視床下部を冒涜するな!!その4 ホメオスターシス | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

自律神経のはたらき


人間の体内環境は常に一定になるように保たれています

 

 私たちの周りの環境は、絶えず変化しています。夏の暑さに、冬の寒さにそれぞれ私たちは着物を薄手にしたり、厚着したり、生活空間の温度を変えたりなど様々な工夫をしています。いつでもどんなに外気温が変化しても健康な人の体温は、おおよそ36度になるよう調節されています。あるいは食習慣について言えば、決まった時間に規則正しく食事を取る人も、あるいは不規則な食事を取る人も血液中の糖の濃度は、ある一定の範囲に保たれています。 このように体温、血圧、血糖などの調節は自律神経系や内分泌系の指令によって行われています。その他血液中のたんぱく質、電解質、酸素濃度なども体内の様々なセンサーにより監視され自律神経系と内分泌系の働きにより精密に調節されています。
 このような体内環境を一定に保つ能力は、体内恒常性維持機構 《Homeostasis:ホメオスタシス》(homeoは「同じ」「似ている」、stasisは「安定」「均衡」を意味します。)と呼ばれており、20世紀の中ごろに米国ハーバード大学医学部のウォルター・B・キャノンにより名づけられました。キャノンは自律神経系(特に交感神経)とそれにより支配されるアドレナリン分泌器官である副腎髄質が様々な体の内外の環境因子(寒冷、低酸素、低血糖、痛みなど)のストレス刺激が体を襲ったときに体内恒常性維持のために重要な役割を果たすことを明らかにしました。


自律神経の分布とはたらき


 自律神経は、内臓の器官・組織を支配しており、細胞活動の調節を行うことで、内分泌因子(ホルモン)の放出の調節を行い、ホルモン作用をコントロールします。その作用は強力で、わずかな量でも十分機能を果たします。ホルモンが標的の細胞に達すると様々な細胞機能の調節が起こります。


自律神経は何によってコントロールされているのでしょうか?


 実は自律神経は脳によってコントロールされています。その中でも特に視床下部という部分によって支配されています。(殆どの内分泌系も視床下部によってコントロールされています。)

 つまり、視床下部から自律神経を経由して内分泌器官・組織をコントロールする経路と視床下部から脳下垂体を経由して内分泌器官・組織をコントロールするという2つの経路があります。

 勿論、血糖が上昇すると膵臓のランゲルハンス島のβ細胞からインスリン分泌が起るように、内分泌細胞自体の環境によってもホルモン分泌はコントロールされます。

 話は少し横道にそれますが、人間の睡眠-覚醒、体温の変化、ホルモンの量、尿の生成量、胃腸の運度などの生理機能が規則的に変化していることをご存知でしょうか。この内で約24時間周期のリズムを概日リズムとよびます。概日リズムによる変化は外界の周期的な環境変動 [特に明(昼)、暗(夜)の繰り返し] の結果として生まれているのではなく、人間の体内に存在している約24時間リズムを刻む体内時計によってコントロールされていることがわかっています。この体内時計は脳の視床下部の中の視交叉上核という部分にあります。この視交叉上核が自律神経の中枢として機能し、血糖や血圧などの体内恒常性維持に重要な役割を果たすことが実験も含めた研究により明らかになってきました。
 ラットの脳内に糖の利用を阻害する物質(2-deoxy-D-glucouse:2DG)を投与し、脳をエネルギー欠乏状態にしておきます。(脳は糖を必須のエネルギー源としています。)このような状態で脳は糖を作るよう各臓器・組織に命令し、交感神経を興奮させ、副交感神経活動を抑制して、膵臓からのインスリン分泌を抑制し、膵臓からのグルカゴン分泌と副腎髄質からのアドレナリン分泌を促進して血糖を上昇させ脳のエネルギー欠乏状態を克服します。 脳・視床下部にある視交叉上核を破壊して同様の実験をしました。すると膵臓からインスリン分泌抑制、膵臓からのグルカゴン分泌と副腎髄質からのアドレナリン分泌の促進などの現象は消失しました。また神経を逆行する性質をもったウィルスを用い、これを末梢の臓器・組織に投与すると一週間後に視交叉上核でこのウィルスが見つかりました。このことから臓器・組織をコントロールしている神経を逆行して脳・視床下部・視交叉上核に到達したことがわかりました。


