写真は、成田空港での荒川祐二で~す
ついていきますスサノオで~す
小春「飛行機♪飛行機♪」
影狼「……」
『スサノオと日本の神を巡る旅 ~オオクニヌシの国造りの地を巡る~』
次なる僕らの目的地は、
和歌山県は伊太祁曽(いたきそ)神社。
オオクニヌシが兄神たちに何度も殺され、
その中で助けを求めた神、
『オオヤビコ』を祀る神社ですね」
『日本書紀』で言ったら、五十猛な。
古事記と日本書紀。
どっちを取るかで、
生まれも由来も全く変わる神。
古事記だと俺の兄神になり、
日本書紀だと俺の息子になる」
あ「ちょっとややこしいけど、
一応ともに『木の神』さまなんですよね。
でも今回の僕らの旅は『古事記の地を巡る旅』だから、
オオヤビコさんになるのかな。
高天原から樹木の種を持って来て、
日本全国に木を植えたという…」
ス「そう。
だからこの神社には、
やっぱり木が多いよな」
スサノオのその言葉通り、
伊太祁曽神社境内には、
木に関連するものがたくさん。
お前はほんま神に好かれとるな。
顔キモいくせに」
あ「何が?」
ス「その間抜け顔で、
よう見てみぃ。
御神木のてっぺんに光が射すなんてことあるか?
これは大歓迎の証よ」
何か嬉しいね…」
手を合わせて感動に浸り、
そして、
本殿にて参拝。
(二礼二拍手一礼)
あ「…ふぅ…」
ス「なに溜め息ついてんねん。
まぁ大体理由も分かるけど(笑)」
あ「…仰る通り…。
…オオヤビコさんがどんなのが出るかと思って…。
前回の衝撃が強すぎて」
ス「…さぁ、今回は…?」
…。
……。
………。
…………。
あ「よかった…」
『木の神』オオヤビコの登場である。
オオヤビコ「スサノオ…か…?」
ス「ヒコ爺、お久しぶりです」
そう言って頭を下げて、
いつになく礼儀正しいスサノオの態度。
なぜ?どうして?
ス「ヒコ爺は、
イザナギとイザナミが国生みをした直後に産んだ、
神々の内の一柱。
俺からしたら兄神でもあるけど、
大先輩よ」
あ「スサノオさんって、
そういう上下関係とか気にしなさそうなのに、
意外にちゃんとしてるんですね。
(同じ『爺』でも、『塩』の方とは大違い)」
古事記では、
この『オオヤビコ』が、
命を狙われ続けるオオクニヌシに、
スサノオのもとに向かうようにと指示を出したという。
そこでオオクニヌシは、
スサノオによって鍛え上げられ、
日本史上初の王となるまでの力を得た。
そういう意味では、
『オオクニヌシの国造り』のきっかけをこのオオヤビコが作ったと言っても、
過言ではない。
また面白そうな者を連れているではないか」
あ「面白そうな者…?」
…。
……。
………。
…………。
あ「私?」
オオヤビコ「顔がな」
あ「やっぱりそっちかい」
オオヤビコ「冗談じゃ、冗談じゃ!!
ファオッ!!ファオッ!!ファオッ!!
アオォォォウッ!!」
あ「(ちょっと笑い方がキモい)」
ス「ヒコ爺、相変わらずの、
マイケル・ジャクソンみたいな笑い方はええんですけど。
せっかくやし、
こいつの質問に何か答えたってくださいや」
オオヤビコ「質問…?
