きっこない
行ける訳がない
チビ息子が行きたいスーパーまで
大人の足でも歩けば20分はかかる
まあまあな交通量と途中信号が2ヶ所
道なりの一本道でもない
お店に買い物に行っても
あたしの姿が見えなくなると
急いで探しに来るような子だったから
どうせ家の近くで遊んでるに違いない
とろとろとお昼寝に落ちて
はっとして目を覚ませば
あれから20分程経っていた
あれ?チビ息子がいない…
まだ外にいるのかな
家の外に出てみる
…
いない…
家から見える範囲に姿がない…
…
どこ行ったんだろ…
急激に心配になる
心臓がバクバクと音を鳴らして早くなる
一緒に家にいたあたしの弟に
「チビ息子がいないの。一緒に探して」
『さっきスーパー行きたいって言ってたよね』
「うん。でもそんなとこまで行けないよ。
道順だって分からないだろうし
国道の信号だって渡れないでしょ」
『オレ、スーパーまで行ってみるわ』
「ごめんね」
車で探しに出かけた弟
「チビ息子〜っ!」
名前を呼びながら息子がいそうな場所を
歩きながら探すあたし
昼寝なんかしてないで
一緒に遊んであげれば良かった…
事故に遭ったりしてないよね…
誘拐でもされたらどうしよう…
どんどん大きくなる不安と後悔に
押しつぶされそうになりながら
チビ息子の姿をさがす…
『いたよっ!みつけたっ!
チビ息子確保っ』
弟からの電話
走って家に帰ると
弟に確保されたチビ息子がニコニコと
あたしのもとへ駆け寄ってきた
よ、良かったぁ…
へなへなと
でもぎゅーって
ぎゅーって小さなチビ息子を抱きしめた
弟の話によると
あと少しでスーパーというところの国道を
てこてこ歩いていたそうな
『ほく、
ちゃんとお地蔵様にのんのんしたよ』
やってやったと言わんばかりに
誇らしげなチビ息子
あの車がビュンビュン通る坂道
しかもお地蔵様がいるのは広い歩道の反対側
側溝脇で歩道の境界のラインのみ
お地蔵様側を歩く人など目にしたことはない
あの坂をどんな風に降りたのか
国道の信号のある交差点を
どうやって渡ったのか…なぞだらけ
無事に何も起こらず
あたしの元に戻って来てくれたのは
きっとお地蔵様が守ってくださったとしか
言いようがない
22年前の土曜日の昼下がり
こんなぼさっと母ちゃんでも子供は大きくなりました
(ここんとこ?の息子の様子はこちら↓)