 これらの事実から脳(視交叉上核)は自律神経調整の中枢として機能し、末梢の臓器・組織の調整を行っていることがわかります。


ANBASが自律神経系を評価指標にする理由


 これまでの話をまとめますと、個体レベルでは脳、自律神経系、内分泌系が有機的に結び付いて体内外の環境変化に対応し、体温、血糖値、血圧などの極めて大切な生理的指標をある範囲内に維持しようとする機能を発揮していることがわかります。つまり何らかの環境因子の変化により、脳が血液中の糖の濃度が低下していると判断すれば以下のような情報伝達が起こります。


 『脳(視交叉上核から糖の濃度を上げよとの命令)⇒自律神経活動変化⇒内分泌系(膵臓β細胞でのインスリン分泌の低下、膵臓α細胞でのグルカゴン分泌の上昇)⇒生理機能指標の変化(血液中の糖濃度上昇)』


 という活動が起こります。言い換えれば生理機能がある方向に動いていれば、それに関係する内分泌系と自律神経系の活動も同じ方向に動くことを意味します。これまでの評価方法の多くは最終的な生理機能指標の変化として測定してきました。『脳(視床下部)⇒自律神経系(膵臓自律神経)⇒内分泌系(インスリン、グルカゴン)⇒生理機能(血糖)』という関係からすると内分泌を測定しても、自律神経を測定しても、変化の方向は定まっています。従って、どれか一つを測定すればよいことになります。この際、臓器・組織を支配する交感神経が興奮したからといって全ての臓器・組織の交感神経が興奮するのではなく、個々の交感神経で異なった活動変化が起りますので、それぞれの臓器・組織の自律神経活動を測定する必要があります。
 自律神経は応答性が非常に良く、短時間に変化が起るという利点からANBASでは自律神経の活動を評価指標にしています。

 
ホメオスタシスの要:視床下部


 脊髄と脳をつなぐ脳幹の上に対をなした卵型の視床があり、その下に視床下部と呼ばれる小さな領域があります。視床下部はホメオスタシスに関連する多くの身体活動を制御します。自律神経を制御し、心拍や胃腸の働きを調整します。また、視床下部に続く下垂体の働きを制御し、ホルモンの産生を司ります。神経系と内分泌系はこの視床下部によって連携した働きが出来るのです。更に、大脳辺縁系と共に、怒り、痛み、喜び等の感情を調節します。仕事上のストレスや人間関係のストレスがホメオスタシスを乱すのは、これら3つの働きが視床下部に集約されているためです。


 以上のように、視床下部はホメオスターシスの司令塔の役割を担っています。


 現在の臨床頭痛学では、ホメオスターシスの概念がありません。そのために・・


片頭痛が起こる原因のひとつが「脳の視床下部」


 片頭痛が起こる原因は、まだはっきりとわかっていませんが、脳の視床下部が関係していると考えられています。視床下部は、ホルモンや体温の調整、心臓の機能維持などの重要な働きをしています。この視床下部で脳の電位・脳内物質などの何らかの変化が起こると、顔の皮膚の感覚を伝える三叉神経に炎症が起こったり、脳内の血管が拡張して三叉神経を刺激したりして、痛みが起きます。三叉神経の一部は脳の血管を取り巻くように通っているため、脈を打つようなズキンズキンという痛みが現れるのです。

 視床下部は、女性ホルモンの分泌や睡眠、食欲などをつかさどっているため、月経や排卵、出産や更年期、寝不足や寝過ぎ、空腹などが引き金になると考えられています。

 また、視床下部は自律神経もつかさどっているため、ストレスやストレスからの解放、まぶしい光、強いにおい、人混みや騒音、天候の変化、温度の変化や高い湿度、アルコールなども片頭痛を起こす引き金になると考えられています。


 といったようなことしか、視床下部の役割を思いつかないことになっています。


 これが、頭痛専門医の考え方なのです。


私達の身体は私達の『自然治癒力』でしか治りません。


 19 世紀の半ばまでは、西洋では5つの伝統医療流派が共存していました。
 それは以下のようなものです。

 

 1. 自然療法(ナチュロパシー):食事療法を中心とする。
   自然に近づくほど病気は治るという真理に基づく 
 2.心理療法(サイコセラピー):心を癒やすことで病気を改善していく、暗示、瞑想、呼吸、イメージ療法など。
3.整体療法(オステオパシー):体の歪みを正して、病気を治す。
  整体、指圧、マッサージ、カイロプラクテイックス等。
4.同種療法(ホメオパシー):自然治癒力を活かす。
  草根木皮や薬石などで治癒を促進する。西洋の漢方の相当。
5.薬物療法(アロパシー):薬物に対する生体反応を利用する。
  本来の治癒反応である「症状」を抑える対処療法(逆症療法)である。


