視床下部を冒涜するな!!その3 月経周期に関連して | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

  視床下部は同じく脳の中にある下垂体に指令し卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の2種類のホルモンを通して卵巣を調節しています。
  卵巣の働きを調節している中枢は脳の中にある視床下部です。
  はじめに、生理が起きた後に下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されます。
 FSHに反応して卵巣では卵胞の発育が始まり、卵胞の成長に伴いエストロゲンの分泌が増加します。脳にはエストロゲンを認識する受容体があり、エストロゲンの濃度をモニターしています。
 脳の中枢がエストロゲンが充分分泌されていると判断すると次のステップとして下垂体から黄体化ホルモン(LH)を分泌します。LHが卵胞に作用すると排卵が起こります。
 このように視床下部・下垂体と卵巣はホルモンのキャッチボールを通じて絶妙な調節を行なっています。

 

 月経は女性の生殖機能の主要な指標です.


 ヒトの月経周期は視床下部-下垂体-卵巣系の相互作用によって妊娠および授乳期間中を除き,初経時から閉経時まで繰り返し起こるもので,卵胞期,排卵期,黄体期に分類されます.
 卵胞期には視床下部の神経細胞から性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gn-RH: Gonadotropin-releasing hormone)が分泌され,その作用で下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH: Follicle- stimulating hormone)と黄体化ホルモン(LH: Luteinizing hormone)が分泌されて卵胞発育を誘導します.卵胞からは女性ホルモン(エストロゲン) が分泌され,その作用で子宮内膜が増殖します.さらに卵胞からのエストロゲンの産生がピークに達すると下垂体から大量のLH の分泌(LH surge)が起こり排卵が誘導されます.
 排卵した卵胞からは黄体が形成されて大量の黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され,その作用により子宮内膜は妊娠に適した状態へ変化します.
 妊娠が成立しなかった場合は,黄体機能は14日で消失してプロゲステロン産生が急減し,子宮内膜は剥離して月経が発来します.このとき子宮内でのプロスタグランディンF₂αの産生亢進による子宮筋の律動的な収縮が起こり剥離した子宮内膜組織は子宮外へ放出されます.


 このバランスが崩れた時に生理不順が起きたり、更年期障害となります。


 視床下部と下垂体からのホルモンの分泌は、中枢神経系によって調節されています。
 ストレス、睡眠、血圧などによって視床下部と下垂体から分泌されるホルモンの量が変動しますが、この変動の多くは、中枢神経によって調節されています。
  このように、視床下部と下垂体は、ホメオスターシスの2角を構成しています。

 

ホルモンの分泌と視床下部と密接な関係

 

 ホメオスターシスには、自律神経系によるホルモンによる体液性の調整があります。このホルモンの分泌もまた、自律神経をつかさどる視床下部と密接な関係にあります。それもそのはず、ホルモンは視床下部のすぐ下にある脳下垂体というところから分泌されていて、分泌を命じたり、分泌量の増減を調整したりするのが視床下部の役目だからです。
 脳下垂体は、視床下部の指令に基づいて成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、乳腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモンなどを分泌します。このとき、視床下部は一方的に脳下垂体に指令を出しているのではなく、ホルモンの分泌によって、逆に影響を受けることもあるのです。そのため、ホルモン分泌に異常が生じると、視床下部の変調を招き、自律神経を乱れさせる原因になってしまいます。神経性の調整とともに、自律神経失調症が女性に多いのは、毎月の排卵や月経、妊娠、出産、更年期、閉経という性周期がホルモンの作用と密接に関係しているのが理由です。また、精神的な悩みやショックにより視床下部が正常に機能しないと、ホルモン分泌にも影響するので月経のリズムが狂うのです。

 

 人間には、生体リズムと呼ばれる、身体のリズムを整えるための体内時計が備わっています。    
 生体リズムは、月経周期をつかさどったり、心拍や呼吸のリズムや睡眠のリズムを整えるなど、様々な役割を担っています。                       
 このため、生体リズムには、1分単位で刻まれるものから1年単位で刻まれるものまで、様々なリズムが存在しています。                                     
 中でも、1日24時間の周期のことを、サーカディアンリズム(概日リズム)と呼んでいます。   
 これらの体内時計が作り出される中枢は、脳の視床下部にある、視交叉上核(しこうさじょうかく)と呼ばれる場所に存在しています。

 

 このように、月経周期には、視床下部および脳の視床下部にある、視交叉上核が重要な役割を果たしています。


「月経関連片頭痛」


 この月経によって引き起こされた片頭痛を「月経時片頭痛」と呼んでいます。
 そして、女性の約半数が、月経周期に関連して起こるとされています。


 それでは、なぜ、女性の片頭痛では、全員がなぜ、月経時に片頭痛がおきないのでしょうか?

