前橋アートの最前線 | 今日はどこへ行きましょうか

今日はどこへ行きましょうか

ゆっきーの徒然日記帳

今年は本当に雪が降らないですねえ。

毎年、お正月にはスキーに行くんですけど・・・びっくりです。

片品高原までの道のり、まったく周りに雪がなく。

スキー場の駐車場にも雪がなく。

リフト券売り場はコース内を滑っていけるはずなのですが、いったんスキー板をはずして、道路を渡って、買うという。

そしてコースの横にはすぐアスファルトが出てて、これじゃコースアウトする前に路上を滑ることになりますよ。

地球温暖化をなんとか防がないといけません。

 

そこで、先日観たオラファー・エリアソンさんの作ったものが、地球を救うかも?

これ、サンクッカーという太陽光を集めて肉とか焼いちゃう器具を組み合わせたもの。

ごはん作るのに時間はかかるが、電気はつかわない。

 

・・・なんて前置きで始まりましたが、ここは群馬県前橋市の「アーツ前橋」というアート施設。

こちらで今、「ニューホライズン」というイベントを実施中です。

アーツ前橋を中心とし、街中にアートを散りばめています。

現代アートの中でも特に最先端を味わえるということで、わくわく。

 

なお最初にお断りします。

致命的なことに作品紹介の資料をもらい忘れたため、以下はうろおぼえと拙い知識で書いております。

あしからず。グラサン

でも、アートは作者で観るんじゃないぜ、心で観るんだぜ!グラサン

なんとなく勝ったフリして、ミスを隠すぜ!グラサン

 

まずは、本丸のアーツ前橋。

松山智一さんの作品。

独特の美しさと奥行き感のなさが、最先端の日本画ですねー。

村上隆さんはじめとする、こういった新しい日本の絵っていうのは、これからすごく楽しみ。

ただちょうど今、弘前れんが倉庫美術館で個展をやっていますが・・・青森は前年に行ったばっかりだからお財布がきびしいので自粛ショボーン

 

すごいなこれ、という超絶技巧。

観た感じ、油絵で顔を描いたあとぐしゃっとやったように見える絵。

よーく観ると。

そのトロンとした油絵の状況を、描いてるんです。

いやすごい、どうやって描いてるの?

 

アーツ前橋は地下がありまして、そこに降りる階段には、小便小僧。

いろんな色のプラスチック板を何層にも重ねて、それを削り出しています。

なんというアイデア。

 

NHKの「魔改造の夜」って番組によく出演されてるアーティスト、スプツニ子!さんの作品は、神秘的。

ブラックライトに反応する細かな糸?でできた部品を吊っています。

ただ観ただけでは、「あー、いろんなものが吊られているな」ぐらいなのですが、スクリーンをとおして観ると、ごらんのとおりそこに光る人が立ってるように見えます。

スプツニ子!さんは最先端テクノロジーをつかってビックリさせるような作品が持ち味。

これも「魔改造」ですな。

 

大部屋にもびっくり作品。

いろんな人の絵がびっしり!

と思ったら。

薄い黒い板をレーザーカットして、床に立ててるんです。

じっと観てると、遠近感が曖昧になってきて、頭が混乱します。

でもひとりひとりの様子が、日常生活で「あ、こんなひといるいる!」って感じで、ほっこりします。

 

廊下の絵で、なんかグッときたのがこちら。

月明かりに照らされる林の絵、なんですが、陰影がどこか非現実的で、それでいてどこかで見たような景色。

新しい感性の風景画だなあと見入ってしまいました。

 

冒頭で紹介したオラファー・エリアソンさんの作品の後ろを行くと、すごい圧力の作品が。

うねうね、うねうねうね。

波のような溶岩のような、色とりどりのドットが有機的に蠢く、巨大画面。

くらくらするからベンチに座って鑑賞。

自分が色彩の渦にダイブする感覚になります。

 

アーツ前橋を出て、街中散策。

ガムテープ作家の関口光太郎さんの作品は、むかしながらのアーケード街に点在。

こんなの。

こんなのも。

こんなのも。

すごいな、これほんとにガムテープ?

 

ちなみにこの爆走自転車の上空には、雲が浮いてます。

アンドリュー・ビンクリーさんの作品。

 

おもしろかったのは、スマホのカメラで周りを撮ると、壁とかに未来の交通標識が出るというやつ。

この右の看板が、そう。

おもしろくて色々撮ってたら、凄まじくスマホの電池がなくなってしまったので、途中で断念。ガーン

撮りすぎ注意です。

 

こんな作品も。

ビルの壁面のパネルにグラフィティアート?

これは、ちゃんと筆で書いてる「書」なんです。

 

なんだかちょっと入りづらい外観のHOWZEという雑居ビル(いまはお店がいっこも無い)に入ります。

こちらの、元キャバレーだった店内を使った、蜷川実花さんのインスタレーションが強烈。

入り口からして、なんだかすごい。

 

中に入ると、別世界が広がります。

花の映像がちらつくテレビと怪しい水槽、そしてステージの光る花。

映画「ヘルタースケルター」を彷彿とさせる、怪しくも美しい蜷川ワールド。

横のお部屋には、たくさんの花。

咲き誇る花の間に、枯れた花。

実はこれ、本物の花と造花を並べて展示し続けてるんです。

本物の花が枯れていく様を写真に撮って、横に並べています。

現実と虚構を並べて表し、美しいものは枯れていく現実を執拗なまでに追い続けます。

 

ほかの階にも異様な空間。

たくさんのスクリーンとネオン管。

蜷川さんの作品と色味は似てるけど、こちらは近未来な感じ。

壁のパネルには、一瞬、絵と思わせるようなCGが。

少しづつ変化していく様子が、飽きません。

 

別の階は、真っ暗闇。

ときどきまばゆいフラッシュ。

写真だとふつうに明るいですが、これは一瞬の景色です。

フラッシュの点滅がまるで生き物のようで、とても面白いです。

長く見てると疲れちゃいますが。

 

ギャラリーでもある前橋ガレリア。

額にはびっしりと凸面レンズが敷き詰められ、額のうしろの映像が動くと、ぐねぐねと乱反射。

それでこの不思議な絵が生まれます。

 

女の子の映像なのでしょうが、目の部分が刻々と変化するもんで、なんだか人でないものに見つめられているみたいで落ち着きません。

 

そんなこんなで、夜になってきました。

前橋の誇るアートホテルである、白井屋ホテル。

イルミネーションがきれいですね。

元は普通のホテルで、しかも経営難。

それをアートの力でV字回復させたんですよね。

 

こちらのエントランス、三家俊彦さんの作品がタダで観られます。

美しく銀色に光るオブジェ、全部アルミホイルでできてるんですって。

ガムテープといい、アルミホイルといい、極めるってすごいな。

 

というわけで、まる1日かければ前橋のアートを全部見て回れるぐらいの規模なので、かなりおすすめ。

時間のない人は、アーツ前橋だけ観るだけでも満足でしょう。

2月12日までだから、興味のある人はお早めに!

アートの最先端を、ゆるゆると楽しめますよ。