もちろん構わんよ」
あ「質問…。
いつも突然そう言われると、
戸惑うんですけど…。
……。
…なぜオオクニヌシさんだったんですか?」
オオヤビコ「…なぜ…とは…?」
あ「あ…、変な聞き方をしてすいません…。
オオクニヌシさんって、
当初は軟弱なだけの男と認識していたもので、
その、なぜ『軟弱なだけの男』を助けようと思ったのかな、って…」
オオヤビコ「なぜ…助けた…か…」
あ「…はい…」
オオヤビコ「…それはな…」
あ「…はい…」
オオヤビコ「…それはじゃな…」
あ「……はい……」
オオヤビコ「…実はじゃな…」
あ「………」
オオヤビコ「えっとじゃな」
あ「はよ言えや」
オオヤビコ「(あたふた、あたふた…汗)」
ス「お前、一応俺の大先輩神に何言ってんねん(笑)
俺でもそうしてるから、別にええけど(笑)」
あ「す、すいません(笑)」
オオヤビコ「え、ええんや…ええんじゃよ…」
老け込んだ様子が、
またさらに老け込んだように見えたオオヤビコは、
一度大きく息を吸い込むと、言った。
オオヤビコ「『可能性』…じゃな…」
あ「『可能性』?」
オオヤビコ「そう、『可能性』。
あの男(オオクニヌシ)は、
確かに当時は軟弱じゃった。
しかし、しかぁぁぁし、それでもしかし!!」
あ「(ちょいちょいキモい言葉遣いがイヤ)」
ス「(我慢せぃ。笑)」
オオヤビコ「やつの目からは、
『志』の高さを感じられた」
あ「『志』?」
その言葉と同時に、
戸隠神社で、
九頭龍大神が僕に言った、
『汝、志を高く掲げろ』
という言葉が甦る。
オオヤビコ「確かにあの時のやつは、
何度も兄神たちに殺されてはおったがな。
が、やつはそんな兄神たちへの復讐などの小さな世界を、
見てはいなかった。
無意識かもしれんが、もっと大きなものを見ていたというかな。
とにかくワシはやつの瞳の奥から、
いずれこの国を背負う男の器を感じた。
その瞳に純粋に応援をしたいと思えたのじゃ」
あ「なるほど…」
オオヤビコ「次に『素直さ』。
自分自身の状況や与えられた課題に対して、
まっすぐ素直に受け取る姿勢。
その姿勢を持った、素直な者には、
自然と周りも応援したくなるもんじゃ」
ス「確かにあいつ、
俺が与えた試練も全部、
『分かりました』って言って、
受け止めたもんな」
あ「『素直さ』…ですか」
オオヤビコ「最後に、『優しさ』。
『因幡の白兎』の話でも分かるように、
やつは優しかった。
この優しさを持つものにも、
上の立場に立つものになってほしいと、
周囲は願い、応援するもんじゃ」
あ「『志』、『素直さ』、『優しさ』…」
オオヤビコ「その3つを持って、
ワシはその者の持つ『可能性』だと思っておる」
あ「それをオオクニヌシさんに感じたと…」
ス「まぁそういうことやわな」
オオヤビコ「大きなことを成し遂げる者は、
それと同じだけ多くの者にも支え、助けられる。
そのことを学ぶ上で、
オオクニヌシという神は、
これ以上ない立派な可能性を持った神だと、
ワシは思う」
あ「…そうですか…」
オオヤビコ「…それにしても…」
あ「?」
オオヤビコ「お主も中々悪くない…。
今多くの者に支えてもらっている、
実感があるのではないか?」
あ「はい。
このブログを始めてから、全国各地の方々に。
本当におかげさまで…」
オオヤビコ「『おかげさま』。
その気持ちを、決して忘れてはならん。
そして同時に、
その支えて頂いた思いと力は、
決して自分のためだけに使ってはならん。
人を喜ばせ、
社会を潤し、
未来に繋げるために、
活かすことが出来るならば、
必ずや尽きることのない繁栄が、
そなたにも、
その周囲にももたらされるであろう」
あ「………は、はい」
ス「ええこと言ってくれたな。
心にしっかり刻んどけよ」
オオヤビコ「ワシから伝えることは以上じゃ。
じゃ、じゃ、じゃ!!
ファオッ!ファオッ!アォォォォウッ!!」
あ&ス「(これが無かったらなぁ…)」
『木の神』。
オオヤビコとの出会いを経て、
まだまだ僕らの『オオクニヌシの国造りの地』を巡る旅は、
続いていく。
次は、
新潟県 天津神社 ~ヌナカワ姫編~をお贈り致します
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※『笑って、泣いて、神話を学ぶ』、日本の国の始まりと神々のルーツを知る史上最古の連載ファンタジー『アウトロー古事記』、第1話目はこちら☆