 上記の伝統医療流派のなかの1~4は、自然治癒力を基本とした医療です。
 5の薬物療法だけが自然治癒力を阻害する療法です。


 現代医学は、薬物療法が主流とされ、1~4は、自然治癒力を根本とした医療は代替医療と蔑まれ、すべてまやかしとされています。これが現代社会では通念とされています。   これは、現代社会は製薬業界に支配されているため、このようになっているだけのことです。製薬業界の利潤追求が最優先され、私達の健康は二の次に考えられているために、このようになっています。(このことは後ほど述べます)。
 このような現代医学に至ったのは、”近代医学”まで歴史を遡る必要があります。


病気を治すのは自然治癒力


 古代ギリシアの医聖・ヒポクラテスは「人間は生まれながらに体内に 100 人の名医をもっている」と言いました。この 100 人の名医とは、自然治癒力のことです。
 つまり、人間だけではなく生命体にはすべて自らの身体を治す力が備わっています。
 あらゆる生命は、自らを「正常な状態」に近付ける能力を備えています。
 これをホメオスターシス(生体恒常性維持機能)換言すれば「自然治癒力」と呼びます。

 単細胞から多細胞の高等動物まで、すべての生命体に、この機能は備わっています。
 ところが、なんと近代医学では、このホメオスターシスを、まったく考えていません。 それどころか自然治癒力の存在すら、医学生に教えないのです。
 ですから医師は、この生命の根本原理すら知りません。生命の真理にまったく無知な方々が、患者の生命を預かっています。“彼ら”に、病気が治せるわけがありません。
 そして近代医療を支配してきた薬物療法は、この自然治癒力を妨害・阻止する作用しかありません。
 大学医学部等の医学教育では、この自然治癒力を教える講座は1時間もありません。
 ということは自然治癒力をまったく考えることはありません。


このように医学の世界から「自然治癒力」という概念がいつからなくなったのでしょうか?

 
 この「自然治癒力」を否定した人物の名は、ルドルフ・ウイルヒョウ(1821~1902)。彼は、別名「病理学の法王」と呼ばれ、ベルリン大学の学長まで歴任し、政治家でもあり、ドイツ生理学、医学の頂点に君臨した人物です。
 近代医学は、ドイツ医学を祖とし、そのドンこそがウイルヒョウでした。その地位は、神の座と言っても良く、当時ドイツの病理学会では、誰1人、彼に反駁、反論できる者はいませんでした。現在の医師で、ウイルヒョウの名を知らぬ者は皆無とされる程、病理学者として有名です。
 当時、欧州の生理学・医学界では、1つの議論が白熱していました。


 それは「生命とはいったい何であるか?」という根本的な論争です。


 それまで、伝統的医学界では、こう考えられていました。
 「生命とは、化学、物理学などで解明できない神秘的な力(生気)によって、営まれている」これを「生気論」と呼びます。古代ギリシアの医聖・ヒポクラテスなど、それまでの医学は、この「生気論」の立場に立っていました。
 それに真っ向から異を唱えたのがウイルヒョウたちでした。彼等は、当時、台頭してきた産業革命などに力を得て、「生気論」を迷信に過ぎない、と嘲笑したのです。彼等は「生物も機械のように物体に過ぎない」と断定しました。これを「機械論」と言います。


 更に、彼等は「生気論者」に論争を挑んだのです。「化学、物理学で説明できない”生気”なるものが存在するなら、科学的に説明してみせよ」と・・


 まさに、これは無理難題の極致・・。


 「”科学”で証明できないものが存在する」と主張する「生気論者」に、それを科学で証明せよ、と迫ったのです。そうして、返答に窮する「生気論者」を「それみたことか」と嘲(あざけ)り、一方的に勝利宣言したのです。更に、こう宣言しました。「単なる物体の生命に、自然に治る神秘的な力など存在しない」「病気や怪我を治すのは、我々医者であり、医薬であり、医術だ!」なんという傲慢、なんという誤謬・・・。ウイルヒョウは勝利に酔いしれ、勢い余って「自然治癒力」まで否定してしまう大失態を犯したのです。