 

 専門医は、このことを明確にされることはありません。


「月経関連片頭痛」の特徴として、以下のようなものが挙げられています。


 前兆はないことが多い
 頭痛発作の持続時間が長い
 吐き気などの症状が強く、重症化しやすい
 一旦よくなってもまた再発しやすい
 痛み止めが効きにくい
 女性の約半数が、月経周期に関連して起こる
 月経前に、多くの人がむくみや妙に甘いものが食べたくなる、あくびが出るなどの症状


 エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が減ると 脳内のセロトニンも減少します。セロトニンには血管の収縮をコントロールしたり、痛みを抑えたりする働きがあるので、これが減少すると痛みに過敏になって頭痛が起こりやすくなると考えられます。
 女性の生理前から生理中にかけて発生する頭痛は、PMS(月経前症候群)や月経痛の一種と思われがちですが、片頭痛であることが多いのです。女性ホルモンの一つであるエストロゲンの血中濃度は月経前に低下するのですが、このエストロゲンの急激な減少が片頭痛を引き起こす強力な誘発因子となると考えられています。


 この月経によって引き起こされた片頭痛「月経時片頭痛」の特徴として、月経前に、多くの人がむくみや妙に甘いものが食べたくなる、あくびが出るなどの症状があります。


予兆と脳内セロトニンの低下


 「月経時片頭痛」の特徴として、「前兆のない片頭痛」が多いとされています


 「前兆のない片頭痛」の場合には、どんな前ぶれが出るのでしょうか?


 その症状はさまざまですが、多いものとしては、首すじや肩の張り、生あくび、具体的な症状は出ないが何となく予知感(頭痛がおこりそうな感じ)がある、軽い頭痛がする、といったものです。
 また、それほど多くはないのですが、腹部にも症状が現れる人もいます。膨満感、排便感、吐き気(悪心)逆に食欲亢進など、胃腸の蠕動運動の乱れによる症状が現れます。
 「前兆のある片頭痛」と 「前兆のない片頭痛」の分けて、日本人では「前兆のある片頭痛」として、閃輝暗点と呼ばれる視覚の異常が多いとされ、「前兆のない片頭痛」としては、具体的な症状は出ないが何となく予知感(頭痛がおこりそうな感じ)があるとされています。

 これは予兆と称されるものです。
 この予兆と呼ばれる症状としては、あくびが出るとか,異常にお腹がすくとか,イライラするとか,眠くなるなどの症状のことをさしています。


 片頭痛の患者さんでは、ミトコンドリアの機能が低下していますので、同時にセロトニン神経系の働きが悪くなっています。
 ですから生活習慣の問題から「脳内セロトニンが低下した状態」が潜在的にあります。
 片頭痛発作時には、”さらに”脳内セロトニンが低下し、これが片頭痛の発作に繋がってきます。 

 脳内セロトニンは、脳内の様々な神経伝達物質に作用して「精神を安定させる」役割を持っており、さらに「満腹感」を感じさせ、食欲を抑制する作用も持っています。このため、強いストレスを感じたりイライラする時に甘いものや肉類などを食べたくなります。 これは脳内セロトニンが低下したためです。
 脳内セロトニンは、精神安定作用と食欲コントロール作用を合わせ持っていますので、片頭痛発作前は脳内セロトニンが不足しており「精神的不安定」と「食べたい!」という欲求がよく連動して現れます。
 このため、片頭痛の予兆として、無性に空腹を感じて、甘い物を食べたくなる、イライラするとか,眠くなるなどの症状が起きてくる場合もあります。
 これは脳内セロトニンの低下によるものです。
 さらに、発作が鎮まった後も気分の変調があったりするのは、なお「脳内セロトニンの低下」が残存しているものと思われます。


