令和の清少納言 幸坂 ゆうあです。
※こちらは2019年10月29日に掲載した記事を加筆修正したものです。
初めての方へ
2015年に書いた☆2011年に起きた出来事の自分史☆
「ある日突然仕事に行けなくなった編」を再アップしました。
よく考えたら保育士じゃなくなってから、もう１０年近いんですね。
それでも改めて、振り返りを書いてみます。
もちろん体調とか、産休とか。
致し方ないことはたくさんありますが、
年度の途中の担任交代ってどこの園でもきっと避けたいことだと思うんです。
私自身も、年度途中でやめる保育士さんに対して昔は
「無責任やんな」って思っていたし、怒ってました。
いや、ほんと怖かったんだよね。当時のあたしって。
そんな自分が
まさかこのような形で退職することになるなんて。
というか、「この仕事をやめる」事になるなんて
実際にこうなるまでは思いもしなかったのです。
２６年の保育士生活の中で、わたしも
結婚し、家庭を持ち、
出産し、産休をとり、復職し、子育てし・・・・。
という変化とともに
年月とともに年齢も重ね、
だけど、同時に「経験」も重ねているはずという立場になっており。
このころすべてが噛み合わなくなっていることも
「渦中にいることで」全然気づいていませんでした。
まるで、
必死で底なしプールで浮かぼうともがき続けてるみたいな？
全く周囲の状況も人の気持ちも
どころか
自分の本当の思いさえ見えないわけですよ。
この保護者の存在は確かに
「私の保育士生命を絶った人」としては（笑）
いろんな意味で大きかった。
でも、あの出来事が起こらなかったら。
保育士をあのまま続けていたら
それも、今思うとぞっとします。
溺死だよね。
わたしはこの保護者を
「私を退職へ追いやったひどい人」に仕立て上げて
保育園を去ったわけですけど
でも、本当はね。
この人の存在があったからこそ、
私は仕事を「辞めることができた」
もしかして恩人・・・・・・？（苦笑）
毎日の家庭のことも、もちろん大きかった。
さらに、
もうできないことわからないことを人に言えないで「できているフリ」をするのも限界でした。
若いころのように「強引な怒りのパワーで乗り越える」ももうなかった。
きっかけがこれだっただけで、
あのまま仕事を続けることは、きっとやき切れちゃうことにはなっていたことだけはわかります。
きっと、自分でそうならないように、私が自分で
かわいそうな私を演じてでも仕事をやすむ（やめる）方法
を、心のなかで探しててたんですよね、きっと。
ちょっと精神的な話になっちゃうけど
思えば、その保護者が普段直訴していたことは
そのころの私の思考そのままでした。
どんなものかというと
・私は一生懸命この仕事をしている。
（こんなに頑張ってる私をもっと認めてくれよ）
・子どもを生んだのは二人の合意の上なのに旦那は子どもの面倒をみないのが不満だ。私ばかりが損している。
（私の思いや気持ちを理解してくれよ）
・親には子どもの面倒を見てもらっているけど、その代わり育児や仕事のことをあれこれいろいろ言われるのがイヤだから極力迎えにこさせたくない、自分で送り迎えするしかない。
（自分の都合や要求どおりに周りを変えたいのに変わってくれない、周りは自分の敵だ。）
などなど。
恥ずかしいけど、今ならわかるんです。
怒りで相手をムリヤリ思い通りにしようとするところも、
周りに誰か自分より劣る人をつくって、その人に責任を押し付けて「あんたが悪い」と追い込んでいくところも、
（そういう人をつくっておかないと、自分ができていないことを周囲に悟られるのが怖かったです。）
私が普段、
家庭や人間関係でしていることを、
まんまその保護者はみせてくれていたってこと。
ほんとは自分だったんだよね。
とにかく。
当時私はこの仕事をしていく上だけではなく、
すべての上で「未熟」でした。
（もちろん、今も決して完璧ではありませんけど(^^♪）
【できないこと】【わからないこと】を隠していました。
できない自分への怒りはいつも溜め込んでいて
その怒りで人を攻撃していました。
大迷惑な話です。
だから
「この仕事に誇りをもってやっている」
というのとも「ちょっと」違ったのです。
思い出せばこの年は、四月からずうっとなぜだかわたしだけがクレームを受けていました。
ホントにわたしばかりやんって思ってましたね。
部下はいっぱいいるのになぜあたし？って（苦笑）
この保護者の方にも
「若い先生ならそれでいいけど、キャリアあるのにその対応はなに？」
と言われていました。
確かに。
周囲に「自分より能力ない（ようにみえる）ひと」をおくことで
その場その場をしのいできたわたしには
能力的になにより人間的に鍍金がはがれてきていた
というか
鍍金なんてのもなかったかもしれない。
それを見透かされていたんじゃあないかなってね。
人をこきおろすようなことで培ってきたものは
こんなときには、砂山が崩れるようにあとかたもなく消えるんですよね。
それって間違いなく「ホンモノ」じゃないです。
今となって言えることかもしれないけど
あのまま続けていたらいずれ
本当におおきなミスをおかしてしまったかもしれない。
こどもたちを守れなかったことは事実やけど
小さな命を預かる大切な仕事。
この頃の生き方では、限界やったと思います。
もしもね、
あのころの自分の横に
今の私がいたら
言ってあげたいの。
しんどい、つらい、わからない、怖い、できない。
わたしはこんなふうに感じている、
etc。etc
保育士だって人間だもの。
プロだって失敗やできないときがあるの
イチローだって４割打てて６割は打たないの。
怒らなくても
消えなくても（笑）
ごまかさなくても
隠さなくても
自分の思いをもっと自由に正直に表現していいんだよ。ってね。
とはいえ、
私が今のような
「自分の愛する人生を生きる」なんてことをお話できるようになるまでには、もう少し先で
２０１１年３月に退職した１週間後からの私は
まさに「人生に翻弄」されまくります。
たまにね
あの当時気付けていたら・・・・
と過ぎることはなくはないんですけど（苦笑）
きっとそれは「たら」「れば」の世界で
そして
この経験があったからこそ
今の私がいるんだなあって今回これを書いていて
改めて実感しました。
大変だからこそ
日々の子どもたちに感動したり
パワーもらえることも多かった。
随分してから
辞めたときに担当してた子どもの
お母さんに会ったときにね。
「先生いなくなってから、うちの子、毎朝先生探して泣いて
大変やったんよ・・・」
って。
泣けちゃった。
こんな私が保育士という仕事を続けてこれたのも
こうして一年の中で
「タイヘン」なことがいっぱいな中に「しあわせなこと」を
見つける喜びがあったからなんだけど。
そんな保育士というお仕事だからこそ
「我慢」しすぎることで「小さな幸せを感じる心」に蓋をしないでほしい。
もしも、いろんな理由で
辞めたい、しんどい、ツライ
そんな思いを抱えて毎日職場に向かっているんだとしたら。
わたし、そんな保育士さんの悩みを聞いたり
寄り添うことが、できるんじゃないかなって
思っています。
知ってるよ。
保育士さんは頑張り屋さんが多い。
それは決して悪くない。
そして
ギリギリまで、がんばらなくていいんだよ。
元職場のことは本当に感謝しています。
私が保育士時代に子どもとしてきた楽しかったことって
おうちでも今なかなかできない一対一で楽しむこと。
この時間を確保できる保育を推奨してもらっているって
しあわせなこと。
「自分が満たされないと、周囲に心はむけられない。」
保育理念を【言葉の羅列】で読んでいても心には沁みない。
当時の私はそこに
驚くほど鈍感だったのでした。
さてまだここから。
続きは
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