 以来、近代ドイツ医学では、ウイルヒョウによって、一般的には「病気」とは病因を裏付ける病理解剖学的所見があるものを指すことになっています。と同時に、「自然治癒力」という概念そのものは近代医学では、消えてなくなってしまいました。


 ですから、以後、大多数の医師は、このホメオスターシスを、まったく考えていません。
 それどころか自然治癒力の存在すら知りません。このため医師は、この生命の根本原理すら知りません。生命の真理にまったく無知な方々が、患者の生命を預かっています。


自然治癒力とは・・・ホメオスターシスのこと


  片頭痛を考える際に重要なことは、慢性片頭痛に至っていない初期の段階では、発作時にトリプタン製剤を服用しなくても、発作期間中に我慢に我慢して、永くても3日間耐え忍ぶことで、また元通りの健康状態に回復してくることです。群発頭痛でも同様です。
 なぜ、酷い発作で苦しめられながらもとの健康状態になってくるのでしょうか。
 さらに、この発作の期間も短くて4時間、永くて3日間と「国際頭痛分類 第3版β版」では、定義されていますが、どうしてこのように発作期間に差が診られるのでしょうか。


 これは、人間本来に備わっている「自然治癒力」のおかげです。そして、発作期間に差がみられるのは、個々の患者さんによって、あるいは発作時の体調によって、自然治癒力の程度に差異があるためです。これが、片頭痛治療を考える上でヒントになります。

 

 一般的には、片頭痛は、約3割が自然に治癒し、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪してきます。
 自然治癒した3割は、ホメオスターシス、すなわち”恒常性を維持するための「環境に対する適応力」により治癒したものです。
「ホメオスターシスの三角形」を構成する”セロトニン神経系”・”生理活性物質”・”腸内環境”の問題点が持続して存在すれば、「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が継続され、4割の方々が、症状が変わらない状態(発作がいつまでも繰り返される)が持続することになります。


 すなわち、脳内セロトニンの低下を引き起こす生活習慣があったり、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスの悪い食生活があったり、腸内環境を悪化させる要因が持続するような生活習慣が継続していることを意味しています。
 「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が継続された状態に、さらに「ミトコンドリアの弱体化」、「脳内セロトニンの枯渇」、生理活性物質の問題(必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスの悪い食生活の常習化)によって「ホメオスターシスの三角形」のバランスが崩壊することによって、さらに「体の歪み(ストレートネック)」等々の慢性化の要因が加わることによって、自然治癒力が失われた状況に至って、2~3割の方々が慢性化に至ってきます。これが慢性片頭痛の本態です。


ホメオスターシス、自然治癒力の法則


 先程述べましたように、19世紀、近代医学においては、「病理学の法王」と呼ばれるルドルフ・ウイルヒョウによって、「生気論」と「機械論」の論争で、「生命とは、化学、物理学などで解明できない神秘的な力(生気)によって、営まれている」という「生気論」は否定されると同時に、「自然治癒力」まで否定されることになりました。

 これに対して、クロード・ベルナールは、この当時、否定されていた「生気論」にゆかりの深い19世紀のフランスの医師・生理学者で、「生命!、それは創造である」、という一節で、良く知られています。彼の著書「実験医学研究序説」は、近代医学における実験の必要性と正当性を説いた古典として有名です。さらに「内部環境の固定性」と言う考え方を提唱しました。この考え方は後に米国の生理学者・ウォルター・B・キャノンによって「ホメオスターシス」という概念に発展しました。
 ウォルター・ブラッドフォード・キャノン(Walter Bradford Cannon,1871 - 1945)は、アメリカの生理学者で、1906年からハーバード大学医学部の教授を務めました。
  簡単に述べれば、人体は温度が高くなると身体の表面に近い部分の血管をひらいて体内に発生する熱を発散し、更には汗を出して気化熱で温度調節をします。
 また、逆に寒いときには血管を収縮させて熱の発散を防ぎます。
 同じように、酸、血圧、血糖、電解質、エネルギー、ホルモン、酸素、蛋白質、など生存に不可欠の要素に対しても、体内、体外の変化に反応して調節機能が働き、正常値を保とうとします。
 このようにホメオスターシスとは、外部の環境変化に対して、自ら体内の内部環境を、生存に適するように調節することを言います。即ち身体の恒常性を維持することです。
 体温や血糖値の正常範囲外への逸脱は、生体恒常性の異常すなわち病気を意味します。
 また「自然治癒力」は生体恒常性の表われと解釈されます。