 これとは別の症状として、片頭痛が起きる予兆として、1週間前や数時間前に、”生あくび”が続けて出ることがあります。
 セロトニンを分泌する縫線核は、呼吸中枢にセロトニンを送って呼吸量を調整しています。縫線核は毛細血管中にセンサーを持っていて、血液中の酸素量などをチェックしているのです。体内の酸素量が不足したときにはセロトニンの分泌量を増やし、呼吸中枢を刺激します。
 したがって、セロトニンが不足すると中枢神経を十分に刺激できなくなります。そうなると酸素不足のままか、より不足した状態におかれることになりますので、それならば酸素をたくさん入れなければと、反応して生あくびが出るのだと考えられています。
 片頭痛発作前には、脳内セロトニンが低下しているため、このため片頭痛の予兆として、生あくびが頻発してくる場合があります。


 ただ、片頭痛患者さんすべてにこのような予兆がみられる訳ではありません。
 このため、こうした予兆のある場合は、「脳内セロトニンの低下」が著しい状態にあるものと考えるべきです。


夜中に発作を起こす・・ノンレム、レム睡眠


 片頭痛の方で、夜中に発作を起こすことがあります。その理由は、私たちの脳は睡眠中はおよそ2時間おきに、深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)を繰り返しています。浅い眠りのときには脳が活発に活動するため、血流が増加します。
 血流の増加が刺激となって、活性酸素が過剰に産生されることによって、頭痛を引き起こす一因になっていることがあります。


 また、脳内セロトニン不足ため、メラトニンが不足することにより、睡眠中の”中途覚醒、頭痛”「睡眠時頭痛」を引き起こすことになります。
 このように考えますと、「睡眠時頭痛」は”群発頭痛”のようなものなのかもしれません。
 このように、片頭痛・群発頭痛・睡眠時無呼吸による頭痛・睡眠時頭痛にしてもすべて睡眠に関連して生ずる頭痛は、「セロトニン神経系・脳内セロトニン」の観点から論ずるべきものであり、その根底にある病態そのものは共通したものと考えるべきです。
 そして、根源的には、片頭痛も群発頭痛も一連のものと考えるべきと思われます。
 片頭痛の発症はレム睡眠の回数と直接的な関係があるとされ,群発頭痛の場合はこの関係はより顕著であると従来より指摘されています。


 実際に臨床的に、群発頭痛の場合、最初は片頭痛のようなパターンをとりながら、ある時期から群発頭痛へ移行したり、片頭痛と群発頭痛との間を行ったり来たりする場合も経験されます。なかには、片頭痛とも群発頭痛ともいえないような中間の位置にあるとしか思われない方が多く経験されます。


 群発頭痛は「体内時計」の乱れによって起きてくることが従来から指摘されています。 体内時計は、ミトコンドリア、セロトニンと関係があります。このため、体内時計が、このミトコンドリアとセロトニンとどのように関与しているのかを、現段階での知識を整理しておく必要があります。


 それでは、どうしてこのように、「脳内セロトニンの低下」が片頭痛の出ない時期に潜在的に存在しているのでしょうか?


 片頭痛の方はもともと活性の低いミトコンドリアを引き継いでいるわけですので、直ぐに活性を高めるということは困難だと思いますが、少なくとも殺すことを止め、元気を取り戻す刺激を与えれば、片頭痛の原因とならない程度には回復できるものと考えています。
 このため母親から引き継がれたミトコンドリアは数も少なく、働きもわるいため、セロトニン神経系の機能も、同じように悪い状態にあります。
 ここに、生活習慣の不規則・ストレスや、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。

 Diksicらによれば、健常男性は女性より約52%脳内セロトニンを産生する能力が高く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では脳内セロトニン合成が男性の4倍減少する、と言われています。
 (Diksic M. et al.,94: 5308-5313, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1997)


 このため、「脳内セロトニン低下」の状態が潜在的に存在することになります。
 こういった状態に、生理時にエストロゲンが低下し、これが顕在化してくる訳です。
 ただ、片頭痛を持つ女性全員ではなく、半数近くのひとがこういった状態にあるということです。この状態にあるかどうかは、毎回、生理時に片頭痛発作がみられ、発作時の予兆として、どのような症状をともなっているかで判断すべきです。