 このように、ハーバード大学教授、ウォルター・B・キャノンによって、「ホメオスターシス」(自然治癒力)と命名された法則です。


 ところが、ロバート・メンデルソンは、「もし医者が患者の病気に対して無力であることを認め、”現代医学以外の治療や患者自身の自然治癒力を生かせば効果があるかもしれない”」と言ってしまえば、患者に対する威厳・統制力を失うことになります。ですから、医師としてはそんなことは言えません。このため、医師は自然治癒力を認めようとしません」と述べています。
 このようにして、臨床医学では「自然治癒力」という概念は取り入れられることはありませんでした。

 あくまでも「生理学」領域の”概念”でしかなかったのです。


改めて、私達の身体は私達の『自然治癒力』でしか治りません。


 従来より「頭痛治療」では、頭痛があれば、まず市販の鎮痛薬を、これでダメなら病院での鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬)、これで効かなければエルゴタミン製剤を、これでも効かなければトリプタン製剤が勧められてきました。
 そして、最後の”砦”とされるトリプタン製剤は片頭痛の”特効薬”とされてきました。
 このように段階的に、”鎮痛薬”の服用が推奨されてきました。
 すなわち、慢性頭痛治療の場面では、各種の諸々の薬剤によって、ただ単に”頭痛という痛み”を鎮めることしか考えず、痛みさえとれれば、これで万事OK!「よし」、”一件落着”と安易に・短絡的に考えられてきました。


 現在の片頭痛治療方針では、発作急性期には各種のトリプタン製剤を使い分け、発作間歇期には各種の予防薬を”適切に”選択すべきとされ、これで片頭痛の治療体系は確立されたとされています。
 そして、最後の”砦”とされるトリプタン製剤は、片頭痛の”特効薬”とされてきました。

 

 ですから、辛い片頭痛という頭痛発作がトリプタン製剤を服用することによって緩和しさえすれば、これで「片頭痛が治ってしまった」かのごとく思われてきました。
 このように、現代臨床頭痛学でも、「自然治癒力」といった観点から論じられることはありません。


 このホメオスターシス機能は人が病気になったり、怪我をした時にも発揮されます。
 それは、ちょうど振り子が引力で引かれて、正常の位置に戻ろうとする働きと同じです。 この時、真下に引力として働くのが自然治癒力です。
 風邪を引いた時を考えると、「病気」が風邪なら、発熱、咳、下痢などは「症状」つまり治癒反応です。


 発熱は体温を上げてウイルスなど病原体を殺すためです。更に、免疫力を上げるためです。咳、鼻水、下痢は病原体の毒素を体外に排泄するためです。
 これら「症状」の治癒反応のお陰で「病気」の風邪は、治っていくのです。
 ところが、西洋医学はこの各々「症状」を「病気」と勘違いする重大ミスを犯しています。そして、発熱には「解熱剤」、咳には「鎮咳剤」、下痢には「下痢止め」の薬物を投与します。まさに、対症療法の滑稽さです。「病気」が治ろうとする「命の振り子」を逆向きに押し返す。ですから逆症療法とも呼ばれます。
 治癒反応を薬で止められた「振り子」は、傾いたまま固定されます。
 すると「病気」も固定され、慢性化し、悪化していきます。
 現代医学が慢性疾患に無力で、悪化させるのみなのは、この致命的過ちの結果です。

 
 治癒反応である「片頭痛」をこうした薬剤で「ホメオスターシス(自然治癒力)」を一方的に抑え込むことによって、治癒反応が停止・固定され、その結果、「片頭痛」という症状は慢性化し、悪化してきます。これが、片頭痛が慢性化する最大の原因になっています。
  つまり、「片頭痛という頭痛」は「慢性頭痛」の治癒反応に過ぎません。
 つまり、様々な「片頭痛という症状」は「慢性頭痛」が治ろうとしている「現れ」なのです。「慢性頭痛」が治ろうとする「ホメオスターシス(自然治癒力)」である「命の振り子」を逆向きに押し返すことになります。こういったことから”逆”症療法とも呼ばれます。このようにして、対症療法は、自然治癒力を奪うことにも繋がります。
 このような”未病”の段階(自然治癒力の低下した状態)に、トリプタン製剤といった強力な鎮痛薬を発作時に毎回、服用し続けることは、”さらに”自然治癒力を低下させるだけのことであり、ひたすら慢性片頭痛への道を歩ませているということです。


自然治癒力を構成する3つの柱


 自然治癒力を構成する3つの柱として、自律神経系、内分泌系、免疫系があります。
 自律神経系には、セロトニン神経系が、内分泌系として、生理活性物質が、免疫系には、腸内環境が関与しています。


 セロトニン神経系はミトコンドリアと連動し、自律神経を調節しています。
 自律神経系には、交感神経・副交感神経系・セロトニン神経系が、生理活性物質には ①炎症を悪くする、②その炎症を調整する、③それらの働きを抑制するものの3つで制御され、腸内環境は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つでバランスをとっています。


 このように自然治癒力を構成する3つの柱となるものは、それぞれ3つによって制御されています。このように、自然治癒力は、科学のみで説明できない側面で制御されているということです。このように多面的・流動的なものであるということです。
 ここに神秘性を秘めています。今後、この領域に研究が進められるべきです。
  ということは、そんなに単純なものではないということです。
 とくに、腸内環境ほど神秘に満ち溢れた世界はありません。

 この点は、現代医学でも自然治癒力の観点からほとんど考察されることはありません。

 これが、さらに現代医学のアメリカ流西洋医学にも脈々と受け継がれています。


 このように、現代臨床頭痛学は、20 世紀初頭の100年前のアメリカ流の西洋医学をそのまま受け継いでいることから、ホメオスターシス(自然治癒力)という概念もなく、ただひたすら薬物療法だけしか行うこともなく、整体師・カイロプタクター、鍼灸師の施術を民間療法として蔑み、同様に東洋医学でいう”未病”という考え方を容認されない理由にもなっています。こうしたことから、・・

 

片頭痛が起こる原因のひとつが「脳の視床下部」


 片頭痛が起こる原因は、まだはっきりとわかっていませんが、脳の視床下部が関係していると考えられています。視床下部は、ホルモンや体温の調整、心臓の機能維持などの重要な働きをしています。この視床下部で脳の電位・脳内物質などの何らかの変化が起こると、顔の皮膚の感覚を伝える三叉神経に炎症が起こったり、脳内の血管が拡張して三叉神経を刺激したりして、痛みが起きます。三叉神経の一部は脳の血管を取り巻くように通っているため、脈を打つようなズキンズキンという痛みが現れるのです。

 視床下部は、女性ホルモンの分泌や睡眠、食欲などをつかさどっているため、月経や排卵、出産や更年期、寝不足や寝過ぎ、空腹などが引き金になると考えられています。

 また、視床下部は自律神経もつかさどっているため、ストレスやストレスからの解放、まぶしい光、強いにおい、人混みや騒音、天候の変化、温度の変化や高い湿度、アルコールなども片頭痛を起こす引き金になると考えられています。


 といった考え方に如実に示されていることになっています。

 問題はこうした考え方を「NHK健康チャンネルで確かな医療・健康情報を・・」といった箇所に掲載されていること自体、信じられない思いにさせられます。


 このようにマスコミを利用してまで、自分の主張を押し通されるようです。


 まさに・・末恐ろしい世界のようです。


「製薬業界は一般大衆を欺いている」


 ”製薬業界は私達の社会をコントロールし続けます。製薬業界の求めるところは医学研究をコントロールし、医療従事者をこの製薬業界に依存させることです。この権力を確実に手放さずに済むよう、製薬企業は立法機関およびメディアをうまく操っています。

 全メディアを通じた大規模な宣伝キャンペーンでは、医薬品のPRおよび宣伝部門によって、製薬業界の真実を隠そうと煙幕が張られています。
 製薬企業は、ルイ・パストゥール、ロバート・コッホ等の医学上のパイオニアと重ね合わせて自社のイメージを描こうとしています。彼らは人道主義に基いて疾病の根絶を目指していると主張しています。

 しかしながら、真実はまったくその逆です。つまり、製薬業界は、製薬市場拡大の基盤として疾病を存続させ続けることが目的なのです。

 コーデックス・カルテルは、意図的な疾病の根絶妨害をその目的としています。

 したがって、製薬業界は人類救済の伝統にもとづいてではなく、自らの利益を維持するために無数の人間を犠牲にする組織的犯罪者のグループであるIGファルベン社の伝統に基づいて運営されているのです。”