「生理痛」と「月経時片頭痛」の異同


生理痛とは

 
 最近、興味あるブログを目にしました。それは「生理痛」に関するものです。それは、「kaolune のSweet Days 」です。kaoluneさんによれば、「生理痛」の原因として、10の要因を挙げておられます。「冷え」「血液の質」「血液の量」「骨盤の開閉」「カラダの歪み」「ストレスによるホルモン異常」「エストロゲン過剰」「毒素の排泄」「マグネシウム不足」「子宮が未成熟」です。
 kaoluneさんによれば、単純に述べれば、マグネシウム・セロトニン・メラトニン・有害物質の摂取(脂肪酸・環境ホルモン)・生理活性物質の乱れを指摘され、まさしく「生理痛」とは「片頭痛」そのもののような錯覚を覚える程類似しているようです。
 kaoluneの申されるには、「私も生理痛があった若かりし頃、片頭痛にも大変悩まされており、まさにその仕組みを知って食や生活習慣を変えてからはどちらもなくなりました。お薬を飲むのは簡単ですが、いろんな角度から自分を振り返り、変えられることから変えてみて、再発しなくなるのが一番だと思っております。」
 ここが、最も大切なことのように思えてなりません。


 さらに詳しくは、以下をご覧下さい。


    「生理痛」と「月経時片頭痛」の異同
      
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-11945913540.html


 このようなことから、月経時に片頭痛が起きる場合は、常日頃、脳内セロトニンを増やす工夫を行い、マグネシウムの補充、脂肪を摂り過ぎないように注意しなくてはなりません。


月経前症候群(PMS)


  とにかくイライラして人に当たってしまう
  すぐに涙が出てしまう
  理由なく不安に陥り、気分が沈んでしまう
  肌が荒れる
  眠れなくなる

 

 月経前になると、イライラする、気分が沈んでしまう、からだの具合が悪くなる、というような症状は、女性の約80%の方が経験しているといわれています。このような、排卵から月経開始までの時期に現れる身体的・精神的不快な症状を総じて、月経前症候群(PMS)といいます。 症状はほんとうに個人々で差があります。日本での認識はまだ低いのですが欧米では仕事上の失敗、家族関係悪化や犯罪もこの時期に多いと報告されています。 PMSの名前がまだあまり知られていないために自分で気がつかないというケースも多いようです。 原因としてホルモンの過不足であると考えられていますが、セロトニンの低下、ビタミンの欠乏、ストレスなどいろいろな説があります。未だにはっきりとは解決できていません。治療は、じぶんがPMSと気づく、ストレス等へのセルフケア、PMSの記録をつけることからはじめます。


月経前症候群(PMS)の症状は身体的な症状と精神的な症状に分けられます。


身体症状

 

 動悸、頭痛、腹痛、関節痛、腹部の張り、腰痛、乳房の張りと痛み、食欲の変化、便秘、下腹部のけいれん痛、圧迫感、重い感じ、めまい、疲労感、ほてり、不眠、吐き気、手足のしびれ、ニキビ・じんま疹などの皮膚症状、手足のむくみ、体重増加


精神症状

 

 イライラ、涙もろくなる、無気力、混乱、うつ、集中力の低下、記憶力の低下、刺激に過敏になる、神経質になる、気分にむらが出る、短気


 月経前症候群(PMS)が発症する直接の原因は不明ですが、女性ホルモンのひとつである黄体ホルモン(プロゲステロン)が関係しているのは確かとされています。黄体ホルモンは、子宮内膜を厚くして妊娠しやすい体を作るホルモンです。

 排卵後の黄体期に多く分泌され、妊娠に備えて、食欲を増したり、基礎体温を上げたり、体の水分の排出を抑えたりするなど、体の中でいろいろな現象を誘発します。妊娠が成立しないと、黄体ホルモンの分泌は急激に減り、不要になった子宮内膜を体の外に排出する月経が起こります。この黄体ホルモンの増減が、体に何らかの作用をして、むくみや張り、頭痛などのさまざまな症状を引き起こしていると考えられています。

 黄体ホルモンは、セロトニンやドパミン、ノルアドレナリンなど、感情を調整する脳の神経伝達物質にも作用しています。黄体ホルモンの影響を受けやすい性質を持っている場合は、黄体ホルモンの増減によって神経が過敏になり、心の変化が起こりやすくなります。また、これらの神経伝達物質は、ストレスや生活リズムと関係するため、生活習慣が症状の現れ方に影響を与えると考えられます。

 月経前症候群(PMS)が発症する直接の原因は不明ですが、女性ホルモンのひとつである黄体ホルモン(プロゲステロン)が関係しているのは確かとされています。黄体ホルモンは、子宮内膜を厚くして妊娠しやすい体を作るホルモンです。


 排卵後の黄体期に多く分泌され、妊娠に備えて、食欲を増したり、基礎体温を上げたり、体の水分の排出を抑えたりするなど、体の中でいろいろな現象を誘発します。妊娠が成立しないと、黄体ホルモンの分泌は急激に減り、不要になった子宮内膜を体の外に排出する月経が起こります。この黄体ホルモンの増減が、体に何らかの作用をして、むくみや張り、頭痛などのさまざまな症状を引き起こしていると考えられています。
月経前症候群(PMS)が発症する直接の原因は不明ですが、女性ホルモンのひとつである黄体ホルモン(プロゲステロン)が関係しているのは確かとされています。黄体ホルモンは、子宮内膜を厚くして妊娠しやすい体を作るホルモンです。


   排卵のリズムがある女性の場合、排卵から月経までの期間(黄体期)にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されます。この黄体期の後半に卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが、月経前症候群の原因と考えられています。しかし、脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響を受けるため、月経前症候群は女性ホルモンの低下だけが原因ではなく多くの要因から起こるといわれています。


 セロトニン神経の起始核である縫線核にはエストロゲンの受容体が豊富であり、性周期に伴う気分の変動についても、エストロゲン濃度の変動が影響していることが考えられます。


 PMS(月経前症候群)の症状緩和にマグネシウムが非常に有効であることは、この18年間の研究報告によって明らかにされています。
 特に、足のむくみ、体重増加、胸の張りにマグネシウムは有効です。
 PMSの症状だけでなく、生理中でもマグネシウムはきちんと働いてくれます。子宮の筋肉が収縮しやすい生理中の時期は、マグネシウムの助けにより、筋肉の緊張を緩和していきます。そのため、生理痛などに悩む方も、排卵期からマグネシウムを多めに摂取しておけば、生理痛緩和にも役立ちます。
 また、マグネシウム自体を摂取しすぎても、体外に排出されやすいため、多めに取っても問題ありません。
 一般にマグネシウムが不足すると筋肉の痙攣を来すことは知られていますが、女性の場合には、月経困難の主たる原因ともなります。
 また、マグネシウムが不足すると、キャンディ、チョコレートなどの甘いものが欲しくなります。
 PMSの症状に体重の増加、ニキビが見られるのもこのためです。
 人はマグネシウム不足によって脳がストレス状態にあり、甘いものを切望するシグナル出すとき、これに抵抗するための意志をほとんど持っていません。 結果として、この強い切望状態に陥った女性の多くは、糖分過多状態になります。
 ですから、考え方によっては、減量のためのダイエットや体重コントロールを無理無く実現させるためには、PMSをコントロールすることが重要であると言えます。

 女性の生理周期を考えた場合、エストロゲン(卵胞ホルモン)というホルモンが生理がはじまってから10日目ころから上昇し、13から14日目の排卵期をピークに下降しますが、血中のマグネシウムがエストロゲンの作用によって骨と筋肉に集中するため、このときに血中および脳内のマグネシウム量は低下します。
 生理の中期に慢性頭痛がおこる原因の1つにはこのマグネシウムが背景にあり、脳内のマグネシウムが低下することで起こることが少なくありません。
 閉経初期の女性でホルモン補充療法(HRT)を受けた女性の中に、エストロゲン補充開始当初に頭痛がひどくなるケースの多くは脳内のマグネシウム量の低下であることがあります。


 後は、月経時の片頭痛と同様に、日頃から、脳内セロトニンを増やす工夫も行うべきと考えています。


 以上のように、セロトニン神経の起始核である縫線核にはエストロゲンの受容体が豊富であり、性周期とセロトニン神経系の関与を想定しなくてはなりません。
 そうなれば、この「生体のリズム」は「ホメオスターシス(自然治癒力)」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。
 このように女性の片頭痛では、”生体のリズム”そのものでコントロールされているということです。


 片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。


 私達が日中活動している際に、常時活動している神経系がセロトニン神経系です。
 このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時に「セロトニン神経系の働き」まで悪くなってきます。
 セロトニン神経系は、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。


生理不順をひきおこすストレス


 月経周期の異常、生理不順をひきおこすストレス。歴史的に見ても、女性の生活環境に高いストレスが加わった時代は、多くの女性の月経サイクルに不調が起こったという記録が残されています。あなたの生活環境は大丈夫ですか?


歴史に見る生理不順を引き起こしたストレス


 毎日ゆったりとリラックスして過ごせるわけではありません。ストレスと月経周期の関係って?
 日本では昭和18年の終わりくらいから昭和20年の終戦前にかけて、婦人科外来に無月経の患者さんが増えたといいます。実はこれは「戦時無月経」というもの。戦時下という環境の中ではさまざまなストレスがあることは想像に難くありません。
 実は第二次世界大戦中、世界中のさまざまな場所で無月経が起こっていました。例えばドイツやロシアの収容所の中では無月経は珍しくなく、「収容所無月経」と呼ばれました。 なんと報告によっては5割、場所によっては9割の無月経が起こったといいます。
 戦争だけではありません。環境にまつわるさまざまな無月経があり、例えば1927年、若い女性が強制的に従事させられたときに見られた「農業労働無月経」、第一次世界大戦後のドイツでのインフレの時期に起こった「インフレ無月経」などなど、さまざまな無月経が報告されています。
 現代でも、入学や就職、外科手術、拘禁、ダイエットによる体重の減少、激しい運動をするスポーツ選手(体操・マラソン・長距離水泳など)に月経不順や無月経が認められています。生理不順・無月経とストレスは切っても切れない関係があるのです。


生理不順はどうして起こるの?

 
 生理不順、つまり月経周期が24日以下か39日以上になってしまう原因として、女性ホルモンのバランスが乱れてしまうことが考えられます。

 

 月経を直接コントロールするのは、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)。でも、少しややこしい話になりますが、この女性ホルモンの分泌は脳の中の下垂体でつくられる黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンによって、さらに細かい調節を受けています。


 つまり、元を正せば月経も脳でコントロールされているのです。さらに、脳の中で月経をコントロールしている視床下部ー下垂体という部分はストレスの影響を強く受けてしまう場所。つまり、環境や体重減少などの急激な体の変化でストレスが生じると、体が「危機」と感じとり、月経が乱れたり止まったりするのです。
 ちょっとしたストレスで一時的に生理が不順になっても、基礎体温を測ると温度の変化がはっきりしていて、だんだん元に戻ってくるようなら、心配は不要。しかし、生理不順の原因にはそれ以外にも、卵巣や子宮に病気が隠れている場合や下垂体機能異常、甲状腺の異常、お薬の副作用、などがあるので、3ヶ月以上生理不順が続くようならお医者さんを受診することをお薦めします。

 
 生理不順とストレスとの関係


 ストレスがなぜ生理不順の原因になるかというと、ホルモン分泌に大きな影響を与えるからです。月経サイクルを正常に行うにはホルモンのバランスが重要ですが、ストレスが溜まるとそのバランスが狂いやすくなります。
 どのようなストレスを感じているかは人それぞれで、職場で苦手な人がいて常にストレスを感じている人や、仕事の失敗などで一定期間だけ激しいストレスを感じているという人もいるでしょう。いずれのケースも生理不順を招いてしまうことになるので注意が必要です。月経が早く始まったり、逆に遅いことで不安になったら、最近何かしらストレスを感じなかったか考えてみましょう。
 また、ストレスを感じやすい性格の人もいます。些細なことでも深刻に受け止めたり、一つの問題にずっと悩んでいるような人だと、ストレスを発散できずに蓄積し、生理不順を引き起こすようになります。

 

 


 ところが、専門家は以下のように述べています。


片頭痛が起こる原因のひとつが「脳の視床下部」


 片頭痛が起こる原因は、まだはっきりとわかっていませんが、脳の視床下部が関係していると考えられています。視床下部は、ホルモンや体温の調整、心臓の機能維持などの重要な働きをしています。この視床下部で脳の電位・脳内物質などの何らかの変化が起こると、顔の皮膚の感覚を伝える三叉神経に炎症が起こったり、脳内の血管が拡張して三叉神経を刺激したりして、痛みが起きます。三叉神経の一部は脳の血管を取り巻くように通っているため、脈を打つようなズキンズキンという痛みが現れるのです。

 視床下部は、女性ホルモンの分泌や睡眠、食欲などをつかさどっているため、月経や排卵、出産や更年期、寝不足や寝過ぎ、空腹などが引き金になると考えられています。

 また、視床下部は自律神経もつかさどっているため、ストレスやストレスからの解放、まぶしい光、強いにおい、人混みや騒音、天候の変化、温度の変化や高い湿度、アルコールなども片頭痛を起こす引き金になると考えられています。

 

皆さんは、こうした考え方をどのように思われるでしょうか?